211 / 780
旅路〜デザリア・ダンジョン〜
219
しおりを挟む
サブマスであるフォートナムによって案内されると、そこには馴染みのアレックスとロジャーだけでなく、恐らくギルマスであろう男と誰だか検討もつかない人物がソファーに座っていた。
「お連れしました。
イオリ様。
中央にいるのがギルマスのウェッジさんで、もう一人はデザリアにおける魔法使いの頂点にいらっしゃる筆頭魔法使いのシモン・ヤティム様です。」
どこか誇らし気なフォートナムの紹介をシモン・ヤティムは不満なのか溜息を吐いていた。
「イオリ様とヒューゴ様のギルドカードを確認いたしました。
確かに、2人ともSランクです。」
ギルマス・ウェッジは納得したように頷くとイオリ達に座るように促した。
「会えて嬉しい。
到着早々に来てもらって悪いな。
それと、職員が失礼をしたようだ。
スマン。」
潔く頭を下げるギルマス・ウェッジにイオリは悪い印象は持たなかった。
「謝罪は本人に頂きました。
もう良いんですよ。
それよりも、偉い方々が俺に何かご用でしょうか?」
ニッコリと微笑むイオリにギルマス・ウェッジはイオリ達と共に入ってきたゴヴァンとサミーを気にした様に視線を向けた。
「イオリ様。
我々は一先ずお暇致します。」
ギルマスの極力人を減らしたい欲求を感じ取り、目立たぬうちに退散しようと言うのだ。
ホセと合流して情報を得ようとしているのだと気づき、イオリは頷いた。
「はい。分かりました。」
簡単な挨拶をして出ていく2人をアレックスが不思議そうに見つめた。
「イオリ。
今のは?
もう、知り合いが出来たのか?」
「あー。あの人達は・・・。」
「アースガイルで会った人達ですよ。
以前に手助けした事があって、港で再会した時にデザリアの入国時の手続きを手伝ってもらいました。」
誤魔化すのが苦手なイオリが余計な事を言わないようにか、ヒューゴが本当を織り交ぜて説明をした。
アレックスだけでなくギルマス・ウェッジやシモン・ヤティムも納得したのか、大して気にするでも無く頷いた。
「おい。お前ら、来いよ。
ここから王宮の屋根が見えるぞ。
あれ、全部宝石なんだってよ。」
ロジャーの手招きに誘われて子供達は嬉しそうに窓にしがみついた。
「本当だ!
船から見ると大きな1つの宝石かと思ったら、小さいのが何個もついてるんだ!」
「スコル。小さくないよ!
実際はもっと大きなラピスラズリだと思うよ。」
「ナギが言うなら、そうだね。
凄いな~。
もっと近くで見れないかな?」
「ニナ、20個までなら数えられたぁ!」
楽しそうな子供達にシモン・ヤティムは優しい顔を向けた。
「良い子達だな。
君の子供達かい?」
「えぇ、血は繋がってなくても家族です。」
席に着くとイオリが撫でる白い狼に見つめられている事に気づいたシモン・ヤティムは呟いた。
「“黒狼”か・・・。
まさか、会えるとは思っていなかった。
君になら任せてもいい。」
友人の言葉に驚きながら、ギルマス・ウェッジはイオリに告げた。
「デザリアの国主であるダマン・デザリア様から君に指名依頼がある。」
事態が大事になったとイオリは深く息を吐き出すのだった。
「お連れしました。
イオリ様。
中央にいるのがギルマスのウェッジさんで、もう一人はデザリアにおける魔法使いの頂点にいらっしゃる筆頭魔法使いのシモン・ヤティム様です。」
どこか誇らし気なフォートナムの紹介をシモン・ヤティムは不満なのか溜息を吐いていた。
「イオリ様とヒューゴ様のギルドカードを確認いたしました。
確かに、2人ともSランクです。」
ギルマス・ウェッジは納得したように頷くとイオリ達に座るように促した。
「会えて嬉しい。
到着早々に来てもらって悪いな。
それと、職員が失礼をしたようだ。
スマン。」
潔く頭を下げるギルマス・ウェッジにイオリは悪い印象は持たなかった。
「謝罪は本人に頂きました。
もう良いんですよ。
それよりも、偉い方々が俺に何かご用でしょうか?」
ニッコリと微笑むイオリにギルマス・ウェッジはイオリ達と共に入ってきたゴヴァンとサミーを気にした様に視線を向けた。
「イオリ様。
我々は一先ずお暇致します。」
ギルマスの極力人を減らしたい欲求を感じ取り、目立たぬうちに退散しようと言うのだ。
ホセと合流して情報を得ようとしているのだと気づき、イオリは頷いた。
「はい。分かりました。」
簡単な挨拶をして出ていく2人をアレックスが不思議そうに見つめた。
「イオリ。
今のは?
もう、知り合いが出来たのか?」
「あー。あの人達は・・・。」
「アースガイルで会った人達ですよ。
以前に手助けした事があって、港で再会した時にデザリアの入国時の手続きを手伝ってもらいました。」
誤魔化すのが苦手なイオリが余計な事を言わないようにか、ヒューゴが本当を織り交ぜて説明をした。
アレックスだけでなくギルマス・ウェッジやシモン・ヤティムも納得したのか、大して気にするでも無く頷いた。
「おい。お前ら、来いよ。
ここから王宮の屋根が見えるぞ。
あれ、全部宝石なんだってよ。」
ロジャーの手招きに誘われて子供達は嬉しそうに窓にしがみついた。
「本当だ!
船から見ると大きな1つの宝石かと思ったら、小さいのが何個もついてるんだ!」
「スコル。小さくないよ!
実際はもっと大きなラピスラズリだと思うよ。」
「ナギが言うなら、そうだね。
凄いな~。
もっと近くで見れないかな?」
「ニナ、20個までなら数えられたぁ!」
楽しそうな子供達にシモン・ヤティムは優しい顔を向けた。
「良い子達だな。
君の子供達かい?」
「えぇ、血は繋がってなくても家族です。」
席に着くとイオリが撫でる白い狼に見つめられている事に気づいたシモン・ヤティムは呟いた。
「“黒狼”か・・・。
まさか、会えるとは思っていなかった。
君になら任せてもいい。」
友人の言葉に驚きながら、ギルマス・ウェッジはイオリに告げた。
「デザリアの国主であるダマン・デザリア様から君に指名依頼がある。」
事態が大事になったとイオリは深く息を吐き出すのだった。
応援ありがとうございます!
110
お気に入りに追加
9,840
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる