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新たな御代
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人々が見つめる先には王宮の側に聳え立つ大木がある。
ロンサンティエの王都のどこからでも見える程に成長した大きな木は歴史を重ねると宝樹と呼ばれるようになり、龍と人間との絆の証だった。
その宝樹は随分と前から元気がない。
遠くから見ても分かるくらいに枯れている宝樹に人々は心を痛めていた。
この日、新皇帝ファヴィリエ・ルカの戴冠に合わせて集まった国内貴族、近隣諸国の王侯貴族が宝樹に集まっていた。
王冠を乗せ国に従事する事を誓っただけの質素なファヴィリエ・ルカの戴冠式と比べて、これから起ころうとしている事は貴族の多くも見た事のない事だった。
「ファヴィリエ・ルカ新皇帝!
龍の姫巫女リリィ様!」
衛兵の声に期待と疑念に騒いでいた者達が道を開ける。
その間を悠然とした足取りで進んできたファヴィリエ・ルカの手を取りリリィがやってきた。
真っ白なドレスが太陽の光に反射して煌めいている。
耳飾りや指輪、腕輪に髪飾りとリリィの美しさを華やかせた、その姿に貴族達から感嘆な息が漏れている。
前を見据えるリリィの姿は頭から裾の先まで美しい。
見惚れる者達に視線を送る事もなく、リリィは宝樹を見つめた。
「ここで良いわ。」
リリィが顔を上げると、ファヴィリエ・ルカは微笑んで頷いた。
注目される中、ファヴィリエ・ルカの手を離れて1人宝樹に向かったリリィは枯れる寸前の宝樹に手を触れた。
「待たせたわね。」
そう呟いたリリィが触れただけで、宝樹の一部が輝いているのを見て、ファヴィリエ・ルカは驚いた様に目を見開いた。
その瞬間だった。
白銀の龍ルーチェ、赤龍のカシャ、緑龍のジン、青龍のスイテン、琥珀龍のサンとノームが姿を現す。
その神々しい姿に人は恐れるどころか惚ける様に見つめていた。
「宝樹よ。
龍王とフランコ・トワ・ロンサンティエの盟約により、この地を守ってきた貴方に力を注ぎます。
私は龍王より力を授けられた者。
どうか、私の力を受け入れて下さい。」
両手と額を宝樹につけると、リリィは祈りを捧げた。
リリィが光り輝き、その輝きが宝樹に移っていくと今度は龍達が宝樹を囲み出した。
「・・・宝樹が蘇る。」
見守っていたディミトリオ・ハクヤが呟いた。
リリィの神がかった行動に触れる事はあったが、今日ほど美しいと思った事はない。
リリィの真っ白な髪が踊るように浮いている。
みるみる間に光が宝樹を包み込んでいく様は圧巻の一言だった。
「龍王よ。
私の声は届いてますか?」
リリィの小さな呼びかけに懐かしく感じられる声が届いた。
『勿論だ。我が愛しい娘。』
『見事ですよ。私の愛しい子。』
父なる金龍、母なる銀龍の声にリリィは嬉しそうに微笑んだ。
「宝樹よ。
龍王の声が聞こえますか?」
そう言うと、リリィが空を仰いだ。
ロンサンティエの空に大きな大きな龍の姿が現れた。
金と銀の鱗を持った龍は王宮を余裕でグルリと囲むと、宝樹に向かって一気に頭から突っ込んで来る。
宝樹のてっぺんから枝へ幹へ根と、金と銀の鱗の龍が吸収されていく。
あまりの眩しさに目を瞑った者達が再び瞳を開けると宝樹はキラキラと宝石の様に輝いていた。
「終わりました。」
見届ける為に集まった者達が唖然としている中、ドレスの裾を持ち上げたリリィが、ファヴィリエ・ルカに恭しく頭を下げる。
この日、龍に愛された姫巫女は新皇帝の為に宝樹を復活させた。
その情報は瞬く間に帝国中に世界中に発信された。
ロンサンティエの王都のどこからでも見える程に成長した大きな木は歴史を重ねると宝樹と呼ばれるようになり、龍と人間との絆の証だった。
その宝樹は随分と前から元気がない。
遠くから見ても分かるくらいに枯れている宝樹に人々は心を痛めていた。
この日、新皇帝ファヴィリエ・ルカの戴冠に合わせて集まった国内貴族、近隣諸国の王侯貴族が宝樹に集まっていた。
王冠を乗せ国に従事する事を誓っただけの質素なファヴィリエ・ルカの戴冠式と比べて、これから起ころうとしている事は貴族の多くも見た事のない事だった。
「ファヴィリエ・ルカ新皇帝!
龍の姫巫女リリィ様!」
衛兵の声に期待と疑念に騒いでいた者達が道を開ける。
その間を悠然とした足取りで進んできたファヴィリエ・ルカの手を取りリリィがやってきた。
真っ白なドレスが太陽の光に反射して煌めいている。
耳飾りや指輪、腕輪に髪飾りとリリィの美しさを華やかせた、その姿に貴族達から感嘆な息が漏れている。
前を見据えるリリィの姿は頭から裾の先まで美しい。
見惚れる者達に視線を送る事もなく、リリィは宝樹を見つめた。
「ここで良いわ。」
リリィが顔を上げると、ファヴィリエ・ルカは微笑んで頷いた。
注目される中、ファヴィリエ・ルカの手を離れて1人宝樹に向かったリリィは枯れる寸前の宝樹に手を触れた。
「待たせたわね。」
そう呟いたリリィが触れただけで、宝樹の一部が輝いているのを見て、ファヴィリエ・ルカは驚いた様に目を見開いた。
その瞬間だった。
白銀の龍ルーチェ、赤龍のカシャ、緑龍のジン、青龍のスイテン、琥珀龍のサンとノームが姿を現す。
その神々しい姿に人は恐れるどころか惚ける様に見つめていた。
「宝樹よ。
龍王とフランコ・トワ・ロンサンティエの盟約により、この地を守ってきた貴方に力を注ぎます。
私は龍王より力を授けられた者。
どうか、私の力を受け入れて下さい。」
両手と額を宝樹につけると、リリィは祈りを捧げた。
リリィが光り輝き、その輝きが宝樹に移っていくと今度は龍達が宝樹を囲み出した。
「・・・宝樹が蘇る。」
見守っていたディミトリオ・ハクヤが呟いた。
リリィの神がかった行動に触れる事はあったが、今日ほど美しいと思った事はない。
リリィの真っ白な髪が踊るように浮いている。
みるみる間に光が宝樹を包み込んでいく様は圧巻の一言だった。
「龍王よ。
私の声は届いてますか?」
リリィの小さな呼びかけに懐かしく感じられる声が届いた。
『勿論だ。我が愛しい娘。』
『見事ですよ。私の愛しい子。』
父なる金龍、母なる銀龍の声にリリィは嬉しそうに微笑んだ。
「宝樹よ。
龍王の声が聞こえますか?」
そう言うと、リリィが空を仰いだ。
ロンサンティエの空に大きな大きな龍の姿が現れた。
金と銀の鱗を持った龍は王宮を余裕でグルリと囲むと、宝樹に向かって一気に頭から突っ込んで来る。
宝樹のてっぺんから枝へ幹へ根と、金と銀の鱗の龍が吸収されていく。
あまりの眩しさに目を瞑った者達が再び瞳を開けると宝樹はキラキラと宝石の様に輝いていた。
「終わりました。」
見届ける為に集まった者達が唖然としている中、ドレスの裾を持ち上げたリリィが、ファヴィリエ・ルカに恭しく頭を下げる。
この日、龍に愛された姫巫女は新皇帝の為に宝樹を復活させた。
その情報は瞬く間に帝国中に世界中に発信された。
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