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新たな御代
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龍の姫巫女による宝樹の復活を、さもファヴィリエ・ルカの名誉を上げる為に利用する。
戸惑っているのは新皇帝のみで、周りは早くも活気づいていた。
そんなファヴィリエ・ルカに母マドレーヌの楽しそうな笑い声が聞こえてきた。
「リリィ様は豪胆なお方ね。
ルカ。
龍が力を貸して下さると言っているのです。
覚悟しなさい。
これからも同じ事が起こるかもしれません。
その度にオドオドしていたら、それこそ龍王様やリリィ様に申し訳ないわ。
母は腹をくくれと言っているのです。」
母にまで言われファヴィリエ・ルカは肩を落とした。
「女性とはかくに強きものなのか?」
苦笑するファヴィリエ・ルカの元に白銀の龍ルーチェが近づいてきた。
『リリィの言う通りにしなよ。
どのみち、新皇帝の君はリリィの番だ。
僕達が認めたんだ。
恥いる事はない。』
そうは言われても恐れ多い気持ちを拭えずにいると、ディミトリオ・ハクヤのもう1人の護衛であるスサが笑いながら入って来た。
「皇子。
愛する女が己の為に力を使ってやるって言ってんだから、丸っと受け取らなきゃ男が廃りますよ。」
「愛するっ・・・!」
スサの言葉に愕然とするファヴィリエ・ルカに皆の視線が集まっていく。
「なっ!えっ?あぁ・・・いや。」
口籠るファヴィリエ・ルカに今度は生暖かい視線が向けられる。
リリィとの間に親愛ある事は分かっていても、本人でも自覚していない気持ちを、こうも他人から言われると意識してしまう。
「あらあら。」
「おやおや。」
両親が嬉しそうに微笑む声が聞こえてきて居た堪れない。
「あら、そうだったの?」
当のリリィまでもが楽しそうに笑うものだからファヴィリエ・ルカは赤くなった顔を隠し蹲るしかなくなってしまった。
「惚れた女には情熱的に言葉を伝えなきゃ。
伝えなくても気持ちを分かってくれとは、無茶ですよ。
ねぇ、愛しい人。
いつも側にいてくれて有難う。
俺は貴方がいれば世界中が薔薇色に見えるんだよ。」
スサは風妖精のミステルとの恋人さながらの会話を繰り出し、ファヴィリエ・ルカの気持ちを刺激した。
セキエイとアリスがシモツキ・レイとアンディ少年の耳を押さえているのが見えたが彼には、そんな余裕はない。
「そんな、明け透けな事を言うのか?」
愛の言葉にミステルが嬉しそうにスサの首み腕を絡ませる様を見てファヴィリエ・ルカは唖然とする。
「他人の惚気を真面目に捉えると疲れるわよ。」
顔を隠したり赤くしたり忙しいファヴィリエ・ルカを見て、可笑しそうに笑うリリィは、この何気ない日常を愛するのだった。
戸惑っているのは新皇帝のみで、周りは早くも活気づいていた。
そんなファヴィリエ・ルカに母マドレーヌの楽しそうな笑い声が聞こえてきた。
「リリィ様は豪胆なお方ね。
ルカ。
龍が力を貸して下さると言っているのです。
覚悟しなさい。
これからも同じ事が起こるかもしれません。
その度にオドオドしていたら、それこそ龍王様やリリィ様に申し訳ないわ。
母は腹をくくれと言っているのです。」
母にまで言われファヴィリエ・ルカは肩を落とした。
「女性とはかくに強きものなのか?」
苦笑するファヴィリエ・ルカの元に白銀の龍ルーチェが近づいてきた。
『リリィの言う通りにしなよ。
どのみち、新皇帝の君はリリィの番だ。
僕達が認めたんだ。
恥いる事はない。』
そうは言われても恐れ多い気持ちを拭えずにいると、ディミトリオ・ハクヤのもう1人の護衛であるスサが笑いながら入って来た。
「皇子。
愛する女が己の為に力を使ってやるって言ってんだから、丸っと受け取らなきゃ男が廃りますよ。」
「愛するっ・・・!」
スサの言葉に愕然とするファヴィリエ・ルカに皆の視線が集まっていく。
「なっ!えっ?あぁ・・・いや。」
口籠るファヴィリエ・ルカに今度は生暖かい視線が向けられる。
リリィとの間に親愛ある事は分かっていても、本人でも自覚していない気持ちを、こうも他人から言われると意識してしまう。
「あらあら。」
「おやおや。」
両親が嬉しそうに微笑む声が聞こえてきて居た堪れない。
「あら、そうだったの?」
当のリリィまでもが楽しそうに笑うものだからファヴィリエ・ルカは赤くなった顔を隠し蹲るしかなくなってしまった。
「惚れた女には情熱的に言葉を伝えなきゃ。
伝えなくても気持ちを分かってくれとは、無茶ですよ。
ねぇ、愛しい人。
いつも側にいてくれて有難う。
俺は貴方がいれば世界中が薔薇色に見えるんだよ。」
スサは風妖精のミステルとの恋人さながらの会話を繰り出し、ファヴィリエ・ルカの気持ちを刺激した。
セキエイとアリスがシモツキ・レイとアンディ少年の耳を押さえているのが見えたが彼には、そんな余裕はない。
「そんな、明け透けな事を言うのか?」
愛の言葉にミステルが嬉しそうにスサの首み腕を絡ませる様を見てファヴィリエ・ルカは唖然とする。
「他人の惚気を真面目に捉えると疲れるわよ。」
顔を隠したり赤くしたり忙しいファヴィリエ・ルカを見て、可笑しそうに笑うリリィは、この何気ない日常を愛するのだった。
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