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新たな旅 ー王都ー
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「うおっ!何だコリャ!?
地獄絵図だな・・・。」
「イオリですね。さっきの衝撃波があった攻撃、あれで一気にやられたんでしょう。」
「・・・・これを1人で。」
イオリがゴブリンロードと対峙している後ろで、どうやら3人が追いついてきたらしい。
すぐさま状況を確認するとイオリの側までやってきた。
「こいつはゴブリンロードか?
随分といい面構えしてやがるな。」
「そうですね。お仲間を傷つけられてお怒りです。
ちゃんと確認してませんが、人の気配はないようです。」
ザックスに返事をすると暴れるゴブリンロードの攻撃を避けながらイオリは後ろに下がった。
「ギガントベアーの出現により、市民に移動制限をしてたのが功を奏しましたね。」
「だからこそ、此処までデカい集落を作ってしまったとも言えますけどね。」
オーブリーの言葉に同意しつつもヒューゴは苦言を呈した。
「で?どうするんだ?
アイツはお前さんの獲物だろう?」
「良いんですか?
正直、ゴブリンは食べるところが無いので苦手なんですよ。」
何事においても食べる目線のイオリに呆れたザックスであるが、ギガントベアーの一件以来イオリがいかに強き者かは理解している為に逃げ回っている意味が分からない。
「言ったでしょう?
俺が得意なのは遠距離だって。」
そう言うと瞬時にスナイパーライフルを手に構えゴブリンロードの眉間を撃ち抜いた。
ドンっ!
「グワァァァァ!!・・・・」
撃ち抜かれたゴブリンロードは断末魔を叫ぶと後ろへ倒れていく。
「フー。終わりましたかね。
他にもゴブリンの集落あるか調べていきましょう。」
一撃でゴブリンロードを倒したにも関わらず、飄々としているイオリに唖然とするザックスであったが次には笑い出していた。
「見事!俺の負けだな!わはははは。」
一連の状況を見ていてオーブリーはヒューゴに呟いた。
「本当にいつもあのような?」
「えぇ。毒気が抜かれるでしょう?
あれでも、ゴブリン達を悼んでいるんですよ。
イオリにとって命を奪うのは食べる為、生きる為ですから。
今回のように殺し回るというのは普段はしません。
やっても気絶ですかね。」
オーブリーにとってイオリの戦闘についての考え方は実に不可解であった。
しかし、同時に清々しい思いもしていたのである。
国に忠義を誓い、命も惜しまない軍人と生活の為に戦う冒険者達。
比べるわけでは無いが、相入れないと思っていた。
「そうか・・・生きるとは命あるモノから食を得ているのですね。
人との争いをしないイオリさんにとって、戦うとは正に生きる事。
私達とは全く違う考えですね。」
己の強さを測りたい自分が今回の勝負を求める事すら、イオリにはどうでも良い事だったのだとオーブリーは恥じた。
そして、全く歯が立たなかった己の剣技に手が震える。
「恥じるべきではありませんよ。
剣を持つご自身の手で国を守ってきたと言う事は、貴族として市民を守ってきたという事でしょう。
それは決して恥ずべき事ではありません。
誰を守るかなどは自分が決めれば良い。
貴方は国をイオリは自分と家族を守ってきた。ただそれだけです。
それに、何度も言いますがイオリの武器と我々の剣は比べることができませんよ。
魔法や弓しかり、我々は戦い方が違うのだから。」
ヒューゴの言葉にオーブリーは微笑んだ。
「そうですね。
《市民を守る》それが父に学んだ生涯の誓いです。」
《そして貴方はいつの日にか王妃になる。王妃として市民を守るのでしょう。誓いは破られていない。
むしろ・・・貴族の義務を放棄し冒険者としても中途半端であったかつての俺の方が恥ずかしい。》
ヒューゴは一瞬だけ目を瞑りかつての自分を反省し、イオリの元へと近づいて行ったのであった。
地獄絵図だな・・・。」
「イオリですね。さっきの衝撃波があった攻撃、あれで一気にやられたんでしょう。」
「・・・・これを1人で。」
イオリがゴブリンロードと対峙している後ろで、どうやら3人が追いついてきたらしい。
すぐさま状況を確認するとイオリの側までやってきた。
「こいつはゴブリンロードか?
