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イオリと薬師の交友録
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ヒューゴに引き摺られて行くイオリを見送ったルゥリィは、今日は自分も早めに帰ろうと思った。
時間を忘れて怒られていたイオリを見て、年頃の娘がいるルゥリィも己を自戒する。
早く帰ると言いながら遅れた事が何度あった事か。
「今の人、冒険者ですよね?」
そんな中、バンペーの実の観察から目を離す事なく話し始めたのはレーピオンだった。
「そうだよ。
ポーレットでは有名なSランク冒険者だよ。」
「へー。
そんな人がイオリさんと仲良いんですか。」
興味あるのか、ないのか分からないレーピオンにルゥリィは苦笑した。
「あんた本当に興味ない事には疎いね。
イオリさんも冒険者だよ。
商人ギルドから紹介された時に聞いただろう?」
「あれ?そんな事ありました?
随分と物知りだから旅商人かと思ってましたよ。」
レーピオンの言葉にルゥリィは溜息を吐いた。
「あんた、黒の英雄譚っての知らないのかい?」
「それくらい知ってますよ。
流行ってる絵本でしょ?
読んだ事だってあります。」
「世間の事情を全く切り離した生活をしている訳じゃないと知って安心したよ。
その黒の英雄のモデルがイオリさんだって噂なんだよ。」
それには流石のレーピオンもバンペーの実から視線を上げて顔を顰めた。
「だって、あれは絵本でしょう?」
「全てが全て本当の話しかは分からないけど、古くからポーレットに住んでる連中は何となく気がついていたよ。
イオリさん・・・あの子が街にチラホラと姿を見せてからポーレットは随分と変わっていったのさ。」
「変わったって・・・まさか砂糖とかハーブとかの事ですか?」
顔を顰めたままのレーピオンにルゥリィは頷いた。
レーピオンの疑いも理解出来る。
今では当たり前のように使っている砂糖やハーブの生産や利用法が発表された当時は画期的すぎて世間を騒がしたものだった。
薬師が作り出しているのど飴・・・この飴の原材料は砂糖である。
砂糖を大量に使う日が来るとは薬師の誰もが思わなかったに違いない。
レーピオンはポーレットの街が大きな変革を迎えてから街に流入してきた部類だ。
ルゥリィ達、古くからポーレットの街にいる人間達の当時の困惑を知る事はできない。
「薬師はポーションだけ作っていればいい。
ポーションという万能薬の前にプライドさえも持たせて貰えなかった私達にとって、のど飴の製造依頼は驚くべき事だったんだ。
最初はポーションを薄めた物を砂糖と混ぜてのど飴としていたんだけど、喉の痛みと言っても様々あるだろう?
炎症しているのか、乾燥による咳なのか、古来の薬師達は様々な症状に合わせて薬を煎じてきた。
ポーション作りに甘んじていた私達はそんな事すら忘れていたのさ。
それを思い出させてくれたのがイオリさんってわけさ。」
ルゥリィは瓶に入っていたのど飴をコロンと音鳴らし、「フッ」と笑った。
時間を忘れて怒られていたイオリを見て、年頃の娘がいるルゥリィも己を自戒する。
早く帰ると言いながら遅れた事が何度あった事か。
「今の人、冒険者ですよね?」
そんな中、バンペーの実の観察から目を離す事なく話し始めたのはレーピオンだった。
「そうだよ。
ポーレットでは有名なSランク冒険者だよ。」
「へー。
そんな人がイオリさんと仲良いんですか。」
興味あるのか、ないのか分からないレーピオンにルゥリィは苦笑した。
「あんた本当に興味ない事には疎いね。
イオリさんも冒険者だよ。
商人ギルドから紹介された時に聞いただろう?」
「あれ?そんな事ありました?
随分と物知りだから旅商人かと思ってましたよ。」
レーピオンの言葉にルゥリィは溜息を吐いた。
「あんた、黒の英雄譚っての知らないのかい?」
「それくらい知ってますよ。
流行ってる絵本でしょ?
読んだ事だってあります。」
「世間の事情を全く切り離した生活をしている訳じゃないと知って安心したよ。
その黒の英雄のモデルがイオリさんだって噂なんだよ。」
それには流石のレーピオンもバンペーの実から視線を上げて顔を顰めた。
「だって、あれは絵本でしょう?」
「全てが全て本当の話しかは分からないけど、古くからポーレットに住んでる連中は何となく気がついていたよ。
イオリさん・・・あの子が街にチラホラと姿を見せてからポーレットは随分と変わっていったのさ。」
「変わったって・・・まさか砂糖とかハーブとかの事ですか?」
顔を顰めたままのレーピオンにルゥリィは頷いた。
レーピオンの疑いも理解出来る。
今では当たり前のように使っている砂糖やハーブの生産や利用法が発表された当時は画期的すぎて世間を騒がしたものだった。
薬師が作り出しているのど飴・・・この飴の原材料は砂糖である。
砂糖を大量に使う日が来るとは薬師の誰もが思わなかったに違いない。
レーピオンはポーレットの街が大きな変革を迎えてから街に流入してきた部類だ。
ルゥリィ達、古くからポーレットの街にいる人間達の当時の困惑を知る事はできない。
「薬師はポーションだけ作っていればいい。
ポーションという万能薬の前にプライドさえも持たせて貰えなかった私達にとって、のど飴の製造依頼は驚くべき事だったんだ。
最初はポーションを薄めた物を砂糖と混ぜてのど飴としていたんだけど、喉の痛みと言っても様々あるだろう?
炎症しているのか、乾燥による咳なのか、古来の薬師達は様々な症状に合わせて薬を煎じてきた。
ポーション作りに甘んじていた私達はそんな事すら忘れていたのさ。
それを思い出させてくれたのがイオリさんってわけさ。」
ルゥリィは瓶に入っていたのど飴をコロンと音鳴らし、「フッ」と笑った。
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