【高校生×OL】スターマインを咲かせて

紅茶風味

文字の大きさ
6 / 25

2話-2

しおりを挟む

***

 放課後、授業を終えてすぐに図書室に向かった。校舎の端に位置するそこは、二階建てで広く、静かな空間が広がっている。壁沿いに半分個室になっている勉強机が並び、この時期には受験を控えた三年生が多く利用しているようで、ほとんどが埋まっていた。

 唯一空いている一席を見つけ、そこに腰を下ろした。鞄から問題集と筆記用具を取り出して机に向き合ってみれば、閉塞感がなかなかに心地よい。初めて使うけれど、結構集中できるかもしれない。

 今日は学童保育のバイトは休みだ。連休明けということもあってか預かる児童が少なく、人も足りているからと今朝連絡があったばかりだった。来てもいいが、受験勉強の時間に費やした方がいいのではないか、という内容が含まれていた。気を使われているらしい。

 二時間ほど勉強をして、帰り支度を始めた。そういえばバイトが休みになったことを父親に伝えていなかった。まぁいいか。どうせ今から帰るのだから。

 昇降口を出ると、涼しい風が全身をかすめた。まだ十七時過ぎだというのに、外は既に暗くなっている。もうすぐで冬がくるのだな、とぼんやりと思う。毎年、この季節になると心の中が物悲しくなる。

「篠原」

 校門に向かって歩いていると、後ろから声をかけられた。振り返ると、福本が立っていた。鞄を持っているので、これから帰るのだろう。少し驚いた様子でこちらを見ている。

「バイトは?」
「今日は休み。お前こそ何してんの」
「後輩に顔出してた」

 後輩とは、陸上部のことだ。福本はすでに引退しているが、入学時から続けていて信頼も厚いらしいことは小木から聞いたことがある。

 昼間のことがあったので、なんとなく身構えた。小木がいれば確実に揶揄からかわれただろうが、福本はそういう性格ではない。どちらかといえば、自由奔放な彼女を呆れながら見守っている方だ。

 無言で並んで歩き、校門を出た。駅へと続く大通りには人が溢れていて、賑やかな声がそこかしこから聞こえてくる。

「お前さぁ、昼間話してたやつ」
「あーあ」
「なんだよ」
「福本はほっといてくれる奴だと思ってたのに」

 わざとらしく言えば、なぜか少しおかしそうに顔を歪めた。

「だってお前、あの反応は駄目だろ」

 あの反応ってなんだよ。そう思うも、自覚しているので口には出せない。言えば自分の恥ずかしい姿を掘り返されるだけだ。

「篠原って彼女いたことあるよなぁ」
「まぁ、一応」
「別に初めて女に惚れましたってわけでもないだろうに、なんで今更ああなるわけ」

 彼女がいたと言われれば肯定はするが、それはただ付き合ってくれと言われて断らなかっただけだ。成り行きで恋人同士というものになって、気づけば別れを告げられていた。なんだかよく分からない時間だったな、と思うだけで、恋愛をした、という自覚はなかった。

「……初めて、惚れたのかも」

 あの人のことを思い出すと、今まで付き合った女の子に対するものとはかけ離れた感情が芽生える。積極的に恋愛をする人たちのことをどこか俯瞰で見ていたけれど、実際はこういう感じなのだな、とようやく理解できたような気がする。

 黙ってしまった福本を不思議に思って見れば、心底呆れたような顔でこちらを見つめていた。

「お前、それ、そこそこ最低な発言だぞ」
「そうかな」
「前の彼女に絶対言うなよ」

 商店の並ぶ賑やかな通りは、明るい光で溢れている。もう少し経てば、気の早いイルミネーションが現れる。その光景を見るのも、今年で最後だ。

「それってさ、バイト先の人?」

 福本の言葉に、思わず、う、と言葉に詰まった。やっぱりか、という目で見られたので、顔に出ていたのだろう。

「なんで分かったんだよ」
「話の流れからしてそうだし、お前、学校にいる時ずっと腑抜けてるし」
「腑抜けてない」
「つーことは年上か」

 独り言のように言ったその言葉が、心の中にあった靄もやに触れた。

 駅前に着くと、俺はこっちだからと、福本が駅の反対側に続く高架下へと向かっていった。一人暮らしをしている小木の家が、そっちの方面にある。最初こそ驚いたが、こうして日々、家を行き来する二人に対して、今ではいつものことだと受けとめるようになっていた。

