第2の人生は若返ってから

マユリ

文字の大きさ
65 / 147
第4章 イトルア村

第54話 旅立ち

しおりを挟む
村に着くとそのまま家に向かうます。明日旅立つとなったので色々とお掃除をしたかったからです。あまり使っていないので汚れてはいませんが「立つ鳥跡を濁さず」と言いますし、綺麗にしましょう。

「この家の造り気に入ってたんですけどね。」

家に着いてそう思いました。立ち止まった私にアルさんが「そんなに気に入っていたんですか?」と尋ねられました。

「そうですね。お花が好きなので庭があるので沢山植える事が出来ますし。屋根裏部屋が秘密の部屋みたいでドキドキしませんか?」

「お花が大好きだと仰っていましたからね。屋根裏部屋がお好きだとは知りませんでしたが。」

「はい。…あ、そういえばジュエルはどうしたんですか?ドタバタしていたので忘れてました。……怒ってないですかね。」

「召喚の仕方を教えていませんでしたね。頭の中で召喚獣の事を思い浮かべながら名前を呼ぶと現れるんですよ。先に教えておくべきでした。すみません。」

アルさんに謝られますが、アルさんは悪くありませんよ。確認しなかった私が悪いのですから。恐る恐るジュエルを思い浮かべながら名前を呼ぶと、突然目の前にジュエルが現れたかと思ったら私に突進してきました。そして「キュッ。キュウ~。」とずっと鳴いていると思ったら、何となく目がウルウルしていて泣いているようにもみえます。

「忘れていてごめんね。寂しかったでしょ。」

沢山撫でていると、落ち着いてきたのか鳴き声はなくなり頬をスリスリしてきました。角がチクチクしますが、寂しくさせていたのでそこは我慢してやりたいようにさせます。
その後は、前のようにポシェットにジュエルを入れると片付けを始めます。ザイルさんは夕御飯の準備ですし、ジルさんはテントの中の部屋に籠っています。アルさんが掃除を手伝ってくれたので早く終わりました。今日は色々ありウトウトしていた私の為に早めにご飯を食べて眠る事にしました。
…皆さんすみません。

翌朝、早めに目が覚めキッチンに向かうと皆さん勢揃いでした。朝御飯を食べテントもしまい綺麗にして家を出ます。そして、お世話になった村長さんのお宅に向かうと、何故か村中がドタバタと騒がしいですね。何があったのでしょうか?村長さんのお宅も中でドタバタとしている感じがしたので扉の前でどうしようかと悩んでいると丁度ミランさんが出てきました。

「あら、マリちゃんおはよう。」

「ミランお母さん何かあったのですか?何か村中がドタバタと騒がしい感じがしますが。」

「そうだったわ!ドラゴンよ。ドラゴンが村の近くに現れたらしいのよ。昨日空を飛んでいるのを見た者もいるし、声も村まで聞こえてきたの!だから、村人を避難させる為の話し合いをしていたのよ。」

……心当たりがありますね。多分昨日アルさんが討伐したドラゴンだと思います。

「もしかして、そのドラゴンって赤い色で翼に傷がありました?」

「そう、そう聞いたわ。…そういえば、昨日森に出掛けたのよね。もしかして見掛けたの?大丈夫だった?怪我はないの?」

「大丈夫ですよ。それにそのドラゴンの事はもう大丈夫だと思います。」

「怪我はないのね。…って、ドラゴンの事は大丈夫だと思いますって、どういう意味なの?」

私が説明しようとすると、ザイルさんが私の肩を軽く叩いて「俺達から説明する。」と言って、アルさんとザイルさんが村長さん達と部屋で話し合い、その間私とミランお母さんにジルさんの女同士はお茶を飲みながら待つことになりました。暫くすると、アルさん達が出てきてちゃんと話し合いは終わり、ドラゴンも村人が見たものと同じドラゴンだと言う事と魔石の確認もできたそうです。傷の位置が決め手となりました。それにドラゴンは、一つの場所に2頭も現れないそうです。村長さんはとても喜んで、おもてなしをさせて欲しいと伝えましたが、ザイルさん達はそれを断り旅立つ事を伝えるととても残念そうでした。

「村の恩人に何も恩返しが出来ないのは心苦しい、せめてこれだけでも。」

と、何か袋を差し出しますがザイルさんは断りました。

「今回は、私達の連れがお世話になりました。もし貴殿方に会わなければどうなっていたのかわかりません。こちらこそ貴殿方は恩人なのです。なのでこれは受け取れませんよ。」

「……ありがとうございます。…マリ、この家はもう一つのお前の家だと思っていつでも遊びにきなさい。」

「ありがとうございます。マリちゃん病気なんかしないでね。元気でいるんだよ。」

「……お世話になりました。ありがとうございます。」

ミランお母さんに抱き締められて思わず泣きそうになりましたが堪えます。旅立ちは笑顔が一番ですからね。そのまま村の入り口まで村の人達にが見送りにきてくれました。本当に暖かい人達ばかりです。
……所でリックお兄さんが見えませんが、どうしたのでしょうか?ミランお母さんに聞いたら、隣の村にいる奥さんの所に話を伝えに走ったみたいです。臨月で里帰りをしているらしくドラゴンの事もあり伝えに行ったみたいですが、ドラゴンの件も落ち着いたので、その連絡をしにまた別の人がその村まで今から出掛けるそうです。
リックお兄さんにお別れ出来なかったのは残念ですが、皆に見送られ村を出ます。私達が見えなくなるまで手を振ってくれるその姿にまた泣きそうになってしまいましたが、明るいザイルさんとジルさんの声それに優しく手を握ってくれるアルさんがいたので堪える事が出来ました。

よし、エルセバードに帰りますよ。


しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

シリアス
恋愛
冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた

今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。 レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。 不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。 レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。 それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し…… ※短め

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

処理中です...