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プロローグ2 それは古の物語
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「突入した直後に右手から炎が上がったんだ。
最初は別に何の違和感も無かったんだけど、その勢いが半端じゃなかった。
気になってじっとそっちの方を見たら、人が炎に包まれて次々と倒れていった。
辺りには肉の焼ける臭いがたち込めてて、僕らはただ見ていることしか出来なかったよ。
火が弱まった時にはもう動いている者はいなくて、焼死体の山だけが目の前に広がってて」
青白い顔で何かに怯えるように話してくれました。
話し終わって研究者から離れる時に、
「あの光景が頭から離れない。酷いもんだよ」
ぼそっと呟いて去っていきました。
また、別の兵士に聞くとこんな答えが返ってきました。
「前方で雷が落ちたんだ。
でも空には雲ひとつ無い晴天だったからおかしいと思って、そっちを見ようとしたらまた雷が落ちたらしくて、轟音と眩しい光に襲われた。
あまりにも激しい音だったから両手で耳をふさいで、あまりにも眩しかったから目を瞑った。
しばらくして音が聞こえなくなったから目を開けたら」
兵士は一度そこで言葉を切った。
研究者が促すと、唾を飲み込んでさらに少し時間をおいてから口を開きました。
「……焦げた死体の山が広がってたんだ。
ほとんどの兵士が銃をもっていたから、すごい高電圧の電流が身体に流れたらしい。
焦げた人が折り重なって……あぁ、思い出すだけで吐き気がするよ」
兵士は今にも倒れそうな頼りない足取りで、研究者から離れていきました。
研究者はさらにもう一人の兵士に尋ねました。
すると、こんな答えが返ってきました。
「突風で人が次々に飛ばされていったんだ。
後ろのほうに設置されていた先のとがった防御用の柵にざくざくと人が刺さっていって、見る間に柵が赤色に染まっていった。
地面にたたきつけられた奴はバキボキと不快な音をたててすぐに動かなくなった。
もういいだろ! もう何も聞かないでくれ!」
いきなり兵士が叫んだので研究者はぎょっとしました。
その兵士はそのまま地面に座り込むと、大声で泣き出しました。
「あれは夢だ! あんな簡単に人が柵なんかに突き刺さるはずが無いんだ! 夢だ! 早く目覚めてくれ!」
涙声で叫びました。
兵士は両脇を人に支えられながら半ば引きずられるようにして、研究者のもとを離れていきました。
話を聞いていくうちに研究者の顔は血の気を失い、真っ青になっていきました。
どの兵士に聞いても帰ってくる答えはほとんど変わりませんでした。
兵士は口々にその悲惨な現状を語り、泣き崩れたり、気を失ったりする者も少なくありません。
重たい足を引きずって、研究者は家に戻りました。
研究者はあの三種の武器を作ったことを酷く後悔しました。
あんなものが、もしまた使われたりしたらと思うと、いてもたってもいられません。
研究者は家を飛び出すと、走って王様の元へいきました。
そしてこんなことを言いました。
「王様! 私はあの三種の武器をもっと威力のある物に改良する案を考え付きました。
あの三種の武器をもう一度私に預けてください。
一週間もすれば、さらに強力になった武器をお渡しすることが出来ます」
王様は上機嫌で丁度ほろ酔いしていましたから、何の疑いも持たずに研究者に三鬼神を返しました。
さて、まんまと武器を持ち帰ることに成功した研究者はすぐに地下の研究室に閉じこもりました。
暖炉に火を煌々と焚き、先ほど持ち帰ったばかりの武器をその中に放り込みました。
ですがどんな高温にも耐えられるようにと造ったために、いっこうに融ける気配がありません。
それならばと、今度は斧を振り上げて力いっぱい武器に向かって振り下ろしました。
ですがどんな衝撃にも耐えられるようにと造ったために、傷一つつきません。
研究者は途方にくれてしまいました。
気づくと、もうすでに六日が経っていました。
王様の手に再び三鬼神が渡ることを恐れた研究者は、三鬼神を一丁ずつ慎重に頑丈な鉄の塊のような箱に詰めると、手紙を添えてある三人の元へと送りました。
研究者は二度とあんなものが作られないように、家の中に残っていた三鬼神に関する資料や設計図を、暖炉に投げ込んで全て燃やしてしまいました。
間もなく、三鬼神の受け取りに来た王様の使者が冷たくなった研究者を見つけました。
王様は血眼になって三鬼神の在りかを探しましたが、とうとう見つけることは出来ませんでした。
研究者の思惑通り、王様の下へ三鬼神が戻ることは二度とありませんでした。
