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老師との訓練という名の戯れ
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龍王との別れをした日の翌朝。
ディミトリオ・ハクヤは思いの外、清々しく目覚めた。
己の身支度など訳なく出来る大公閣下は侍従を待つ事なく旅支度を始めた。
ーーー“龍王島”
兄である皇帝ハイゴール・ウィリ・ロンサンティエの命令で来た龍が住もう島。
帝国では、存在すらも疑われている龍の存在が確かに此処にいた。
悠々と空飛ぶ龍達はディミトリオ・ハクヤ達にも友好的でイタズラなど揶揄ってくる姿は、巨体にも関わらず愛らしい。
何処か自分の人生に限界を感じていたディミトリオ・ハクヤにとって、この島に来た事は大きな変化を齎してくれた。
初めて兄へ感謝したくらいだ。
兄は知らない。
龍が存在する事を・・・ディミトリオ・ハクヤが龍の姫巫女を連れて帰る事を・・・。
もぎ取られてきた自尊心に小さな火が付き、燃え上がろうとしている自分に微笑むディミトリオ・ハクヤだった。
コンコンコン
ノックの音の後に侍従のクレイが顔を出した。
「おはようございます。主様。
リリィ様が船が見えると龍達が騒いでると仰られております。」
「本当に来るとはな。
あの無礼な船長も存外まじめだったか。」
クスクス笑うディミトリオ・ハクヤにクレイが顔を顰める。
「宰相の息が掛かった者です。
行かねば罰せられると思っているのでしょう。
無礼者が臆病風を吹かせているだけですよ。
ご準備は?」
「出来ている。」
クレイの肩に乗っている小さなフクロウ・火妖精のスパークが不機嫌そうなのは契約者であるクレイの機嫌に引っ張られているからかもしれない。
「妖精達を奴らに見せるなよ。」
「承知しております。
私の妖精を無礼者の目に触れさせるのも腹立たしい故。」
クレイがスパークの頭を撫でてやると、小さなフクロウは気持ちよさそうに目を細めた。
外に出ると旅姿のスサとセキエイが黄色の大きな龍とリリィが話し込んでいるのを見つめていた。
ディミトリオ・ハクヤが問いかけてみれば、船が島に近づく気配がないと言う。
「船の姿が見えたのですが、沖に停泊し島に来る気がないようです。」
苦笑するスサの隣でセキエイが顔を顰める。
「“龍王島”に恐れをなしているのか、迎えに行ったが大公閣下は戻って来なかったと報告し、このまま置き去りにする気なのか・・・どちらにせよ、船が来ない事には我々にとっては不利な状況です。」
「それでリリィは?」
龍と話し込むリリィを見つめているとコテツがやって来た。
「難儀な迎えが来たが問題ない。
最悪の場合は龍が力を貸してくれる。
帝国に向かう事に変更はない。」
「面倒をかけるな。」
「お前達は悪くない。
・・・そうか、帝国で大公をお前と言ったら駄目だったな。
失礼致しました。」
頭を掻くコテツにディミトリオ・ハクヤはクスッと笑った。
「君達の主人はリリィだからな。
関係ないと言ってやりたいが人前だと、それこそ面倒に巻き込まれる。
窮屈だろうが我慢してくれ。」
「承知しました。」
コテツがコクンと頷いた時だった。
ゴゴゴゴォォ
大きな地響きと共に森が割れ、そこから石畳の道が生まれた。
「っ!!」
驚くディミトリオ・ハクヤ達に振り返ったリリィがニッコリ笑った。
「さぁ、行くよ。」
ディミトリオ・ハクヤは思いの外、清々しく目覚めた。
己の身支度など訳なく出来る大公閣下は侍従を待つ事なく旅支度を始めた。
ーーー“龍王島”
兄である皇帝ハイゴール・ウィリ・ロンサンティエの命令で来た龍が住もう島。
帝国では、存在すらも疑われている龍の存在が確かに此処にいた。
悠々と空飛ぶ龍達はディミトリオ・ハクヤ達にも友好的でイタズラなど揶揄ってくる姿は、巨体にも関わらず愛らしい。
何処か自分の人生に限界を感じていたディミトリオ・ハクヤにとって、この島に来た事は大きな変化を齎してくれた。
初めて兄へ感謝したくらいだ。
兄は知らない。
龍が存在する事を・・・ディミトリオ・ハクヤが龍の姫巫女を連れて帰る事を・・・。
もぎ取られてきた自尊心に小さな火が付き、燃え上がろうとしている自分に微笑むディミトリオ・ハクヤだった。
コンコンコン
ノックの音の後に侍従のクレイが顔を出した。
「おはようございます。主様。
リリィ様が船が見えると龍達が騒いでると仰られております。」
「本当に来るとはな。
あの無礼な船長も存外まじめだったか。」
クスクス笑うディミトリオ・ハクヤにクレイが顔を顰める。
「宰相の息が掛かった者です。
行かねば罰せられると思っているのでしょう。
無礼者が臆病風を吹かせているだけですよ。
ご準備は?」
「出来ている。」
クレイの肩に乗っている小さなフクロウ・火妖精のスパークが不機嫌そうなのは契約者であるクレイの機嫌に引っ張られているからかもしれない。
「妖精達を奴らに見せるなよ。」
「承知しております。
私の妖精を無礼者の目に触れさせるのも腹立たしい故。」
クレイがスパークの頭を撫でてやると、小さなフクロウは気持ちよさそうに目を細めた。
外に出ると旅姿のスサとセキエイが黄色の大きな龍とリリィが話し込んでいるのを見つめていた。
ディミトリオ・ハクヤが問いかけてみれば、船が島に近づく気配がないと言う。
「船の姿が見えたのですが、沖に停泊し島に来る気がないようです。」
苦笑するスサの隣でセキエイが顔を顰める。
「“龍王島”に恐れをなしているのか、迎えに行ったが大公閣下は戻って来なかったと報告し、このまま置き去りにする気なのか・・・どちらにせよ、船が来ない事には我々にとっては不利な状況です。」
「それでリリィは?」
龍と話し込むリリィを見つめているとコテツがやって来た。
「難儀な迎えが来たが問題ない。
最悪の場合は龍が力を貸してくれる。
帝国に向かう事に変更はない。」
「面倒をかけるな。」
「お前達は悪くない。
・・・そうか、帝国で大公をお前と言ったら駄目だったな。
失礼致しました。」
頭を掻くコテツにディミトリオ・ハクヤはクスッと笑った。
「君達の主人はリリィだからな。
関係ないと言ってやりたいが人前だと、それこそ面倒に巻き込まれる。
窮屈だろうが我慢してくれ。」
「承知しました。」
コテツがコクンと頷いた時だった。
ゴゴゴゴォォ
大きな地響きと共に森が割れ、そこから石畳の道が生まれた。
「っ!!」
驚くディミトリオ・ハクヤ達に振り返ったリリィがニッコリ笑った。
「さぁ、行くよ。」
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