「お前さ、さっき、ほっといて欲しかったみたいなこと言ってたけど、それって、本気だってことだろ。べつに余計な詮索はしないけどさ。まぁ、頑張れよ」

 捨て台詞のように言われて返す言葉が見つからず、気づけば背中を向けられていた。




 翌日、学校を終えて一度帰宅し、私服に着替えてから学童に向かった。決められた始業は十七時半だが、毎日少し早めに着く。

 賑やかな館内に入ると、数人の子供たちが走り寄ってくる。こうして笑顔を向けてくる姿を見ていると、あまり愛想の無い自分でも上手くやれているのかな、と少し安心する。

 事務室で職員の人に挨拶をしつつ、身支度を整えた。と言っても、指定の制服があるわけではないので、職員用の名札を首から下げるだけだ。今日来ている児童の名前を確認し、三十分後のお迎えに備える。その中に四倉悠希の名前もあって、心が浮ついた。

「何かやることあります?」

 事務作業をしている職員に聞いた。

「今日は落ち着いてるから大丈夫。子供たちの相手しててくれるかな」
「分かりました」

 学童には、小学校一年生から六年生までの児童がいる。同じ小学生といえど、六歳も差があれば遊び方も変わってくる。年齢だけではなく、性別の差もある。性格だって当然違う。ここで働くようになってから、そういう当たり前のことを学ぶ機会が増えた。

「あおちゃん」

 走り回る子供たちを見ていると、後ろから声をかけられた。女の子が二人、足元でこちらを見上げていた。比較的大人しい子たちで、一緒にいる姿をよく見る。

「これ、キャンドルつくったの」

 そう言って持ち上げて見せてきたのは、透明な袋に入っている、円柱の形をしたカラフルなキャンドルだ。学童では定期的にイベント事を行っている。昼間に働けないので実際に参加したことはないが、こうして作ったものをを見せてくれたり、話を聞かせてくれる子は多い。

「そっか、今日はキャンドル作りしたんだっけ」

 しゃがんで目線を合わせると、うん、と控えめな笑顔を見せた。

「もうすぐクリスマスだから、おうちでつかってパーティするの」
「楽しみだね」
「……それでね、これは、あおちゃんに」

 もう一つ持っていた袋を見せて、こちらに寄こす。受け取ると、隣にいた女の子も同じように、持っていた袋を寄こしてきた。

「俺にくれるの?」
「うん。ふたりでつくったの」
「すごい上手に出来てるじゃん。使うのもったいないなぁ」

 名前から連想してくれたのか、青色を基準に水色や黄色のマーブル模様になっていて、星の飾りが上にくっついている。もう片方は、ハートの飾りだ。職員の手助けもあったのだろうが、こういう細かい作業はさすが女の子というべきか、センスがある。

「ありがとう」

 お礼を言うと、ふふ、と小さく笑い、走って行ってしまった。

 三十分はあっという間に経ち、気づけばお迎えの時間になっていた。早い時間に帰宅している児童もいるので、決して人数は多くはないのだが、それでもここからの一時間は忙しない。

 保護者が来てから児童に声をかけると、大体が支度を終えていない。荷物をまとめるだけならまだしも、まだ遊んでいる最中で駄々をこねることもある。何とか支度を済ませて送り出すと、すぐにまた他の保護者がやってくる。その繰り返しだ。

「こんばんは。悠希くんのお迎えに来ました」

 一人送り出したタイミングで、宮丘さんが来た。会社帰りという出で立ちに、寒いのか首にストールを巻いている。すでに顔見知りの俺がいるのに、律儀に保護者カードを取り出して紋所かのように見せてきた。

 傍にいた他の職員が、悠希を探しに行ってしまった。一歩踏み出しかけていた足を止め、どうしたものかと迷い、そのまま奥へ戻ろうとしたところで「あの」と、声を掛けられる。

「この間は、ありがとうございました」

 金曜日のことを言っているのだろう。悠希が寝てしまい、家まで送り届けた日だ。

「いえ、べつに……」
「悠希くんのお母さんに話したら、今週末に一時的に帰ってくることになったんです。悠希くんもそれ聞いて元気になって、すごく楽しみにしていて」

 嬉しそうに話す姿をじっと見つめた。こうして好きだと自覚してから改めて向き合うと、今までのような接し方が思い出せなくなる。なるべく普通に、と意識しながら「そうですか」と言うと、「そうなんです」と返された。