こうして三鬼神は闇に葬られたのです。
これは今から二百年も前のお話―
最初は別に何の違和感も無かったんだけど、その勢いが半端じゃなかった。
気になってじっとそっちの方を見たら、人が炎に包まれて次々と倒れていった。
辺りには肉の焼ける臭いがたち込めてて、僕らはただ見ていることしか出来なかったよ。
火が弱まった時にはもう動いている者はいなくて、焼死体の山だけが目の前に広がってて」
青白い顔で何かに怯えるように話してくれました。
話し終わって研究者から離れる時に、
「あの光景が頭から離れない。酷いもんだよ」
ぼそっと呟いて去っていきました。
また、別の兵士に聞くとこんな答えが返ってきました。
「前方で雷が落ちたんだ。
でも空には雲ひとつ無い晴天だったからおかしいと思って、そっちを見ようとしたらまた雷が落ちたらしくて、轟音と眩しい光に襲われた。
あまりにも激しい音だったから両手で耳をふさいで、あまりにも眩しかったから目を瞑った。
しばらくして音が聞こえなくなったから目を開けたら」
兵士は一度そこで言葉を切った。
研究者が促すと、唾を飲み込んでさらに少し時間をおいてから口を開きました。
「……焦げた死体の山が広がってたんだ。
ほとんどの兵士が銃をもっていたから、すごい高電圧の電流が身体に流れたらしい。
焦げた人が折り重なって……あぁ、思い出すだけで吐き気がするよ」
兵士は今にも倒れそうな頼りない足取りで、研究者から離れていきました。
研究者はさらにもう一人の兵士に尋ねました。
すると、こんな答えが返ってきました。
「突風で人が次々に飛ばされていったんだ。
後ろのほうに設置されていた先のとがった防御用の柵にざくざくと人が刺さっていって、見る間に柵が赤色に染まっていった。
地面にたたきつけられた奴はバキボキと不快な音をたててすぐに動かなくなった。
もういいだろ! もう何も聞かないでくれ!」
いきなり兵士が叫んだので研究者はぎょっとしました。
その兵士はそのまま地面に座り込むと、大声で泣き出しました。
「あれは夢だ! あんな簡単に人が柵なんかに突き刺さるはずが無いんだ! 夢だ! 早く目覚めてくれ!」
涙声で叫びました。
兵士は両脇を人に支えられながら半ば引きずられるようにして、研究者のもとを離れていきました。
話を聞いていくうちに研究者の顔は血の気を失い、真っ青になっていきました。
どの兵士に聞いても帰ってくる答えはほとんど変わりませんでした。
兵士は口々にその悲惨な現状を語り、泣き崩れたり、気を失ったりする者も少なくありません。
重たい足を引きずって、研究者は家に戻りました。
研究者はあの三種の武器を作ったことを酷く後悔しました。
あんなものが、もしまた使われたりしたらと思うと、いてもたってもいられません。
研究者は家を飛び出すと、走って王様の元へいきました。
そしてこんなことを言いました。
「王様! 私はあの三種の武器をもっと威力のある物に改良する案を考え付きました。
あの三種の武器をもう一度私に預けてください。
一週間もすれば、さらに強力になった武器をお渡しすることが出来ます」
王様は上機嫌で丁度ほろ酔いしていましたから、何の疑いも持たずに研究者に三鬼神を返しました。
さて、まんまと武器を持ち帰ることに成功した研究者はすぐに地下の研究室に閉じこもりました。
暖炉に火を煌々と焚き、先ほど持ち帰ったばかりの武器をその中に放り込みました。
ですがどんな高温にも耐えられるようにと造ったために、いっこうに融ける気配がありません。
それならばと、今度は斧を振り上げて力いっぱい武器に向かって振り下ろしました。
ですがどんな衝撃にも耐えられるようにと造ったために、傷一つつきません。
研究者は途方にくれてしまいました。
気づくと、もうすでに六日が経っていました。
王様の手に再び三鬼神が渡ることを恐れた研究者は、三鬼神を一丁ずつ慎重に頑丈な鉄の塊のような箱に詰めると、手紙を添えてある三人の元へと送りました。
研究者は二度とあんなものが作られないように、家の中に残っていた三鬼神に関する資料や設計図を、暖炉に投げ込んで全て燃やしてしまいました。
間もなく、三鬼神の受け取りに来た王様の使者が冷たくなった研究者を見つけました。
王様は血眼になって三鬼神の在りかを探しましたが、とうとう見つけることは出来ませんでした。
研究者の思惑通り、王様の下へ三鬼神が戻ることは二度とありませんでした。
こうして三鬼神は闇に葬られたのです。
これは今から二百年も前のお話―
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