溜息だって吐きたくなるわっ!〜100賢人仕込みの龍姫は万年反抗期〜

ぽん

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皇帝の弟殿下の大いなる溜息

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《いつまで続くのだろう。》

 “龍王島”の玄関口・・・砂浜から始まったジャングルの中の歩みは未だ終わりを見せていない。

 龍王と言うのだから、すぐに会える筈がないと覚悟をしていたが、ディミトリオ・ハクヤはコテツとアリスの迎えに期待をしていた自分を罰していた。

 護衛として付いてきてくれたスサとセキエイが訓練の賜物で疲れを見せずにいるのは心強いが、本来は侍従である筈のクレイまでもがタフになってしまったのは自分と行動を共にしている所為であるとディミトリオ・ハクヤは罪悪感を感じていた。
 
 そう思えば、道案内をしてくれている2人も実に屈強であると認識せざるおえない。
 コテツだけではなくアリスまでもが涼しい顔で道を作りながら息も乱さず歩いている。

 その中で1人、年を重ねているディミトリオ・ハクヤは《迷惑はかけられないな。》と自分に気合を入れるのだった。


 そんな時だった。

コツンッ

 ジャングルの中では感じる事のない感覚が足裏に感じた。

 《岩か・・・?》

 足元を見れば、草の間に明らかに人工的な石畳が見えた。

 瞠目したのはディミトリオ・ハクヤだけではなかった。
 クレイやセキエイなどは何度も足を踏み鳴らして石畳の感触を確認している。
 
「ジャングルは抜けた。」

 不思議そうに辺りを見渡す客人達にアリスが言った。

「こんな自然の中に石畳が現れるとは思っていなかったよ。」

 素直に驚くディミトリオ・ハクヤにアリスは微笑を浮かべた。

「此処からは歩き辛い場所はない。
 道沿いを進めば龍王様の神殿に着く。
 休まずに向かって良いか?」

 小首を傾げるコテツにディミトリオ・ハクヤは頷いた。

「大丈夫だ。
 気遣いに感謝する。」

 コテツとアリスは顔を見合わせるとコクンと頷き、クルリと踵を返すとスタスタと歩き始めた。

 確かに土を踏み締めるよりも歩きやすい。
 ディミトリオ・ハクヤは従者と護衛に頷くと再び案内人の後を追いかけた。

 暫く歩いた時だった。
 静かに付いてくるだけだったクレイが思わず口を開いた。

「主様・・・何かおかしいですよ。
 この石畳、使用年数を想像するにかなりの年月が経っています。
 帝国も石畳が利用されていますが、ここに敷き詰められた石畳は我が国よりも有に長い歴史があります。」

 戸惑う様なクレイにディミトリオ・ハクヤは困惑した。
 石畳の年月など見ただけでは分からない。
 しかし、何事にも勤勉なクレイの言う事を疑う主人ではなかった。

「石畳の年数?
 ・・・あぁ、確か2000年は経っている筈ですよ。」

《石畳が何だと言うのだ?》
 
 まるで、そう問いかける様なコテツとアリスにディミトリオ・ハクヤは驚愕した。

 世界で最先端を走るロンサンティエ帝国でさえも石畳を導入したのは、先代の“龍の姫巫女”が存命の時である。

 即ち、500年は前の話だ。

 にも関わらず、ここの石畳は2000年は経っているという。

 龍王の国・・・その知識と技術力に果てしない可能性を見たディミトリオ・ハクヤは驚愕せずにはいられなかった。
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