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後宮にも新たな風が吹く
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「後宮を廃止する?」
聞き返すリリィに大公ディミトリオ・ハクヤは頷いた。
「皇帝陛下が不要と言われたのだ。
王宮に皇帝とリリィの私室を作る事になった。
もちろん、この“百合の宮”は今後も好きに使ってもらって構わない。」
リリィは少し考えると持っていたティーカップを静かに置いた。
「私が王宮に移るのは理解したわ。
ここを自由に使って良いのなら、そうね・・・ここで執務をするわ。
でも・・・後宮を廃止するというは?」
先帝の悪評の為にイメージが悪いが、皇帝にとって後宮とは次世代を育む重要な場所であった。
ファヴィリエ・ルカとて理解しているだろうにと首を傾げるリリィにディミトリオ・ハクヤが微笑んだ。
「“桃華の宮”はマドレーヌ殿とマム殿、そしてシモツキ・レイが住まわれる。
広いのだから勿体無いと言って2人で笑っていたよ。
気が合うようで何よりだ。
そして“芍薬の宮”は残された皇子や皇姫方が使われる。
未成年の彼らの面倒もマドレーヌ殿とマム殿が請け負って下された。
マナーや見識を深め、望めば専門の教科を学ぶ事が出来る。
“薔薇の宮”を皇子や皇姫達の学舎とし、崩壊した“桔梗の宮”は整備が終わり次第、剣や弓また馬場として利用される。」
壊して新しく何かを作るのは人手と費用が嵩む。
今のロンサンティエ帝国にはそんな無駄な事に労力を割く者はいないのだ。
全てを利用するファヴィリエ・ルカの考えには賛同する。
しかし、後宮がいらない理由を得られていない。
再び、首を傾げるリリィにディミトリオ・ハクヤが苦笑する。
「先帝が愛妾達を囲っていた後宮の建物は少し手を入れる事になった。
これより、あの場所は王宮で働く侍従や侍女達の養成機関となる。」
「使用人達の教育って事?」
「そうだ。
此度の代替わりの粛清に多くの侍従や侍女も処分されている。
兄やメッサリーナの命令で仕方なくならまだしも、自ら罪を犯す者も多く見られた。
彼らの多くが既に王宮を去っている。
今の王宮は洗濯1つとっても人手が不足している。」
リリィは成程と頷いた。
王宮の人手が回れば、今度は他の人材育成に利用していけばいい。
人材育成・派遣も立派な国策となるだろう。
「何故、後宮がいらないかという疑問だがな。
まあ、一言で言えばリリィがいれば良いそうだ。」
「は?」
何言ってんだコイツと言った目で見つめられるとディミトリオ・ハクヤは珍しくゲラゲラと笑った。
「だから、ルカとリリィは龍で言うところの番なのだろう?
ならば、他に女はいらんとルカは言っているんだ。
子など2人でも3人でも10人でも誕生すると豪語していたよ。
周りも戸惑っていたが、龍の姫巫女だけで十分と言われれば何も言い返せないだろう。」
ディミトリオ・ハクヤの言葉を理解したリリィは溜息を吐くと扇子を開き顔を隠した。
「バカじゃない?
流石に10人は無茶でしょう。」
扇子で隠れていない耳が赤くなっているのに気づくとディミトリオ・ハクヤは若き2人の中で、しっかりと恋が育まれているのだと気付き安堵するのだった。
聞き返すリリィに大公ディミトリオ・ハクヤは頷いた。
「皇帝陛下が不要と言われたのだ。
王宮に皇帝とリリィの私室を作る事になった。
もちろん、この“百合の宮”は今後も好きに使ってもらって構わない。」
リリィは少し考えると持っていたティーカップを静かに置いた。
「私が王宮に移るのは理解したわ。
ここを自由に使って良いのなら、そうね・・・ここで執務をするわ。
でも・・・後宮を廃止するというは?」
先帝の悪評の為にイメージが悪いが、皇帝にとって後宮とは次世代を育む重要な場所であった。
ファヴィリエ・ルカとて理解しているだろうにと首を傾げるリリィにディミトリオ・ハクヤが微笑んだ。
「“桃華の宮”はマドレーヌ殿とマム殿、そしてシモツキ・レイが住まわれる。
広いのだから勿体無いと言って2人で笑っていたよ。
気が合うようで何よりだ。
そして“芍薬の宮”は残された皇子や皇姫方が使われる。
未成年の彼らの面倒もマドレーヌ殿とマム殿が請け負って下された。
マナーや見識を深め、望めば専門の教科を学ぶ事が出来る。
“薔薇の宮”を皇子や皇姫達の学舎とし、崩壊した“桔梗の宮”は整備が終わり次第、剣や弓また馬場として利用される。」
壊して新しく何かを作るのは人手と費用が嵩む。
今のロンサンティエ帝国にはそんな無駄な事に労力を割く者はいないのだ。
全てを利用するファヴィリエ・ルカの考えには賛同する。
しかし、後宮がいらない理由を得られていない。
再び、首を傾げるリリィにディミトリオ・ハクヤが苦笑する。
「先帝が愛妾達を囲っていた後宮の建物は少し手を入れる事になった。
これより、あの場所は王宮で働く侍従や侍女達の養成機関となる。」
「使用人達の教育って事?」
「そうだ。
此度の代替わりの粛清に多くの侍従や侍女も処分されている。
兄やメッサリーナの命令で仕方なくならまだしも、自ら罪を犯す者も多く見られた。
彼らの多くが既に王宮を去っている。
今の王宮は洗濯1つとっても人手が不足している。」
リリィは成程と頷いた。
王宮の人手が回れば、今度は他の人材育成に利用していけばいい。
人材育成・派遣も立派な国策となるだろう。
「何故、後宮がいらないかという疑問だがな。
まあ、一言で言えばリリィがいれば良いそうだ。」
「は?」
何言ってんだコイツと言った目で見つめられるとディミトリオ・ハクヤは珍しくゲラゲラと笑った。
「だから、ルカとリリィは龍で言うところの番なのだろう?
ならば、他に女はいらんとルカは言っているんだ。
子など2人でも3人でも10人でも誕生すると豪語していたよ。
周りも戸惑っていたが、龍の姫巫女だけで十分と言われれば何も言い返せないだろう。」
ディミトリオ・ハクヤの言葉を理解したリリィは溜息を吐くと扇子を開き顔を隠した。
「バカじゃない?
流石に10人は無茶でしょう。」
扇子で隠れていない耳が赤くなっているのに気づくとディミトリオ・ハクヤは若き2人の中で、しっかりと恋が育まれているのだと気付き安堵するのだった。
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