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王都 〜王城・デーゾルドの行方〜
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喧騒に染まった闘技場は至る所から怒号や悲鳴が聞こえていた。
大人しく捕まろうと言う者は少なく、抵抗し痛い目に遭ってようやく諦める者や、何処ぞの令嬢が泣きながら騎士に引き摺られていく。
そんな中、イオリは一歩一歩と闘技場の中心にある舞台へ向かっていた。
周囲の騒ぎなど目にも入らないかのように・・・舞台の中心で倒れ込むブラックパンサーの子供とブラックベアの子供だけを・・・ただ、真っ直ぐに・・・彼等を目指していた。
その間もイオリの行く手を阻もうとする者達がいたが、ヒューゴに殴られ、アレックスに蹴り飛ばされ、ロジャーに気絶させられてゆく。
とうとう檻に囲まれた舞台までくると、何処から中に入ればいいか分からない。
ガンガンと檻を揺らすがビクともしない。
「おい。コイツに聞こう。」
騒ぎの中、バレないように蹲って隠れていた男を見つけ出し、手荒に引っ張り出してきたポーレット公爵家騎士団の団長アイザックが現れた。
「イオリに額を撃ち抜かれた檻の中の奴と同じ格好だろう?
此処の従業員か何かじゃないか?」
青褪めた顔で見上げてくる男は、確かに檻の中で今も額を抑え悶絶している男と同じ衣装だった。
「おい。兄ちゃん。
この状況で隠し事して無事で済むと思っているのかい?
早めに話しちゃいなよ。
俺達だって余計な事しなくて済むんだから。」
ロジャーの片手剣で頬を撫でられると、男はブルブルと震えながら青白くなった指を一点に向けた。
円状に囲まれた檻の裏側に向かったアレックスが声を張り上げた。
「此処に入り口がある。
だが、鍵が必要そうだ!」
鍵と聞き、ロジャーは再び従業員の男に顔を向けた。
「鍵は?」
「知らない。おっ俺は下っ端だから・・・鍵は持ってない。」
「じゃあ、中の奴は持ってる偉い奴って事かな?」
優しく語りかけているのに男は今にも気絶しそうな顔でブンブンと首を縦に振った。
「了解。
コイツ使えな~い。」
ロジャーが振り返ると、アイザックは手短にいた騎士に男を突き出した。
「連れてけ。」
「ハッ!」
騎士に連れて行かれる男は何処かホッとしているようだった。
イオリはアレックスがいる場所に向かった。
そこにはガッチリと固く錠が掛けられた扉があった。
アレックスは苛立たし気に錠をガンガンと引っ張るが何ともならない。
「離れていて下さい。」
そう言うと、イオリは斜め掛け鞄から瓶を取り出した。
パカっと音を立てて開いを瓶から凄まじい匂いがする。
「臭っ!
何これ!」
思わず腕で鼻と口を抑えたロジャーの叫び声を耳に入れながらイオリは瓶を振る。
「“明けない魔の森”に生息するグラトニーと呼ばれているカエルの魔獣の胃酸を利用した薬品ですよ。
ポーレットの“薬師工房”の人達と実験していたら金属に反応して溶かす薬剤を発見したんです。
ほら、こうやって・・・。」
イオリが液体を錠に垂らすと、煙を上げてみるみる間に溶けていく。
唖然として見ていたアイザックが「“薬師工房”・・・。」と呟くとヒューゴが捕捉した。
「公共浴場のシャンプーや保湿剤の時に。」
「あぁ、あれか。
荒事こなす奴らも、頭の良い薬馬鹿共には勝てないって事か。」
感心したような声を上げたアイザックであったが完全に溶けた錠を確認すると、真剣な顔に戻した。
「開けます。」
錠の外れた扉はものの見事に簡単に開いた。
大人しく捕まろうと言う者は少なく、抵抗し痛い目に遭ってようやく諦める者や、何処ぞの令嬢が泣きながら騎士に引き摺られていく。
そんな中、イオリは一歩一歩と闘技場の中心にある舞台へ向かっていた。
周囲の騒ぎなど目にも入らないかのように・・・舞台の中心で倒れ込むブラックパンサーの子供とブラックベアの子供だけを・・・ただ、真っ直ぐに・・・彼等を目指していた。
その間もイオリの行く手を阻もうとする者達がいたが、ヒューゴに殴られ、アレックスに蹴り飛ばされ、ロジャーに気絶させられてゆく。
とうとう檻に囲まれた舞台までくると、何処から中に入ればいいか分からない。
ガンガンと檻を揺らすがビクともしない。
「おい。コイツに聞こう。」
騒ぎの中、バレないように蹲って隠れていた男を見つけ出し、手荒に引っ張り出してきたポーレット公爵家騎士団の団長アイザックが現れた。
「イオリに額を撃ち抜かれた檻の中の奴と同じ格好だろう?
此処の従業員か何かじゃないか?」
青褪めた顔で見上げてくる男は、確かに檻の中で今も額を抑え悶絶している男と同じ衣装だった。
「おい。兄ちゃん。
この状況で隠し事して無事で済むと思っているのかい?
早めに話しちゃいなよ。
俺達だって余計な事しなくて済むんだから。」
ロジャーの片手剣で頬を撫でられると、男はブルブルと震えながら青白くなった指を一点に向けた。
円状に囲まれた檻の裏側に向かったアレックスが声を張り上げた。
「此処に入り口がある。
だが、鍵が必要そうだ!」
鍵と聞き、ロジャーは再び従業員の男に顔を向けた。
「鍵は?」
「知らない。おっ俺は下っ端だから・・・鍵は持ってない。」
「じゃあ、中の奴は持ってる偉い奴って事かな?」
優しく語りかけているのに男は今にも気絶しそうな顔でブンブンと首を縦に振った。
「了解。
コイツ使えな~い。」
ロジャーが振り返ると、アイザックは手短にいた騎士に男を突き出した。
「連れてけ。」
「ハッ!」
騎士に連れて行かれる男は何処かホッとしているようだった。
イオリはアレックスがいる場所に向かった。
そこにはガッチリと固く錠が掛けられた扉があった。
アレックスは苛立たし気に錠をガンガンと引っ張るが何ともならない。
「離れていて下さい。」
そう言うと、イオリは斜め掛け鞄から瓶を取り出した。
パカっと音を立てて開いを瓶から凄まじい匂いがする。
「臭っ!
何これ!」
思わず腕で鼻と口を抑えたロジャーの叫び声を耳に入れながらイオリは瓶を振る。
「“明けない魔の森”に生息するグラトニーと呼ばれているカエルの魔獣の胃酸を利用した薬品ですよ。
ポーレットの“薬師工房”の人達と実験していたら金属に反応して溶かす薬剤を発見したんです。
ほら、こうやって・・・。」
イオリが液体を錠に垂らすと、煙を上げてみるみる間に溶けていく。
唖然として見ていたアイザックが「“薬師工房”・・・。」と呟くとヒューゴが捕捉した。
「公共浴場のシャンプーや保湿剤の時に。」
「あぁ、あれか。
荒事こなす奴らも、頭の良い薬馬鹿共には勝てないって事か。」
感心したような声を上げたアイザックであったが完全に溶けた錠を確認すると、真剣な顔に戻した。
「開けます。」
錠の外れた扉はものの見事に簡単に開いた。
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