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皇帝の弟殿下の大いなる溜息
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コツコツコツ
聞こえるのは神殿内を歩く3人の足音だけ・・・。
外の自然の中も静かだったが、神殿の中はもっと静かに感じられた。
光が届かぬ神殿中は少々薄暗いが困るという程でもない。
床はタイル張りで歩きやすく、何本もの柱で支えられた天井は想像以上に高かった。
「ここは石畳よりも遥か昔、龍が人との関係を断つ前から存在すると言われています。
いつ、誰が、どの様に建てたのか私は知りません。
神殿と呼ばれていますが、言わば龍王様の寝床です。
他の龍達も滅多には近付きません。」
アリスに言われてディミトリオ・ハクヤは改めて思い出した。
「そう言えばだが、龍の島だと言うのに龍を此処まで見かけなかったな。」
ずっと胸にあった疑問を口にするとアリスは頷いた。
「龍王との目通りこそが1番最初にしなければならない事です。
龍は、そこまで序列を重んじる訳ではありませんが、力関係にはある程度のルールがあります。
その中でも龍王は別格であり、何よりも優先される存在です。
・・・でも、此処まで来るのに龍の目は確かに貴方達に向いていましたよ。
イタズラ好きの龍達の中にはちょっかいを出したくて堪らない者もいるのです。」
「ならば、外に残してきた3人が危ないのではないか?」
心配そうなディミトリオ・ハクヤにアリスは首を傾げた。
「・・・大丈夫でしょう。
それに今頃・・・まぁ、続きは後にしましょう。」
何とも不安を煽る言葉を最後に残し、アリスはディミトリオ・ハクヤに道を譲った。
1番前を歩いていたコテツが振り返るとコクンと頷く。
「龍王様の玉座の間に到着した。」
辿り着いた扉は大きな楕円を描き、龍が円形の取手を咥えている。
心臓の鼓動が激しく打つ間にノック無しに力一杯に扉を開くコテツにギョッとしたディミトリオ・ハクヤであったが、眩い光が差し込むと慌てていた事すらも忘れて唖然とするしかなかった。
案内された広々とした部屋には大きな大きな金色と銀色の2匹の龍が鎮座していた。
今や、ロンサンティエ帝国では幻・・・龍など存在しないとまで言われている中、圧倒的な存在感を放つ2匹の龍はキラキラした光の輝きに覆われ、その瞳に写ったディミトリオ・ハクヤを逃そうとしていない。
アリスだろう。
ディミトリオ・ハクヤは、後ろから背中を押される力を利用して1歩1歩前に進み出た。
帝国の王族である気骨からか、次第に心を落ち着かせ自分の力で歩き始めた。
膝を付き首を垂れるディミトリオ・ハクヤは2匹の龍が目を細めて微笑んだ事に気づかなかった。
コテツの声が広間に響き割った。
「金龍様。銀龍様。
ロンサンティエの血筋をお連れしました。
ディミトリオ・ハクヤ殿。
こちらに座す金龍様と銀龍様こそが龍族の頂点である龍王様でござします。」
この日、この時こそが、500年ぶりに龍と人間が合間見えた瞬間だった。
聞こえるのは神殿内を歩く3人の足音だけ・・・。
外の自然の中も静かだったが、神殿の中はもっと静かに感じられた。
光が届かぬ神殿中は少々薄暗いが困るという程でもない。
床はタイル張りで歩きやすく、何本もの柱で支えられた天井は想像以上に高かった。
「ここは石畳よりも遥か昔、龍が人との関係を断つ前から存在すると言われています。
いつ、誰が、どの様に建てたのか私は知りません。
神殿と呼ばれていますが、言わば龍王様の寝床です。
他の龍達も滅多には近付きません。」
アリスに言われてディミトリオ・ハクヤは改めて思い出した。
「そう言えばだが、龍の島だと言うのに龍を此処まで見かけなかったな。」
ずっと胸にあった疑問を口にするとアリスは頷いた。
「龍王との目通りこそが1番最初にしなければならない事です。
龍は、そこまで序列を重んじる訳ではありませんが、力関係にはある程度のルールがあります。
その中でも龍王は別格であり、何よりも優先される存在です。
・・・でも、此処まで来るのに龍の目は確かに貴方達に向いていましたよ。
イタズラ好きの龍達の中にはちょっかいを出したくて堪らない者もいるのです。」
「ならば、外に残してきた3人が危ないのではないか?」
心配そうなディミトリオ・ハクヤにアリスは首を傾げた。
「・・・大丈夫でしょう。
それに今頃・・・まぁ、続きは後にしましょう。」
何とも不安を煽る言葉を最後に残し、アリスはディミトリオ・ハクヤに道を譲った。
1番前を歩いていたコテツが振り返るとコクンと頷く。
「龍王様の玉座の間に到着した。」
辿り着いた扉は大きな楕円を描き、龍が円形の取手を咥えている。
心臓の鼓動が激しく打つ間にノック無しに力一杯に扉を開くコテツにギョッとしたディミトリオ・ハクヤであったが、眩い光が差し込むと慌てていた事すらも忘れて唖然とするしかなかった。
案内された広々とした部屋には大きな大きな金色と銀色の2匹の龍が鎮座していた。
今や、ロンサンティエ帝国では幻・・・龍など存在しないとまで言われている中、圧倒的な存在感を放つ2匹の龍はキラキラした光の輝きに覆われ、その瞳に写ったディミトリオ・ハクヤを逃そうとしていない。
アリスだろう。
ディミトリオ・ハクヤは、後ろから背中を押される力を利用して1歩1歩前に進み出た。
帝国の王族である気骨からか、次第に心を落ち着かせ自分の力で歩き始めた。
膝を付き首を垂れるディミトリオ・ハクヤは2匹の龍が目を細めて微笑んだ事に気づかなかった。
コテツの声が広間に響き割った。
「金龍様。銀龍様。
ロンサンティエの血筋をお連れしました。
ディミトリオ・ハクヤ殿。
こちらに座す金龍様と銀龍様こそが龍族の頂点である龍王様でござします。」
この日、この時こそが、500年ぶりに龍と人間が合間見えた瞬間だった。
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