古の武器を強奪するため、他国へ潜入いたします〜やる気は、どこかに置いて来ました(笑)〜

いく

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「重くなった原因は、威力を上げるためにいろいろと加工してもらったからだな。
すごいんだぞー。これでゴム弾を撃っても、防弾ガラスに穴を開けられる威力があるんだ」


金村は銃を掲げ、うっとりとした口調でとんでもないことを口にする。

「……それって実弾使った場合と同じじゃないですか。そんな危険なもの使ってたんですか?」


もしも訓練中にバレれば、さすがに問題になるレベルのまずさだ。けれど、金村は全く気にしている素振りがない



「射撃訓練はこれ使うことが多いかなー。でも実践訓練では使ったこと無いぜ?」


ドヤ顔で威張られても、訓練で使っている時点でアウトだ。人に向けないだけいいが、思わず的に同情してしまう。

「そんな危険なもので撃ったら、ゴム弾といえど体を貫通しかねませんね」


「まぁ、俺もそれは思った。さすがに訓練で死人だしちゃまずいしな」


「ただでさえ金村とあたった不運な人が、意識のある状態で訓練場から出てきた試しがないんですしね……。
たいてい意識がぶっ飛んで、体中痣だらけになってるんですよ可哀想に」


 冗談でもなんでもなく、金村と対戦した隊員は例外なく医務室に運ばれていく。


「相手が弱いのが悪い。俺のせいじゃないしー」


 本人はこう言い切るが、実際悪いのは「手加減」というものを知らない金村以外のなにものでもない。

訓練とはいえ、赤塚でさえ金村とは当たりたくないと思ってしまう。実力差がある上に、手加減なしで向かってくる相手はお断りしたい。


「お前は本気でやらなさ過ぎなんだよ。訓練の意味がねえだろー?」


「失礼な。あれでも真剣にやってるんですよ?」


「弾丸を10発以上使ったことがあるか?」


「ありませんね」


「相手を再起不能にしたことは?」


「それは時たまにあります。けど、基本はギブアップさせて終わりです」


赤塚は金村と違って、手加減というか、手抜きできる部分は手抜きする主義だ。
後々恨まれるのも面倒なので、適当にいなすことを第一としている。


「生温いなー。いざという時絶対困るぜ?俺が保証する」


「そんな保証は破ってゴミ箱にでもつっこんどいてください。僕には必要ありませんから」


明らかに不服そうな表情を金村が浮かべるのと、射撃訓練終了のブザーが鳴ったのがほぼ同時。


「さ、移動しましょうか」


「この話はおしまいです」とパンッと手を打ち、次の訓練場へと移動する。


「絶対後悔すると思うんだけどなー」とぼやく金村を急かしつつ移動していると、思い出したようにポンッと金村が手を打った。


「あーそうだ。今日午前中に上層部から呼び出しがあって公州国こうしゅうこくでの任務の話があったぜ。確か癸鴉神みずのとりじんを回収するのが二大柱の1つなんだと」


「癸鴉神って言いましたか?」


思いがけない単語が飛び出したことに、赤塚は驚いて足を止めた。

 癸鴉神というのは、存在する武器の中で最も上に位置する、幻の武器の名前だ。それ一つあれば国をいとも簡単に消すことができるという脅威の品。


「それ、存在するんですか?」


 
「上はそう思ってるらしい。公州国にブツがあるんじゃねぇかって話があったからな」


「へぇ」


さすが軍事国家というべきか。古代の名器を欲しがるなんて物騒な話だが、この国ではそれが当たり前なのかもしれない。欲しいものは奪いとる。そういうお国柄だ。


「んで、もう一つの柱は公州国を消す事だってさ」


「また国潰しですか。これでもう何国目ですかね」


「さあな」
 

「ところで癸鴉神の回収って言ってましたけど、具体的には分かってないんですか?」


「そうらしい。まだ作戦まで一ヶ月とちょっとあるから、これから確定するんじゃねえ? 赤塚にもそのうち話が回ってくるぜきっと」


「そのようですね」


赤塚の視線の先には軍服をきつそうに着て、えばりくさった態度でこちらに近づいてきている男がいた。


「三番隊の隊長さんのお出ましか」


楽しそうに金村がそう呟く。

まったく、他人事だと思ってとぼやいたところで、どうにもならない。


案の定隊長からは軍司令部からの呼び出しを告げられ、赤塚は大きな大きなため息をつくはめになった。

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