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家族の形 〜ポーレット〜
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ギルドを出て歩く事5分。
イオリ達はパウロ&カーラの扉を開いた。
「まぁイオリさん。いらっしゃいませ。」
「朝早くからすみません。
実はこの子を家族に迎えましてカップを購入しようかと思って来ました。」
カーラはナギを見て顔を綻ばせた。
「あら、可愛いお客様です事。
どーぞ、好きな物を見て行ってください。」
「皆んな。お店の物には手を触れないよ。
手にとりたい物があったらカーラさんに見せてくださいって、お願いするんだよ。」
「「はーい。ナギ行こう。」」
双子はナギを連れてマグカップのエリアに行った。
「何だい?イオリさんが来てるのかい?」
「朝早くからお邪魔してます。」
パウロはイオリを見ると嬉しそうに近づいてきた。カーラは話が長くなると気づくと子供達の元に向かった。
「イオリさん!来てくださって良かった。こっちに来て見てください。
試作してみたんですよ。土鍋!」
パウロに工房まで引っ張られていくとイオリは感嘆した。
「かっこいい工房ですね・・・。凄い。」
薄暗い工房は壁一面に様々な材料が壁に並び反対には数人の職人が作業をしていた。
奥には炉があるのか、暑さが工房にも漂っていた。
「ははは。有難うございます。
イオリさんこっちです!」
「お邪魔します!」
イオリの挨拶に職人達は笑顔で会釈してくれた。
パウロについていくと4個の土鍋が並べられていた。
「うわぁー。もうここまで?凄いです。」
「いやー。初めは中々コツが掴めなくてね。割れてしまいました。
形になったのはこの4個です。
一応直火にもかけてみましたが割れる様子はありません。どうでしょう?」
イオリは様々な角度から土鍋を見ながらパウロに驚く事を言った。
「正直、作るのは専門ではないんで分からないんです。
土鍋は使う毎に丈夫になっていくんですよ。
勿論、使い手を選ぶところも有ります。
1番最初から直火にかけると割れる可能性もあるので米を洗った汁で煮た方が良いとか、使い終わりにはシッカリと乾かした方がいいとか、使い方は分かるんですけどね・・・。」
「鍋の使い方・・・?。
鉄鍋だとそんな事考えた事、有りませんね。」
「鉄だってシッカリ磨かないと錆びますよ?
使うのなら大切に管理しないと。」
なんて事ないように言うイオリをパウロを始め聞いていた職人達は嬉しそうに笑った。
「土鍋は育てるっていう言い方をするんです。
料理の塩が土に染みて強く硬くなっていくんだそうです。」
イオリは土鍋の完成を楽しみにしていると頼み工房を後にした。
「道具を育てる・・・。
俺達職人だけが言う言葉かと思えば、使ってくれる客が言うなんてな。」
パウロが呟くと職人達が同様に頷いた。
「大事なお客様だ。これを完成させよう。」
職人達があれこれと知恵を出して土鍋に尽力をし始めた。
「どうだい?気に入ったの見つけた?」
工房から出たイオリは汗を拭きながらテーブルで紅茶を飲んでいた子供達に声をかけた。
ナギは嬉しそうにピーンと腕を伸ばして緑色のペンドルトン模様の小さいマグカップを差し出した。
「わぁ。可愛いカップを見つけたね。じゃぁ、それにしよう。
カーラさんお願いします。」
「はいはい。じゃあお包みしますね。
イオリさん。どうぞ汗をお拭きになって。
中は熱かったでしょう。ふふふ」
布を差し出されイオリは素直に受け取った。
「有難うございます。
いやー、パウロさん達職人さんはずっといるんですもんね。凄いですよ。」
カーラは笑いながらマグカップを包んでくれた。
ナギの代わりにマグカップを受け取ったイオリは腰バックに入れた。
「引き続き、土鍋のわがままをお願いしてしまいました。
よろしくお願いします。」
「はい。お任せください。
可愛いお客様達もまたいらしてね。」
「「バイバイ」」
双子の挨拶を真似してナギを手を振っていた。
「さぁ、帰ろう。」
「「帰ろう!!」」
