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第3章
第47話 ギルドへの帰還、報告
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地下水道の出口から外に出た瞬間、リュークは湿った空気を深く吸い込んだ。冷たい夜風が熱を帯びた体を包み込み、心地よい安堵感をもたらす。
「やっと終わったか……」
ガルドが剣を鞘に収め、大きく息を吐いた。
「けど、あれ……本当に封じられたの?」
リーナが不安げにリュークを見た。彼は手の中の魔物核を見下ろしながら、ゆっくりと頷く。
核は依然として紫の光を淡く放ち、その奥に闇の名残が渦巻いているようだった。
「完全に消えたとは言えない。でも、ひとまず地下水道に影響はないはずだ」
リュークはシャドウファングの首元を優しく撫でた。黒狼は喉を鳴らしながらリュークに寄り添う。
「さぁ、ギルドに報告しようぜ。報酬もらわねぇとやってられねぇよ」
ザックが肩を竦め、先を歩き出す。その背中を追い、リュークたちはギルドへと向かった。
◆ギルド:報告と対策
ギルドの扉を開くと、夜遅いにもかかわらず、カウンターにはエリナが座っていた。彼女はリュークたちの姿を見つけ、驚きと安堵の表情を浮かべる。
「リュークさん!皆さんも無事だったんですね!」
「ああ、何とかね。依頼は達成したよ」
リュークは魔物核を取り出し、エリナに手渡した。紫の光を放つそれを見た瞬間、彼女の顔色が変わった。
「これが……?」
「地下水道に潜む影の残滓だ。完全に消せたわけじゃないが、これでひとまず封印はできたはずだ」
つづいて術式の書いた紙をリーナが手渡す。
エリナは魔物核を慎重に扱いながら、奥の部屋へと向かう。その背中を見送った後、リュークたちはギルドホールのテーブルに腰を下ろした。
「お疲れ様、リューク。今日のは本当に危なかったな」
ガルドが渋い顔で言うと、リーナが深く頷いた。
「封印術がなかったら危なかったわ。リューク、よくやったわね」
「いや、みんながいたからこそだよ。ありがとう」
リュークは仲間たちに感謝を述べつつも、胸の奥では拭いきれない不安を抱えていた。
――本当に、あの影は消えたのか。あるいは……またどこかで目を覚ますのではないか。
そんな時、ギルドの奥から重い足取りでギルドマスター・ヴォルグが現れた。
手には、あの戦いの中で使った魔物核が握られている。
「よくやった、リューク。そして、ガルド、リーナ、ザック……お前たちもな」
ヴォルグは労いの言葉とともに魔物核をテーブルに置いた。
だが、その顔に浮かぶ表情は、決して晴れやかなものではなかった。
「……だが正直言って、楽観はできん。封印はあくまで“応急処置”に過ぎない可能性が高い」
リュークは眉をひそめる。
「それは……どういう意味ですか?」
ヴォルグは核をじっと見つめ、低く答えた。
「この魔物核に残っている闇の力……おそらく、もっと深い何かの“端末”のようなものだろう。放っておけば、いずれまた“目”を覚ますやもしれん」
リュークは拳を固く握りしめた。
再び、あの影と向き合わなければならない時が来る。そう思うと、胸の奥に静かな決意が芽生えた。
「……俺に、できることはありますか?」
ヴォルグはしばし考え、やがてゆっくりと頷く。
「今は、休むことだ。力を蓄えろ。いずれ必ず、お前にも“役目”が巡ってくる。その時が来るまでな」
そう告げると、ヴォルグは背を向けた。
「報酬は、整理して明日渡す。ゆっくり休め」
リュークは深く頷き、ギルドを後にしようとした――が。
「少し休んでいこうぜ」
ガルドの提案に、リュークたちはギルド内の酒場スペースへと足を向けた。
簡素な木のテーブルに腰掛け、木製のジョッキに注がれた麦酒を手に取る。
「とりあえず……無事に戻れた祝いだな」
ガルドがにやりと笑い、リーナもそれに優しく微笑みながらジョッキを合わせた。
リュークも自然と笑みをこぼし、二人に続いて乾杯した。
冷たい麦酒が喉を滑り落ちる。張り詰めていた緊張が、ほんの少しだけほどけていくのがわかった。
──そんな穏やかなひとときの中、不意に隣のテーブルから賑やかな声が耳に飛び込んできた。
「聞いたか? 北方鉱山で“幻の鉱石”が発見されたらしいぜ」
「嘘だろ? あれは伝説級の……」
思わず耳を傾けるリューク。
「マジだって。今、ギルドでも調査隊を編成する話が出てるらしい」
また別のテーブルでは、新人らしき冒険者たちが顔を寄せ合って囁きあっていた。
「なあ、遺跡周辺で光る目を見たって噂、ほんとかよ……」
「やめろよ……夜眠れなくなるだろ……」
リュークは、静かに麦酒を口に運びながら考える。
幻の鉱石、地下に蠢く闇。どちらも、まだ自分には縁遠い話のようでいて、どこかで繋がっている気もした。
(……いずれ、ああいう話にも関わることになるかもしれない)
シャドウファングがリュークの足元で静かに座り、尻尾を小さく振った。
それを見て、リュークはふっと口元を緩めた。
「さて、そろそろ行こうか」
リュークたちは席を立ち、ギルドを後にした。
冷たい夜風が彼の頬を撫でる。
(まだ、やるべきことがあるんだ……)
