続々・拾ったものは大切に大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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王都 〜王城・デーゾルドの行方〜

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「ここに他にも魔獣の子供が捕えられてるって!」

 イオリがそう叫ぶとヒューゴ、アレックス、ロジャー、ポーレット公爵家騎士団の団長アイザックが険しい顔になった。

 すると、数人の騎士が舞台に駆け寄って来て檻の向こう側から報告をしてきた。

「団長っ!
 先程、捕えた者からこの舞台の他にも部屋があると証言が取れました!
 しかも、その部屋に外と繋がる扉がある様です。」

「まったく・・・。
 面倒な場所だ。
 その部屋とやらは何処だ?
 いいか。1人も逃すな!」

 アイザックがコメカミを浮き上がらせて叫ぶと、騎士達が動き出した。

「アイザックさん!
 その部屋に他の魔獣の子供達がいるって。」

 イオリが真剣な顔で、突き出したのは、持ち上げられ足がプラ~ンとさせているブラックパンサーで、不本意なのか不貞腐れているようにジトっとした目を向けている。
 そんな状態で小さなブラックパンサーの子供に睨みつけられてもアイザックは怖くもない。

「ここにいる全ての魔獣を保護しよう。」

 そう言ったアイザックにイオリは力強く頷くが、ブラックパンサーの子供は胡散臭いものを見るような目で見てくる。

「・・・おい。
 コイツ本当にブラックパンサーだよな?」

 思わずそう感想を漏らすアイザックにヒューゴ、アレックス、ロジャーから笑い声が漏れた。

 イオリだけは意味が分からずブラックパンサーを抱え直すと不思議そうに首を傾げた。

 ブラックパンサーはブラックパンサーで、やぶさかじゃないのか大人しくイオリに抱かれてやっている。

 ロジャーはイオリの後からトコトコやってくるワイルドベアの子供とゼンに気がついた。

「ほら。」

 しゃがみ込んで、抱き上げようと、
ワイルドベアに手を差し出すと、見事に避けられてしまった。

 ワイルドベアは横目でロジャーを見ながらイオリの元へ行くと甘えるようにブーツの先をトントンと前脚で叩いた。

 イオリはブラックパンサーを抱え、空いた手でワイルドベアを小脇に抱えた。

「ゼン。」

 そして少し屈み、相棒に声を掛けた。

 ゼンは訳知った様にピョーンとイオリの肩に飛び乗ると居住まいを正す。

「ぉお・・・。」
「流石。」
「曲芸師か?」
「モフモフ天国じゃん。」

 イオリの姿にアイザック、ヒューゴ、アレックス、ロジャーがさまざまな反応を見せた。

「これでよしっ。
 俺達も行きましょう。
 さぁ、君達の仲間がいる場所を教えて。」

 当のイオリは当たり前の様にモフモフを抱え、ブラックパンサーとワイルドベアを優しい顔で見つめた。

「キャフ。」
「ギャウ。」

 2匹は返事をするように鳴き声を上げ、一点を見つめた。

 それは舞台に入る為の扉があった反対側の壁だった。

「また壁か・・・。」

 イオリはその壁を睨みつけると3匹を抱えたまま問題の場所へ向かった。

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