『帰ろう!!』
イオリの差し出した手をナギはシッカリと握って双子と一緒歩き出した。
イオリ達はパウロ&カーラの扉を開いた。
「まぁイオリさん。いらっしゃいませ。」
「朝早くからすみません。
実はこの子を家族に迎えましてカップを購入しようかと思って来ました。」
カーラはナギを見て顔を綻ばせた。
「あら、可愛いお客様です事。
どーぞ、好きな物を見て行ってください。」
「皆んな。お店の物には手を触れないよ。
手にとりたい物があったらカーラさんに見せてくださいって、お願いするんだよ。」
「「はーい。ナギ行こう。」」
双子はナギを連れてマグカップのエリアに行った。
「何だい?イオリさんが来てるのかい?」
「朝早くからお邪魔してます。」
パウロはイオリを見ると嬉しそうに近づいてきた。カーラは話が長くなると気づくと子供達の元に向かった。
「イオリさん!来てくださって良かった。こっちに来て見てください。
試作してみたんですよ。土鍋!」
パウロに工房まで引っ張られていくとイオリは感嘆した。
「かっこいい工房ですね・・・。凄い。」
薄暗い工房は壁一面に様々な材料が壁に並び反対には数人の職人が作業をしていた。
奥には炉があるのか、暑さが工房にも漂っていた。
「ははは。有難うございます。
イオリさんこっちです!」
「お邪魔します!」
イオリの挨拶に職人達は笑顔で会釈してくれた。
パウロについていくと4個の土鍋が並べられていた。
「うわぁー。もうここまで?凄いです。」
「いやー。初めは中々コツが掴めなくてね。割れてしまいました。
形になったのはこの4個です。
一応直火にもかけてみましたが割れる様子はありません。どうでしょう?」
イオリは様々な角度から土鍋を見ながらパウロに驚く事を言った。
「正直、作るのは専門ではないんで分からないんです。
土鍋は使う毎に丈夫になっていくんですよ。
勿論、使い手を選ぶところも有ります。
1番最初から直火にかけると割れる可能性もあるので米を洗った汁で煮た方が良いとか、使い終わりにはシッカリと乾かした方がいいとか、使い方は分かるんですけどね・・・。」
「鍋の使い方・・・?。
鉄鍋だとそんな事考えた事、有りませんね。」
「鉄だってシッカリ磨かないと錆びますよ?
使うのなら大切に管理しないと。」
なんて事ないように言うイオリをパウロを始め聞いていた職人達は嬉しそうに笑った。
「土鍋は育てるっていう言い方をするんです。
料理の塩が土に染みて強く硬くなっていくんだそうです。」
イオリは土鍋の完成を楽しみにしていると頼み工房を後にした。
「道具を育てる・・・。
俺達職人だけが言う言葉かと思えば、使ってくれる客が言うなんてな。」
パウロが呟くと職人達が同様に頷いた。
「大事なお客様だ。これを完成させよう。」
職人達があれこれと知恵を出して土鍋に尽力をし始めた。
「どうだい?気に入ったの見つけた?」
工房から出たイオリは汗を拭きながらテーブルで紅茶を飲んでいた子供達に声をかけた。
ナギは嬉しそうにピーンと腕を伸ばして緑色のペンドルトン模様の小さいマグカップを差し出した。
「わぁ。可愛いカップを見つけたね。じゃぁ、それにしよう。
カーラさんお願いします。」
「はいはい。じゃあお包みしますね。
イオリさん。どうぞ汗をお拭きになって。
中は熱かったでしょう。ふふふ」
布を差し出されイオリは素直に受け取った。
「有難うございます。
いやー、パウロさん達職人さんはずっといるんですもんね。凄いですよ。」
カーラは笑いながらマグカップを包んでくれた。
ナギの代わりにマグカップを受け取ったイオリは腰バックに入れた。
「引き続き、土鍋のわがままをお願いしてしまいました。
よろしくお願いします。」
「はい。お任せください。
可愛いお客様達もまたいらしてね。」
「「バイバイ」」
双子の挨拶を真似してナギを手を振っていた。
「さぁ、帰ろう。」
「「帰ろう!!」」
『帰ろう!!』
イオリの差し出した手をナギはシッカリと握って双子と一緒歩き出した。
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