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王城 〜予感〜
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「えっ!?
宝石を食べる魔獣がいるんですか?」
「そら、あんさん。
ダンジョンやからね。
魔獣の1匹や2匹くらい出まっせ。」
イオリはジュン・ジエンから“貴石のダンジョン”の話を聞いていた。
「変な生き物は見てきたけど、宝石を食べる魔獣っていうのは初めて聞いたな・・・。
確かに“余慶のダンジョン”も魔獣が出るけど、弱いって聞いたんだよな。」
「そら“余慶”のは魔獣自体が食糧っていう事ですわ。
あっちは、ぬくぬくと育つ家畜と一緒やろ?
グレイスの“貴石”のは発掘とる人間を襲いもするし、魔獣によっては宝石が付とる部位もありますから。
割と厄介なんですわ。」
ーーー魔獣が家畜?
魔獣の基準って何?リュオン様!?
イオリの言葉は絶対神リュオンに届いているのだろうか?
兎に角、ジュン・ジエンの故郷である
グレイスにある“貴石のダンジョン”に出没する魔獣達は結構強いという事は分かった。
「先程も申しましたが、グレイスでは“貴石のダンジョン”から産出された鉱石の量の調節をしとります。
ダンジョンから出る時に持ち出す鉱石なんか荷物の全てを調べられるっちゅう訳ですわ。」
鑑定のスキルを持っている者や、嘘や偽りなどを見破る専門家なんかも常駐しているそうだ。
これまで好々爺だったジュン・ジエンの顔が曇る。
「それやのに“貴石のダンジョン”でしか出没せえへんはずの魔獣が他国で発見されたんですわ。
群青色の鉱石を背に埋め込んだ飛行型の魔獣ですねん。
ヴェリタと名のついた珍しい魔獣なんですわ。」
それが、ミズガルド国で商会の旅団を襲っていた。
ジュン・ジエンの言葉には流石のイオリも驚いたし、ニコライも頭に手をやり髪をクシャクシャとさせた。
「我が国は合議制で国主はおらんのですがね。
流石に議会も不味いと考えて他国に助力を願い出た訳ですわ。
ほんで、私はギルド協会の会長として各ギルドから情報を得ようとしたんですわ。」
ロス曰く、ギルド協会なんぞよりも国の為に生きている男だと言われたジュン
・ジエン。
ギルド協会長の立場を国の為に利用しようとしている事を隠しもしていない。
「ジエン殿。
魔獣を利用し人々を襲う者達の事を把握しているか?」
ニコライの問いにジュン・ジエンは頷いた。
「人族に恨みを持った者達の仕業と聞いとります。」
「各国に助けを求めるのは理解した。
ならば、イオリに会いたいと願った理由は何だ?
イオリはアースガイル国ひいてはポーレットにとって大切な宝だ。
国の英雄を相手に何を望む?」
ニコライの珍しい圧ある物言いにイオリは驚きはしても顔には出さなかった。
目の前の好々爺が何を望んでいるのか、それはイオリも知りたいところだったからだ。
ジュン・ジエンは好々爺の仮面を外す事なく目に力を込めた。
「我が国におる魔女に会って頂きたい。」
※※※※※ ※※※※※
書籍化第4巻宜しくお願いします!
コミカライズも第2巻が書籍化されました!是非、ご覧下さい。
宝石を食べる魔獣がいるんですか?」
「そら、あんさん。
ダンジョンやからね。
魔獣の1匹や2匹くらい出まっせ。」
イオリはジュン・ジエンから“貴石のダンジョン”の話を聞いていた。
「変な生き物は見てきたけど、宝石を食べる魔獣っていうのは初めて聞いたな・・・。
確かに“余慶のダンジョン”も魔獣が出るけど、弱いって聞いたんだよな。」
「そら“余慶”のは魔獣自体が食糧っていう事ですわ。
あっちは、ぬくぬくと育つ家畜と一緒やろ?
グレイスの“貴石”のは発掘とる人間を襲いもするし、魔獣によっては宝石が付とる部位もありますから。
割と厄介なんですわ。」
ーーー魔獣が家畜?
魔獣の基準って何?リュオン様!?
イオリの言葉は絶対神リュオンに届いているのだろうか?
兎に角、ジュン・ジエンの故郷である
グレイスにある“貴石のダンジョン”に出没する魔獣達は結構強いという事は分かった。
「先程も申しましたが、グレイスでは“貴石のダンジョン”から産出された鉱石の量の調節をしとります。
ダンジョンから出る時に持ち出す鉱石なんか荷物の全てを調べられるっちゅう訳ですわ。」
鑑定のスキルを持っている者や、嘘や偽りなどを見破る専門家なんかも常駐しているそうだ。
これまで好々爺だったジュン・ジエンの顔が曇る。
「それやのに“貴石のダンジョン”でしか出没せえへんはずの魔獣が他国で発見されたんですわ。
群青色の鉱石を背に埋め込んだ飛行型の魔獣ですねん。
ヴェリタと名のついた珍しい魔獣なんですわ。」
それが、ミズガルド国で商会の旅団を襲っていた。
ジュン・ジエンの言葉には流石のイオリも驚いたし、ニコライも頭に手をやり髪をクシャクシャとさせた。
「我が国は合議制で国主はおらんのですがね。
流石に議会も不味いと考えて他国に助力を願い出た訳ですわ。
ほんで、私はギルド協会の会長として各ギルドから情報を得ようとしたんですわ。」
ロス曰く、ギルド協会なんぞよりも国の為に生きている男だと言われたジュン
・ジエン。
ギルド協会長の立場を国の為に利用しようとしている事を隠しもしていない。
「ジエン殿。
魔獣を利用し人々を襲う者達の事を把握しているか?」
ニコライの問いにジュン・ジエンは頷いた。
「人族に恨みを持った者達の仕業と聞いとります。」
「各国に助けを求めるのは理解した。
ならば、イオリに会いたいと願った理由は何だ?
イオリはアースガイル国ひいてはポーレットにとって大切な宝だ。
国の英雄を相手に何を望む?」
ニコライの珍しい圧ある物言いにイオリは驚きはしても顔には出さなかった。
目の前の好々爺が何を望んでいるのか、それはイオリも知りたいところだったからだ。
ジュン・ジエンは好々爺の仮面を外す事なく目に力を込めた。
「我が国におる魔女に会って頂きたい。」
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