溜息だって吐きたくなるわっ!〜100賢人仕込みの龍姫は万年反抗期〜

ぽん

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舞踏会と言う名の

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 高位貴族も控え室に集まり、燕尾服の男が出席者の名前を呼び、大広間に客を誘う。

 その燕尾服のコールマンと呼ばれる仕事に従事する執事が最後の1人の名を呼ぶと大広間の扉は静かに閉められた。

 その後、皇帝の母であるマドレーヌ。
 公式的に父であるディミトリオ・ハクヤが姿を現すが、この2人が婚姻関係にない事は誰もが知っていた。
 
 そんな中、宰相フィリックス・ガルシア侯爵の呼び声によって若き皇帝ファヴィリエ・ルカが姿を現した。

 大広間がザワッとした訳は、皇帝が1人で入場した事だろう。
 普通だったら、婚約者である龍の姫巫女もエスコートされていて然るべきだった。

 皇帝が皆より高い位置に用意された椅子に1人で座った姿に出席者達の思惑が交差する。

 龍の姫巫女が出席できないとは、何か問題が起こったのではと心配する者。
 逆に会えずにガッカリする者や、小さく悪態をつく者。
 皇帝の側室の座を狙う令嬢や、その親達は皇帝と龍の姫巫女の仲が良くないのではと希望を見出し、邪魔者がいないのをほくそ笑んだ。

 皇帝の入場から臣下の礼をとり、しゃがんでいた貴族達はファヴィリエ・ルカの「顔を上げよ。」の声に起立した。

「今宵は私が即位してから初めての舞踏会だ。
 出席してくれた者達に感謝する。
 帝国が変わろうとしている今、皆の頑張りに礼を言う。
 そして、これからも帝国と国民・・・同盟を組む近隣諸国との平和の為に力を注いで欲しい。
 今日は、楽しんでくれ。」

 拍手が鳴り大広間に歓声が響き渡るとパートナーと踊ったり、社交に勤しむ者だったり、集まった人々は賑わい出した。

 当然、皇帝陛下に挨拶に来る者は列をなし、マドレーヌやディミトリオ・ハクヤの元にもひっきりなしに人々が集まる。

 その誰もが口に出したいのが龍の姫巫女の事だった。

 しかし、望み叶わず、和やかに話すマドレーヌもディミトリオ・ハクヤは話そうとしない。

 そんな時だった。

 舞踏会が始まっても椅子から動こうとしなかったファヴィリエ・ルカがスクッと立ち上がった。

 皇帝陛下とダンスを踊る事を夢見る貴族令嬢達が頬を染める中、コールマンの声が響き渡る。

「龍の姫巫女・リリィ様の御入場!!」

 人々の視線が一斉に入り口に集まった。

 扉が開くと1人の女性が姿を現す。

 その神々しさに人々がハッと息を吸い瞬時に跪いた。

 皇帝の即位の日に宝樹を復活させた女性を高位貴族を始め、舞踏会に出席していた多くの貴族が彼女を目にしていた。

 人々が道を開けると龍の姫巫女は足を進めた。
 あまりの美しさに呆けていたファヴィリエ・ルカも宰相フィリックス・ガルシアの咳払いに気付き階段を降りて迎えに出た。

 手を伸ばせば届く位置で止まるとリリィは膝を軽く折った。

「ご招待頂きまして有難う御座います。」

「来てくれて有難う。
 今日はいつも以上に美しい。
 他には何も目に入りそうにないよ。
 私と一曲踊ってくれるかい?」

「喜んで。」

 2人が手を繋ぐと軽やかな音楽が鳴り響いた。

 人々が立ち上がり、場所を譲ると円形の広がりを見せた。

 その中を皇帝と龍の姫巫女が踊り出す。

 
 
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