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龍の姫巫女のお出迎え
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突然の龍の登場に慌てていたクレイ、スサ、セキエイであったが、人懐っこい白銀の龍・・・ルーチェのお陰か次第に微笑みを見せるようになっていた。
挨拶に来たのはルーチェだけではなかった。
赤龍・青龍・緑龍・琥珀龍・黄龍・紫龍と様々な色の龍が入れ替わり立ち替わりとやって来る。
「皆、リリィを迎えに来た者がどんな奴かを見に来ているのだな。
奴らにとって、人とは愚かで弱い者であると同時に愛おしい存在でもある。
その中でもリリィは特別なのだ。
リリィに何かあれば龍の逆鱗に触れると考えられよ。」
食後の茶の湯を楽しむ老師の言葉にディミトリオ・ハクヤ一行は神妙な顔で頷いた。
そのリリィと言えば、顔を見せる龍達との戯れを楽しんでいた。
その姿は出会った時の神々しさもなく、再会した時の穏やかさでもない。
ただただ龍達と戯れる無邪気な少女だった。
「あの笑顔を守るには、どうしたら良いのだろうか。」
思わず呟いたディミトリオ・ハクヤに老師は楽しそうに机を叩いた。
「龍の姫巫女を守るか。
面白いの!!
ならば、大公殿よ。
この島にいる間にワシの訓練を受けれみる気はあるかね?」
「訓練ですか?」
怪訝そうなディミトリオ・ハクヤに老師は剥れる様に頬を膨らまし足をブラブラとさせた。
「貴殿は何故にワシがリリィを追いかけていたと思っておるのだ?
ワシはリリィの教育係の1人じゃぞぉ。」
「老師殿はリリィに何を教えているのですか?」
問いかけるディミトリオ・ハクヤに待ってましたとばかりに目を輝かす老師が身を乗り出した。
「何と、興味がおありか!?」
テーブルに手を乗せてピョンピョンと飛び上がる老師は、まるで子供の様であった。
「興味があるとは一言も言ってない。」
呆れ気味のコテツの言葉にアリスに加えスサがクスクスと笑う。
揶揄われても、今の老師には関係ない。
「ワシはな。
魔力の扱いを教えておる。
魔法の先生だ!」
ドンッと胸を張る老師に食卓中の視線が集まった。
「あぁ、魔法でしたか。」
ディミトリオ・ハクヤは納得したように頷いた。
「帝国でも魔法は使うのだろう?」
「はい。
魔力のある者は力の使い方を学ぶ必要があります。」
皇帝の息子としてディミトリオ・ハクヤも十分な教育を受けてきた。
魔法も、その1つである。
幼少期の魔力測定の折には歴代でもトップレベルの魔力保有者と証明された。
これもまた兄に疎まれる要因になったのは言うまでもない。
「ふむ。
どれどれ。」
近づいてきた老師が徐にディミトリオ・ハクヤの額に指を当てた。
「ほう。
これはなかなか・・・おやおや・・・。
魔力量は申し分がないが力の使い方がいまいちだな。」
「は?」
ディミトリオ・ハクヤが目を見開くのも仕方なかった。
「馬鹿な!
主様は帝国でも指折りの魔法師ですよ?」
主人がいまいちと言われて慌てたのは侍従のクレイだった。
優秀な主人が皇帝の前では力を抑えている事は分かっていた。
それでも優秀な主人を半人前扱いされて声を出さずにはいられなかったのだ。
「己の力の使い方を知らぬ事ほど哀れな事はない。」
そう言った老師の目が力強く輝いていた。
挨拶に来たのはルーチェだけではなかった。
赤龍・青龍・緑龍・琥珀龍・黄龍・紫龍と様々な色の龍が入れ替わり立ち替わりとやって来る。
「皆、リリィを迎えに来た者がどんな奴かを見に来ているのだな。
奴らにとって、人とは愚かで弱い者であると同時に愛おしい存在でもある。
その中でもリリィは特別なのだ。
リリィに何かあれば龍の逆鱗に触れると考えられよ。」
食後の茶の湯を楽しむ老師の言葉にディミトリオ・ハクヤ一行は神妙な顔で頷いた。
そのリリィと言えば、顔を見せる龍達との戯れを楽しんでいた。
その姿は出会った時の神々しさもなく、再会した時の穏やかさでもない。
ただただ龍達と戯れる無邪気な少女だった。
「あの笑顔を守るには、どうしたら良いのだろうか。」
思わず呟いたディミトリオ・ハクヤに老師は楽しそうに机を叩いた。
「龍の姫巫女を守るか。
面白いの!!
ならば、大公殿よ。
この島にいる間にワシの訓練を受けれみる気はあるかね?」
「訓練ですか?」
怪訝そうなディミトリオ・ハクヤに老師は剥れる様に頬を膨らまし足をブラブラとさせた。
「貴殿は何故にワシがリリィを追いかけていたと思っておるのだ?
ワシはリリィの教育係の1人じゃぞぉ。」
「老師殿はリリィに何を教えているのですか?」
問いかけるディミトリオ・ハクヤに待ってましたとばかりに目を輝かす老師が身を乗り出した。
「何と、興味がおありか!?」
テーブルに手を乗せてピョンピョンと飛び上がる老師は、まるで子供の様であった。
「興味があるとは一言も言ってない。」
呆れ気味のコテツの言葉にアリスに加えスサがクスクスと笑う。
揶揄われても、今の老師には関係ない。
「ワシはな。
魔力の扱いを教えておる。
魔法の先生だ!」
ドンッと胸を張る老師に食卓中の視線が集まった。
「あぁ、魔法でしたか。」
ディミトリオ・ハクヤは納得したように頷いた。
「帝国でも魔法は使うのだろう?」
「はい。
魔力のある者は力の使い方を学ぶ必要があります。」
皇帝の息子としてディミトリオ・ハクヤも十分な教育を受けてきた。
魔法も、その1つである。
幼少期の魔力測定の折には歴代でもトップレベルの魔力保有者と証明された。
これもまた兄に疎まれる要因になったのは言うまでもない。
「ふむ。
どれどれ。」
近づいてきた老師が徐にディミトリオ・ハクヤの額に指を当てた。
「ほう。
これはなかなか・・・おやおや・・・。
魔力量は申し分がないが力の使い方がいまいちだな。」
「は?」
ディミトリオ・ハクヤが目を見開くのも仕方なかった。
「馬鹿な!
主様は帝国でも指折りの魔法師ですよ?」
主人がいまいちと言われて慌てたのは侍従のクレイだった。
優秀な主人が皇帝の前では力を抑えている事は分かっていた。
それでも優秀な主人を半人前扱いされて声を出さずにはいられなかったのだ。
「己の力の使い方を知らぬ事ほど哀れな事はない。」
そう言った老師の目が力強く輝いていた。
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