「あおちゃん、バイバイ」

 女の子が一人、ランドセルを背負って帰って行った。

「キャンドル、ありがとね」

 すでに閉じかけていたドアに向かって言えば、ガラス戸の向こうで手を小さく振ってくれる。振り返していると、隣にいた母親が笑顔で会釈をしたので、慌てて頭を下げた。

「キャンドル?」

 宮丘さんが不思議そうに聞いた。

「昼間、キャンドル作りしたんです。悠希くんも参加してると思いますよ」
「へぇ、そんなことするんですね。楽しそう」
「クリスマスに向けて、オーナメント作りとか色々やる予定です。当日はパーティするんですけど」
「クリスマスパーティですか?」

 少し高くなった声が、弾んで聞こえた。

「よかったら宮丘さんも参加……、って、仕事か」
「そうですね。というか、その頃はもう私じゃなくてお母さんの出番かな」

 咄嗟に言葉に詰まり、返事ができなかった。そうですね、とただ返せばいいのに、動揺して声になってくれない。そのおかしな間を埋めるかのように、悠希が声を上げながら駆け寄ってきた。

「花ちゃんおまたせ」

 靴を履き替え、手を振り、背中を向ける二人を落ち着かない心で見送った。姿が見えなくなってからも、ぼんやりとドアを見つめる。

 なぜか頭から抜けていた。彼女は母親の代理で来ているだけであって、それは限られた期間だけだ。たしか国内出張だと聞いている。それが終われば、母親が迎えに来るようになり、入れ替わりに彼女は来なくなる。

 途端に心が焦りだした。あと何日? 何回会える? このたった数分だけの時間を繰り返しただけで、何かが生まれるわけがない。

 急いでその場を走り出した。ドアを開け、道路に飛び出して先を見る。あまり遠くない場所に二人の影が見えた。

「あの!」

 声を上げながら走り寄ると、二人が足を止めた。驚いた顔が俺を見つめる。

「連絡先……っ、教えてください」
「え?」

 瞬きをする大きな目を見ていられなくて、視線を逸らした。「えっと」と漏らす小さな声は、明かに困っている。

「前に、携帯の番号書きませんでしたっけ?」

 その返答に、思わず「は?」と間抜けな声が出てしまった。それを怒っていると思ったのか、弁解でもするように慌てて両手を胸の前で動かす。

「あっ、勘違いかもしれません。ごめんなさい、お迎えのカード作った時に書いた気がして……」
「あぁ……」
「か、書きました、よね……?」
「書きましたね……」

 途端に脱力した。そりゃそうだ。バイトとはいえ、学童で働いている人から連絡先を教えろと言われれば、それは保護者としてのものと捉えるのが当然だ。

 よかった、と安心する顔を見てしまっては、もう個人的に知りたいのだとは言えない。呆けた様子の悠希と目が合い、その視線が足元に向けられるのを見て、つられて下を見た。内履きのままだ。

「急いでたから履き忘れた」
「あおちゃん、おっちょこちょいだなー」

 二人を見送り、肩を落として学童に戻った。内履きは軽くはたけばいいだろう。そう思っていたら、ちょうどそこに居合わせた職員に見つかり結構な勢いで怒られた。

 靴を洗っている暇もないので、後回しにして来客用のスリッパを履いた。ふらふらと吸い寄せられるように事務室へと行き、棚から名簿を取り出す。そこには保護者の名前が羅列されていて、彼女の名前の横には緊急時連絡先として携帯番号が記されていた。

 少し迷い、いやいや、と首を振る。これに個人的な電話を掛けたら、ただの不審者だ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。

NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。 中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。 しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。 助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。 無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。 だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。 この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。 この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった…… 7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか? NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。 ※この作品だけを読まれても普通に面白いです。 関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】     【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】

「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」

透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。 そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。 最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。 仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕! ---

溺愛ダーリンと逆シークレットベビー

吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。 立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。 優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?

一億円の花嫁

藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。 父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。 もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。 「きっと、素晴らしい旅になる」 ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが…… 幸か不幸か!? 思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。 ※エブリスタさまにも掲載

処理中です...