随分といい面構えしてやがるな。」
「そうですね。お仲間を傷つけられてお怒りです。
ちゃんと確認してませんが、人の気配はないようです。」
ザックスに返事をすると暴れるゴブリンロードの攻撃を避けながらイオリは後ろに下がった。
「ギガントベアーの出現により、市民に移動制限をしてたのが功を奏しましたね。」
「だからこそ、此処までデカい集落を作ってしまったとも言えますけどね。」
オーブリーの言葉に同意しつつもヒューゴは苦言を呈した。
「で?どうするんだ?
アイツはお前さんの獲物だろう?」
「良いんですか?
正直、ゴブリンは食べるところが無いので苦手なんですよ。」
何事においても食べる目線のイオリに呆れたザックスであるが、ギガントベアーの一件以来イオリがいかに強き者かは理解している為に逃げ回っている意味が分からない。
「言ったでしょう?
俺が得意なのは遠距離だって。」
そう言うと瞬時にスナイパーライフルを手に構えゴブリンロードの眉間を撃ち抜いた。
ドンっ!
「グワァァァァ!!・・・・」
撃ち抜かれたゴブリンロードは断末魔を叫ぶと後ろへ倒れていく。
「フー。終わりましたかね。
他にもゴブリンの集落あるか調べていきましょう。」
一撃でゴブリンロードを倒したにも関わらず、飄々としているイオリに唖然とするザックスであったが次には笑い出していた。
「見事!俺の負けだな!わはははは。」
一連の状況を見ていてオーブリーはヒューゴに呟いた。
「本当にいつもあのような?」
「えぇ。毒気が抜かれるでしょう?
あれでも、ゴブリン達を悼んでいるんですよ。
イオリにとって命を奪うのは食べる為、生きる為ですから。
今回のように殺し回るというのは普段はしません。
やっても気絶ですかね。」
オーブリーにとってイオリの戦闘についての考え方は実に不可解であった。
しかし、同時に清々しい思いもしていたのである。
国に忠義を誓い、命も惜しまない軍人と生活の為に戦う冒険者達。
比べるわけでは無いが、相入れないと思っていた。
「そうか・・・生きるとは命あるモノから食を得ているのですね。
人との争いをしないイオリさんにとって、戦うとは正に生きる事。
私達とは全く違う考えですね。」
己の強さを測りたい自分が今回の勝負を求める事すら、イオリにはどうでも良い事だったのだとオーブリーは恥じた。
そして、全く歯が立たなかった己の剣技に手が震える。
「恥じるべきではありませんよ。
剣を持つご自身の手で国を守ってきたと言う事は、貴族として市民を守ってきたという事でしょう。
それは決して恥ずべき事ではありません。
誰を守るかなどは自分が決めれば良い。
貴方は国をイオリは自分と家族を守ってきた。ただそれだけです。
それに、何度も言いますがイオリの武器と我々の剣は比べることができませんよ。
魔法や弓しかり、我々は戦い方が違うのだから。」
ヒューゴの言葉にオーブリーは微笑んだ。
「そうですね。
《市民を守る》それが父に学んだ生涯の誓いです。」
《そして貴方はいつの日にか王妃になる。王妃として市民を守るのでしょう。誓いは破られていない。
むしろ・・・貴族の義務を放棄し冒険者としても中途半端であったかつての俺の方が恥ずかしい。》
ヒューゴは一瞬だけ目を瞑りかつての自分を反省し、イオリの元へと近づいて行ったのであった。
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