主人公が鈍感(←理由あり)過ぎて、全然進展しないじゃないか!

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第2章 ゴールデンウィーク

#007 車内+ゲーム(画面)=車酔い(澪視点)

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「それにしても、なんで夜に行くの?」

 連休前の最後の学校があった日の夜、澪はそう口に出していた。

 今日の夜に帰省するのは澪も前から聞いていた。でも、夜に出発すると問題がある。かなり眠いのだ。

 澪の疑問に、父が答えてくれた。

 父がいうには、明日に出発すると『帰省ラッシュ』で渋滞するのだという。普通だと車で三時間で着くところが、1.5倍の時間がかかってしまうという。

 時刻は午後6時。太陽もかなり傾いているが、まだ沈んではいない。一目夜というよりはまだ夕方だが、父や母は『午後六時は夜』と決めているらしい。

 準備は昨日のうちからしてあるので、焦る必要はなかった。家族全員で帰省するのは二回目なので、どんな道を通っていくのかは澪は覚えていない。

 荷物を車に載せると、澪は車の後部座席に乗り込む。そのまま出発した。

 目的地の祖父母の家までは三時間少し。風景もあまり変わらないので、退屈しないように澪はあるものを車内に持ち込んでいた。それは、ゲーム機とスマホだ。どちらも充電は満タンだ。

 澪はまず、スマホの電源を入れる。スマホが会社のロゴマークとともに起動する。

 立ち上がったスマホにはパスワードがかけてある。第三者に勝手に見られては困るので、当然だ。澪はパスワードを入力して、ロックを解除する。そして、アプリの一覧の中から『MILE』をタップする。

 MILEが起動すると、澪は『未帆』と書かれている欄をタップする。すると、未帆との連絡用の画面が出てきた。

『帰り道の事はごめんなさい。あと、友佳から聞いてるとは思うけど、今日帰省してるからしばらく家にはいないから』18:08

 西森さんが読んでくれているかどうかは分からないが、これでひとまず伝えたかった事は伝えた。

(亮平はこの時間帯は読書とかテレビを見るとかしてるから、今はいいか)

 澪のスマホは連絡専用なので、ゲーム系のアプリは一切入っていない。

 とりあえずしたいことはしたので、ゲームをしようとゲーム機をリュックの中から取り出す。とはいっても、携帯型のゲーム機なので、テレビに映して遊ぶような大型なのではなく、小型だ。

 父から、『車の中で画面見るのは、ほどほどにね。車酔いするから』と忠告された。

 しかし、澪はほとんど車に乗った事がない。遠くに行こうと思えばバスか電車だし、そもそも遠くまで行く必要がない。田んぼがズラっと並んでいる田舎の車社会とは違うのだ。

 なので澪には車酔いがどんなものかが分からなかった。

(車酔いって、お酒みたいにべろんべろんに酔うわけでもないし、まあ別になっても平気でしょ!)

 澪がそう思って長時間ゲームをつづけたのが、仇となった。

 車が走っているのは当然高速道路。おまけに山中を途中走らなければならないので、上がり下がりが激しい。

「うっぷ……。気持ぢ悪い……」

 案の定、澪は車酔いをした。

 澪自身は分かっていなかったが、車酔いは画面を見なくなった瞬間に治るものではない。ある程度の時間が経過するまで気持ち悪い状態がつづく。澪は、結局目的地に到着するまで吐き気や気持ち悪さと戦いつづけたのであった。

 ちなみに、澪がMILEで未帆に送ったメッセージは、未帆は澪が帰ってくるまでまったく気付かず、澪がいないことに未帆が翌日驚いていたのは言うまでもない。
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