109 / 780
旅路〜王都〜
117
しおりを挟む
「それで、これからの旅の予定は?
王都へは冒険者ギルド本部に用があるのか?」
アレックスはハーブティーが気に入ったのか、ゆっくりと香りを楽しんでいた。
「それもありますが、国王陛下に国を出て旅に出るご挨拶をしに・・・。」
「「国王陛下!?」」
ブーっとハーブティーを噴き出したアレックスの横でロジャーが目をまん丸くしていた。
「はい。
国王陛下とポーレット公爵との御関係はご存知ですよね?
その関係でお会いした事がありまして、ご厚意に預かった事があるんですよ。」
「・・・あぁ。そうだった。
ポーレット公爵は国王陛下の双子の弟であられたな。
一冒険者が望んでも気軽に会えはしなが、ポーレット公爵専属の冒険者なら可能か・・・。」
落ち着いたのか、アレックスは口元を拭いて深呼吸をしていた。
「そうか・・・アルさんって気軽に会える人じゃなかったんだよな。」
改めてアルフレッドが偉い人である事を思い出したイオリにヒューゴは苦笑した。
「まぁ、俺達みたいな経験は少ないだろうけど、アレックスさんとロジャーさんもSランクだから、一度は国王に会った事があるんじゃないんですか?」
「えっ?そうなんですか?」
世間知らずなイオリにアレックスは頷いた。
「まぁ、Sランク冒険者の全員が会えるってのは少し違うな。
結局Sランク冒険者ってのは、どこかしらの貴族のお抱えって事が多い。
貴族にくっついて王城に上がる際に国王陛下に紹介されるんだ。
貴族としても“ウチには、こんな人材がいますよ”ってアピールになれば、何かと商売しやすい。
今回みたいに他領の貴族などからSランク冒険者への仕事依頼がきて貴族も潤うからな。
売り出すなんて言葉は聞こえが悪いし、気分も悪いが難易度の高い依頼がくる事も確かだ。
そういった意味では、Sランク冒険者の宣伝って事にも繋がるな。
俺達もオーウェンに連れられて一度だけ国王陛下にお会いした事があるよ。
まさか、国王陛下を略称で呼ぶ冒険者に出会えるとは思わなかったがな。」
ジトっとした目で見られイオリは汗を掻いてきた。
「ヒューゴさん。
俺って、またやらかしました?」
「・・・まぁ、アレックスさんなら平気だろう。
他の奴の前なら俺が止めてる。」
ヒューゴは慰めるような顔で眉を下げた。
「じゃあさ、ロジャーもアルに会いに行く?」
カラッと明るいパティの声にロジャーはビクッとして必死に首を横に振った。
「俺は良いよ!
王城なんて息が詰まる。
なっ?アレックス。
俺達は街宿で良いよな?」
「あぁ、そうだな。
お前達が王城にいる間にギルド本部で情報を集めたりしておくよ。
王都には珍しい依頼がくるからな。面白い話も聞けるんだ。
気にせずに行ってこい。」
無理に誘う事もないのでイオリは了承した。
「分かりました。
いきなり行っても、会えるか分からないんで冒険者ギルド経由でコンタクトを取ろうと思ってるんです。
だから、最初はご一緒しましょう。」
どこか残念そうなパティの頭を撫でるとイオリは微笑んだ。
「まだまだ、ダグスクまでは一緒だよ。」
「・・・うん!そうだね。」
どうやら、パティは似たところがあるロジャーを気に入った様である。
それに対し、スコルもヤキモチを焼く訳でもなく自然と受け入れていた。
どこか双子である事の特別な鎖を緩め、家族だけでなく信頼できる人間を増やす事は良い事である。
イオリは双子の成長に少し安心した。
王都へは冒険者ギルド本部に用があるのか?」
アレックスはハーブティーが気に入ったのか、ゆっくりと香りを楽しんでいた。
「それもありますが、国王陛下に国を出て旅に出るご挨拶をしに・・・。」
「「国王陛下!?」」
ブーっとハーブティーを噴き出したアレックスの横でロジャーが目をまん丸くしていた。
「はい。
国王陛下とポーレット公爵との御関係はご存知ですよね?
その関係でお会いした事がありまして、ご厚意に預かった事があるんですよ。」
「・・・あぁ。そうだった。
ポーレット公爵は国王陛下の双子の弟であられたな。
一冒険者が望んでも気軽に会えはしなが、ポーレット公爵専属の冒険者なら可能か・・・。」
落ち着いたのか、アレックスは口元を拭いて深呼吸をしていた。
「そうか・・・アルさんって気軽に会える人じゃなかったんだよな。」
改めてアルフレッドが偉い人である事を思い出したイオリにヒューゴは苦笑した。
「まぁ、俺達みたいな経験は少ないだろうけど、アレックスさんとロジャーさんもSランクだから、一度は国王に会った事があるんじゃないんですか?」
「えっ?そうなんですか?」
世間知らずなイオリにアレックスは頷いた。
「まぁ、Sランク冒険者の全員が会えるってのは少し違うな。
結局Sランク冒険者ってのは、どこかしらの貴族のお抱えって事が多い。
貴族にくっついて王城に上がる際に国王陛下に紹介されるんだ。
貴族としても“ウチには、こんな人材がいますよ”ってアピールになれば、何かと商売しやすい。
今回みたいに他領の貴族などからSランク冒険者への仕事依頼がきて貴族も潤うからな。
売り出すなんて言葉は聞こえが悪いし、気分も悪いが難易度の高い依頼がくる事も確かだ。
そういった意味では、Sランク冒険者の宣伝って事にも繋がるな。
俺達もオーウェンに連れられて一度だけ国王陛下にお会いした事があるよ。
まさか、国王陛下を略称で呼ぶ冒険者に出会えるとは思わなかったがな。」
ジトっとした目で見られイオリは汗を掻いてきた。
「ヒューゴさん。
俺って、またやらかしました?」
「・・・まぁ、アレックスさんなら平気だろう。
他の奴の前なら俺が止めてる。」
ヒューゴは慰めるような顔で眉を下げた。
「じゃあさ、ロジャーもアルに会いに行く?」
カラッと明るいパティの声にロジャーはビクッとして必死に首を横に振った。
「俺は良いよ!
王城なんて息が詰まる。
なっ?アレックス。
俺達は街宿で良いよな?」
「あぁ、そうだな。
お前達が王城にいる間にギルド本部で情報を集めたりしておくよ。
王都には珍しい依頼がくるからな。面白い話も聞けるんだ。
気にせずに行ってこい。」
無理に誘う事もないのでイオリは了承した。
「分かりました。
いきなり行っても、会えるか分からないんで冒険者ギルド経由でコンタクトを取ろうと思ってるんです。
だから、最初はご一緒しましょう。」
どこか残念そうなパティの頭を撫でるとイオリは微笑んだ。
「まだまだ、ダグスクまでは一緒だよ。」
「・・・うん!そうだね。」
どうやら、パティは似たところがあるロジャーを気に入った様である。
それに対し、スコルもヤキモチを焼く訳でもなく自然と受け入れていた。
どこか双子である事の特別な鎖を緩め、家族だけでなく信頼できる人間を増やす事は良い事である。
イオリは双子の成長に少し安心した。
応援ありがとうございます!
113
お気に入りに追加
9,840
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる