続々・拾ったものは大切に大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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狩人イオリの奮闘

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「麻痺にはドクゼリを使います。
 ツヅラフジやヒガンバナなんかも有効でした。
 獲物の大きさによって使用量は変わりますが、おおよそ10分位で元に戻るように調整してます。
 バレリアンという植物には睡眠促進の効果があって、直ぐに眠りはしないけど興奮している獲物を落ち着かせるのに使用してます。
 真逆に唐辛子とセンブリと酢を混ぜた液体も用意してますよ。
 刺激に耐えられない魔獣とかを追い払うのに適しているんですよ。」

「なるほど、イオリさんの森での知識を最大限に活かされた道具ですね。」

 イオリがテーブルの上に軽快に置いていく薬袋をサブマス・エルノールは興味深そうに見つめているが、ギルマス・コジモは引き気味に顔を強張らせていた。

「これ全部お前の手製なのか?」

「そうですよ。
 扱いを注意しないといけない植物もありますから、子供達には触れさせてません。」

 ギルマスが視線を向ければ、大人しくソファに座っていたニナとゼンもコクンと頷いている。

「やっぱりお前はただじゃ転ばねーな。
 劇薬をギルドに持ち込むなんて何て野郎だ。」

 苦笑しながらも頭を掻くギルマスは、何処か御機嫌そうだった。
 本来の力を失っても自分の出来る事をやり続け、前を向いて生きるイオリに嬉しくて仕方がないのだ。

「こっちのラベンダーやゼラニウムは防虫にも効くんです。
 香りも良いから衣装を管理している公爵邸の執事さんや侍女さんに好評ですよ。」

 徐に斜め掛け鞄から取り出したハーブの束をイオリはテーブルに広げた。

 そこには、ギルマスにもお馴染みであるレモングラスやペパーミントの他に知らない植物も混ざっていた。

「このタイムは、ミントとかと同じようにバーブティーにもなりますけど、臭み取りとして肉や魚の料理に使います。
 オイル漬けにしておくのも良いですね。
 こっちはグローブです。
 乾燥させてから使います。
 さっきのラベンダーやゼラニウムよりも大きな虫への効果を期待して採取してきました。
 消化不良の改善や、胃腸を温める効果があるんでホットワインに入れても良いかなと思ってます。」

 以前のイオリは驚くべき身体能力を活用した上で知識を利用してきたが、今のイオリは知識に頼り頭を使う戦い方をしていた。

 同じ年代の若い冒険者達が無謀な戦いに挑むのを諌めるのもギルマスの仕事であるが、イオリならば問題ないだろうと微笑んだ。

「イオリさん。これは何ですか?」

 エルノールが徐に指差した植物にイオリは笑った。

「あぁ、それはシキミって言って毒草ですね。
 根から花まで全てが猛毒なんです。
 嘔吐や神経障害、意識障害が起こります。
 最悪、死にいたるので注意して下さい。」

 生き生きしたイオリに微笑んでいたギルマスであったが、猛毒と聞き大声を張り上げた。

「没収!!
 そいつは全部ギルドで没収する!」


※※※※※ ※※※※※

 書籍化第3弾の情報は順次お伝えしていきます。
 どうぞ、よろしくお願いします。

 ぽん

 
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