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新たな御代
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その日、王宮で起きた奇跡は帝国の様々な場所から目撃された。
金と銀の鱗を持った輝かしい龍が宝樹に向かって降りていったのだ。
王都の街中は大騒ぎとなっていた。
「龍の姫巫女様が宝樹を復活なさった!」
「新皇帝の為に儀式をされたそうだ。」
「それじゃ、前と違って龍は新皇帝を認めてるって事?」
「そりゃそうだろう。
なんたって、龍の使者に選ばれたディミトリオ・ハクヤ様の御子息だぞ。」
「そうか・・・新皇帝は龍に認められたのか。
かつての様に帝国が元気になれば良いな。」
「なるさっ!
俺達だってやれるんだ!」
大きな龍の出現、そして宝樹の復活は帝国中に希望を齎した。
帝国民が活気に溢れ、街がお祭り騒ぎになっている頃、王宮では新皇帝の即位に駆けつけた国内貴族や近隣諸国の王侯貴族が祝いの言葉を持って列をなしていた。
「後即位、おめでとうございます。」
「ありがとう。」
「素晴らしいものを拝見しました。」
「ありがとう。」
定例文のような挨拶も新皇帝となったファヴィリエ・ルカは真面目にこなしていた。
玉座に座るファヴィリエ・ルカの一段下には太公位を継続して持つ事になったディミトリオ・ハクヤがおり、婚約を発表されたが、まだ婚姻は済んでいない龍の姫巫女リリィの姿も見られた。
貴族達はファヴィリエ・ルカには敬意を、ディミトリオ・ハクヤには尊敬を、リリィには羨望の眼差しを向けた。
コウモリの様に手のひら返しをした貴族もいるが、中には幼き頃よりディミトリオ・ハクヤに協力的だったり、忠誠を誓った貴族達が嬉しそうに謁見の場に現れたのも印象的だった。
中でもディミトリオ・ハクヤがわざわざ階段を降りてまで挨拶に向かったのはセオドア・ローリングという伯爵位を持った男だった。
「この度はおめでとう御座います。」
「ありがとう。
どうか、頭を上げてくれ。
セオドアとの友情にどれだけ救われてきたか・・・。
苦労をかけた。
どうか、これからは新皇帝の力となってやってほしい。」
その様子を見ていたリリィは“龍王島”にてクレイより聞いた事を思い出していた。
ディミトリオ・ハクヤの味方と敵を教えて欲しい。
そう言ったリリィにクレイは悪い顔をしながら快く教えてくれた。
その最初に上がった名前がセオドア・ローリングという名であった。
王宮でも社交界でも肩身の狭かったディミトリオ・ハクヤの唯一と言って良いほどの友人であると・・・。
前皇帝ハイゴール・ウィリからの嫌がらせにも屈せずに、ディミトリオ・ハクヤとの友情を取った男は長い間冷遇され、今は地方の警備隊長を生業としているという。
伯爵位を持ちながらも警備隊長とは、杜撰な人事である。
再会を喜ぶ2人の様子を見たリリィはファヴィリエ・ルカと目を合わせると微笑むのだった。
金と銀の鱗を持った輝かしい龍が宝樹に向かって降りていったのだ。
王都の街中は大騒ぎとなっていた。
「龍の姫巫女様が宝樹を復活なさった!」
「新皇帝の為に儀式をされたそうだ。」
「それじゃ、前と違って龍は新皇帝を認めてるって事?」
「そりゃそうだろう。
なんたって、龍の使者に選ばれたディミトリオ・ハクヤ様の御子息だぞ。」
「そうか・・・新皇帝は龍に認められたのか。
かつての様に帝国が元気になれば良いな。」
「なるさっ!
俺達だってやれるんだ!」
大きな龍の出現、そして宝樹の復活は帝国中に希望を齎した。
帝国民が活気に溢れ、街がお祭り騒ぎになっている頃、王宮では新皇帝の即位に駆けつけた国内貴族や近隣諸国の王侯貴族が祝いの言葉を持って列をなしていた。
「後即位、おめでとうございます。」
「ありがとう。」
「素晴らしいものを拝見しました。」
「ありがとう。」
定例文のような挨拶も新皇帝となったファヴィリエ・ルカは真面目にこなしていた。
玉座に座るファヴィリエ・ルカの一段下には太公位を継続して持つ事になったディミトリオ・ハクヤがおり、婚約を発表されたが、まだ婚姻は済んでいない龍の姫巫女リリィの姿も見られた。
貴族達はファヴィリエ・ルカには敬意を、ディミトリオ・ハクヤには尊敬を、リリィには羨望の眼差しを向けた。
コウモリの様に手のひら返しをした貴族もいるが、中には幼き頃よりディミトリオ・ハクヤに協力的だったり、忠誠を誓った貴族達が嬉しそうに謁見の場に現れたのも印象的だった。
中でもディミトリオ・ハクヤがわざわざ階段を降りてまで挨拶に向かったのはセオドア・ローリングという伯爵位を持った男だった。
「この度はおめでとう御座います。」
「ありがとう。
どうか、頭を上げてくれ。
セオドアとの友情にどれだけ救われてきたか・・・。
苦労をかけた。
どうか、これからは新皇帝の力となってやってほしい。」
その様子を見ていたリリィは“龍王島”にてクレイより聞いた事を思い出していた。
ディミトリオ・ハクヤの味方と敵を教えて欲しい。
そう言ったリリィにクレイは悪い顔をしながら快く教えてくれた。
その最初に上がった名前がセオドア・ローリングという名であった。
王宮でも社交界でも肩身の狭かったディミトリオ・ハクヤの唯一と言って良いほどの友人であると・・・。
前皇帝ハイゴール・ウィリからの嫌がらせにも屈せずに、ディミトリオ・ハクヤとの友情を取った男は長い間冷遇され、今は地方の警備隊長を生業としているという。
伯爵位を持ちながらも警備隊長とは、杜撰な人事である。
再会を喜ぶ2人の様子を見たリリィはファヴィリエ・ルカと目を合わせると微笑むのだった。
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