シャドウファングが静かに寄り添い、夜の闇に溶けていった。
──静かに、しかし確かに、彼らの旅は続いていた。
次回:静寂の街で誓う決意
予告:戦闘の余韻、そして鍛錬
「やっと終わったか……」
ガルドが剣を鞘に収め、大きく息を吐いた。
「けど、あれ……本当に封じられたの?」
リーナが不安げにリュークを見た。彼は手の中の魔物核を見下ろしながら、ゆっくりと頷く。
核は依然として紫の光を淡く放ち、その奥に闇の名残が渦巻いているようだった。
「完全に消えたとは言えない。でも、ひとまず地下水道に影響はないはずだ」
リュークはシャドウファングの首元を優しく撫でた。黒狼は喉を鳴らしながらリュークに寄り添う。
「さぁ、ギルドに報告しようぜ。報酬もらわねぇとやってられねぇよ」
ザックが肩を竦め、先を歩き出す。その背中を追い、リュークたちはギルドへと向かった。
◆ギルド:報告と対策
ギルドの扉を開くと、夜遅いにもかかわらず、カウンターにはエリナが座っていた。彼女はリュークたちの姿を見つけ、驚きと安堵の表情を浮かべる。
「リュークさん!皆さんも無事だったんですね!」
「ああ、何とかね。依頼は達成したよ」
リュークは魔物核を取り出し、エリナに手渡した。紫の光を放つそれを見た瞬間、彼女の顔色が変わった。
「これが……?」
「地下水道に潜む影の残滓だ。完全に消せたわけじゃないが、これでひとまず封印はできたはずだ」
つづいて術式の書いた紙をリーナが手渡す。
エリナは魔物核を慎重に扱いながら、奥の部屋へと向かう。その背中を見送った後、リュークたちはギルドホールのテーブルに腰を下ろした。
「お疲れ様、リューク。今日のは本当に危なかったな」
ガルドが渋い顔で言うと、リーナが深く頷いた。
「封印術がなかったら危なかったわ。リューク、よくやったわね」
「いや、みんながいたからこそだよ。ありがとう」
リュークは仲間たちに感謝を述べつつも、胸の奥では拭いきれない不安を抱えていた。
――本当に、あの影は消えたのか。あるいは……またどこかで目を覚ますのではないか。
そんな時、ギルドの奥から重い足取りでギルドマスター・ヴォルグが現れた。
手には、あの戦いの中で使った魔物核が握られている。
「よくやった、リューク。そして、ガルド、リーナ、ザック……お前たちもな」
ヴォルグは労いの言葉とともに魔物核をテーブルに置いた。
だが、その顔に浮かぶ表情は、決して晴れやかなものではなかった。
「……だが正直言って、楽観はできん。封印はあくまで“応急処置”に過ぎない可能性が高い」
リュークは眉をひそめる。
「それは……どういう意味ですか?」
ヴォルグは核をじっと見つめ、低く答えた。
「この魔物核に残っている闇の力……おそらく、もっと深い何かの“端末”のようなものだろう。放っておけば、いずれまた“目”を覚ますやもしれん」
リュークは拳を固く握りしめた。
再び、あの影と向き合わなければならない時が来る。そう思うと、胸の奥に静かな決意が芽生えた。
「……俺に、できることはありますか?」
ヴォルグはしばし考え、やがてゆっくりと頷く。
「今は、休むことだ。力を蓄えろ。いずれ必ず、お前にも“役目”が巡ってくる。その時が来るまでな」
そう告げると、ヴォルグは背を向けた。
「報酬は、整理して明日渡す。ゆっくり休め」
リュークは深く頷き、ギルドを後にしようとした――が。
「少し休んでいこうぜ」
ガルドの提案に、リュークたちはギルド内の酒場スペースへと足を向けた。
簡素な木のテーブルに腰掛け、木製のジョッキに注がれた麦酒を手に取る。
「とりあえず……無事に戻れた祝いだな」
ガルドがにやりと笑い、リーナもそれに優しく微笑みながらジョッキを合わせた。
リュークも自然と笑みをこぼし、二人に続いて乾杯した。
冷たい麦酒が喉を滑り落ちる。張り詰めていた緊張が、ほんの少しだけほどけていくのがわかった。
──そんな穏やかなひとときの中、不意に隣のテーブルから賑やかな声が耳に飛び込んできた。
「聞いたか? 北方鉱山で“幻の鉱石”が発見されたらしいぜ」
「嘘だろ? あれは伝説級の……」
思わず耳を傾けるリューク。
「マジだって。今、ギルドでも調査隊を編成する話が出てるらしい」
また別のテーブルでは、新人らしき冒険者たちが顔を寄せ合って囁きあっていた。
「なあ、遺跡周辺で光る目を見たって噂、ほんとかよ……」
「やめろよ……夜眠れなくなるだろ……」
リュークは、静かに麦酒を口に運びながら考える。
幻の鉱石、地下に蠢く闇。どちらも、まだ自分には縁遠い話のようでいて、どこかで繋がっている気もした。
(……いずれ、ああいう話にも関わることになるかもしれない)
シャドウファングがリュークの足元で静かに座り、尻尾を小さく振った。
それを見て、リュークはふっと口元を緩めた。
「さて、そろそろ行こうか」
リュークたちは席を立ち、ギルドを後にした。
冷たい夜風が彼の頬を撫でる。
(まだ、やるべきことがあるんだ……)
シャドウファングが静かに寄り添い、夜の闇に溶けていった。
──静かに、しかし確かに、彼らの旅は続いていた。
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