溜息だって吐きたくなるわっ!〜100賢人仕込みの龍姫は万年反抗期〜

ぽん

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波乱の宴

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 龍の姫巫女リリィを国内貴族と近隣諸国の君主達に紹介する為に催された宴・・・果たして成功したのか、そうでないのか。

 1つ分かっているのは、龍の姫巫女リリィのダンスに誰もが魅了され癒されたと言う事である。
 出席者の記憶には、それだけが鮮明に残り、他の全てが忘れ去られていた。

 良い物が見れたと満足そうに帰る者。

 もっとリリィと話したかったと不満そうな者。

 美しさに踊らされ、今だに夢心地にいる者。

 しかし、その全ての者は皇帝ハイゴール・ウィリが龍の姫巫女に拒否された事を目撃していた。
 彼の何が嫌われて、どうすれば良いのか皆が考え始めていた。

 そうして時間が経つにつれて人々は思い出す。
 龍王に認められ、龍の姫巫女を預けられた人物を・・・。

 ディミトリオ・ハクヤ・ロンサンティエ

 兄である皇帝に嫌われ、宦官にまで堕とされた男。
 周囲が腫れ物の様に扱い、遠くから盗み見るに過ぎなかった男が、今や 世界の救世主となるとは予測していなかっただろう。

 しかし、誰もが知っていた事実がある。

 ディミトリオ・ハクヤは幼い頃より神童と言われた天才であると言う事を・・・。
 兄であるハイゴール・ウィリよりも学問に優れ、剣術にも魔法にも長けた男だと言う事を・・・。
 
 ”陛下の我儘“には無理難題が多く、生きて帰るのもやっとであるにも関わらず、彼は必ず成功を収めて帰ってきていた。
 享楽に明け暮れ、政治を他人事の様に扱う皇帝ハイゴール・ウィリと比べて、どれくらい素晴らしい事か。

 龍の姫巫女が真を置くはディミトリオ・ハクヤであり、現皇帝は認められてすらいないと言う事実。

 宴に参加した国内貴族も近隣諸国の君主達も気がついた事だろう。
 誰を大切にし、誰を見放す準備が必要なのかを・・・。

 皆、龍の姫巫女と言葉を交わしたいが、皇帝の様に怒りを買いたくはない。
 互いに牽制し合う彼らはディミトリオ・ハクヤが仲を取り持ってくれる事を願っているだろう。

 周りの喧騒も構わず、辞するリリィに1人の女性が声を上げた。

「龍の姫巫女様。
 我が離宮に御招待申し上げたら、来ていただけますか?」

 それは誰しもが予想しなかった者だった。
 その相手、第1側妃マドレーヌをジッと見つめるとリリィは小さく頷く。

「参りましょう。」

 一言だけ発して踵を返すリリィにマドレーヌは何も言わずに頭を下げた。

 引き篭もり気味で、体調も思わしくないと評判のマドレーヌ。

 そんな彼女が龍の姫巫女に接触した。

 欲望渦巻く後宮で、様々な憶測が飛び交う。

 マドレーヌもまた、喧騒に巻き込まれていく覚悟を決めたかの様であった。

 
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