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舞踏会と言う名の
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舞踏会は最後まで行われた。
自分の目の前で、龍の姫巫女が険しい顔をした事で何かが起こったと悟ったガク・ブランチ辺境伯は、自分とリリィの会話を遮る愚か者に御立腹だった。
「ガク爺様に会えるのを楽しみにしていたのです。
また時間を作りましょう。」
リリィがそう言えば、瞬時に機嫌が治ったガク・ブランチは息子に苦笑されている事も気にも止めずに満面の笑みだった。
「何かお手伝いする事はありますか?」
息子であるサイラスが冷静に問い掛ければ、皇帝ファヴィリエ・ルカも「心強い。」と口にした。
「お願いしたい事は真っ先にブランチ辺境伯にお願いしますので、今は見守って下さい。」
リリィの言葉にサイラスは納得したように、テンション高い父親を引きずりながら下がっていった。
そこに宰相フィリックス・ガルシアが近づき2人に囁いた。
「オレゴ伯爵家の騎士が“芍薬の宮”に侵入を試みていました。
オレゴ伯爵家はオンブロー伯爵家の親戚筋にあたります。
当主ヤコボ・オレゴの妹はオンブロー伯爵家に嫁ぎました。
先帝の側室ロザンナの母であり、ユニエ・アミ殿下とテムズ・ダン殿下の祖母で御座います。」
報告を受けたファヴィリエ・ルカとリリィの視線が壁際に佇む1人の男に向かった。
先帝の側妃時代に双子の皇姫と皇子の虐待をしていたロザンナは当初よりも厳しい修道院に入れられた。
事件が発覚した際に、ロザンナの実家であるオンブロー伯爵家は処分を受けて消滅した。
王宮への許可なき薬や毒の持ち込みに加え、皇姫と皇子に対する支配を続けようとしていた事が明るみになったのだ。
当主となっていたロザンナの兄グラバル・オンブローは捕まった後に犯罪奴隷に身を落とした。
その他の家族は離散し、父ピエールは体を壊し地方の施設で余生を送っている。
そして、母ダリアは離縁の後に実家であるオレゴ伯爵家の庇護を受けていると聞いている。
皇姫と皇子の虐待に直接関わっていなかったオレゴ伯爵家は処分を受けていないが、世間的な制裁は受けている。
交流関係が減り、商売にも翳りが見え始めているらしい。
「見逃してやったのにな・・・。」
薬の原材料の生産に力を入れていたオレゴ伯爵家。
まさか、それが皇姫と皇子の虐待に利用されていたとは夢見にも思っていなかった。
なんて事をしてくれたんだと、甥と姪に激昂していたと聞き及んでいたファヴィリエ・ルカは彼らもまた被害者であると処分を見送ったのだ。
そのオレゴ伯爵家が動いた。
何の目的で“芍薬の宮”に忍び込もうとしたのか・・・。
不意に此方を向いたヤコボ・オレゴと目が合う。
ファヴィリエ・ルカは、決して逸らす事はしなかった。
自分の目の前で、龍の姫巫女が険しい顔をした事で何かが起こったと悟ったガク・ブランチ辺境伯は、自分とリリィの会話を遮る愚か者に御立腹だった。
「ガク爺様に会えるのを楽しみにしていたのです。
また時間を作りましょう。」
リリィがそう言えば、瞬時に機嫌が治ったガク・ブランチは息子に苦笑されている事も気にも止めずに満面の笑みだった。
「何かお手伝いする事はありますか?」
息子であるサイラスが冷静に問い掛ければ、皇帝ファヴィリエ・ルカも「心強い。」と口にした。
「お願いしたい事は真っ先にブランチ辺境伯にお願いしますので、今は見守って下さい。」
リリィの言葉にサイラスは納得したように、テンション高い父親を引きずりながら下がっていった。
そこに宰相フィリックス・ガルシアが近づき2人に囁いた。
「オレゴ伯爵家の騎士が“芍薬の宮”に侵入を試みていました。
オレゴ伯爵家はオンブロー伯爵家の親戚筋にあたります。
当主ヤコボ・オレゴの妹はオンブロー伯爵家に嫁ぎました。
先帝の側室ロザンナの母であり、ユニエ・アミ殿下とテムズ・ダン殿下の祖母で御座います。」
報告を受けたファヴィリエ・ルカとリリィの視線が壁際に佇む1人の男に向かった。
先帝の側妃時代に双子の皇姫と皇子の虐待をしていたロザンナは当初よりも厳しい修道院に入れられた。
事件が発覚した際に、ロザンナの実家であるオンブロー伯爵家は処分を受けて消滅した。
王宮への許可なき薬や毒の持ち込みに加え、皇姫と皇子に対する支配を続けようとしていた事が明るみになったのだ。
当主となっていたロザンナの兄グラバル・オンブローは捕まった後に犯罪奴隷に身を落とした。
その他の家族は離散し、父ピエールは体を壊し地方の施設で余生を送っている。
そして、母ダリアは離縁の後に実家であるオレゴ伯爵家の庇護を受けていると聞いている。
皇姫と皇子の虐待に直接関わっていなかったオレゴ伯爵家は処分を受けていないが、世間的な制裁は受けている。
交流関係が減り、商売にも翳りが見え始めているらしい。
「見逃してやったのにな・・・。」
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なんて事をしてくれたんだと、甥と姪に激昂していたと聞き及んでいたファヴィリエ・ルカは彼らもまた被害者であると処分を見送ったのだ。
そのオレゴ伯爵家が動いた。
何の目的で“芍薬の宮”に忍び込もうとしたのか・・・。
不意に此方を向いたヤコボ・オレゴと目が合う。
ファヴィリエ・ルカは、決して逸らす事はしなかった。
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