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英傑の記憶②〜帰還〜
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「それで何があった?」
皆の驚きで話が途中で止まったのを弟のシンセロ・ニコが促した。
こんな時の兄のマッタリとした話し方は弟の彼が1番に分かっているのだ。
「えっと、“龍王”様に会ってだな。
願いは何だと聞かれた。
その時に村に帰りたいって言えば良かったんだけど・・・。」
怒られる子供のように大きな体を竦めたフランコ・トワをシンセロ・ニコは我慢強く問いかけた。
「だけど?」
「嵐とかを止める事が先だと思って。
天災をやめてくださいって頼んだんだ。」
数日に一回はやってくる嵐や地震が、ピタリとこなくなった事に人々は驚いていた。
それが、目の前の男の言葉一つの事と知り、驚かずにはいられない。
「皆んなが生きるのが楽になると思ったんだ。
嵐で海や川が暴れないし、育てた野菜だって実るだろうって・・・。
まさか、人が人を襲ってるなんて考えもしなかった。」
人を疑わない・・・それこそがフランコ・トワの良いところであるのだが、田舎者の彼は人の心の底を覗くのが苦手なのだ。
シュンとするフランコ・トワをガバッとシンセロ・ニコが抱きしめた。
「よく無事で・・・帰って来てくれたな。兄さん。」
「心配かけてゴメン。
父さんの事も母さんの事も、ラフィネの事も・・・ニコに背負わせてゴメンな。」
「まっ・・・守れなくてゴメン。
兄さんゴメン・・・守れなかった。」
兄と弟は静かに涙を流した。
村の皆もしんみりと涙を目に溜めて兄弟の再会を見守っていた時だった。
「おい。
涙の再会はもう良いかい?
だったら、こっちも助けてくれないかい。」
幾つもある他の牢屋の方から声がした。
フランコ・トワがシンセロ・ニコに問いかける様に見下ろすと弟はコクンと頷いた。
「此処にいるのは、俺達の村の連中だけじゃない。
砦の周辺の村々が襲われて、同じような目に遭わされてる。
俺達は協力して盗賊達に反旗を掲げたが、ご覧の通りに失敗したんだよ。
今のは山向こうの村のジョルジュさんだ。」
「そうか・・・。
盗賊達は山向こうまで・・・。」
フランコ・トワは持っていた鍵を使い、人がいる牢屋を開けて回った。
此処に来るまでに見張りについていた盗賊達は西の洞穴と同じように牢屋に放り込んだ。
ジョルジュと言われる男は背が高く、体付きもしっかりしていた。
「有難うな。兄ちゃん。
それで?
聞こえてきたが、“龍王島”に行ってたって?
何だ、その夢の話は・・・。
海の岩礁で頭でも打ったのか?」
けして馬鹿にしたわけでもない、しかし信じられない事も事実とジョルジュはフランコ・トワを真っ直ぐに見た。
_____
皆の驚きで話が途中で止まったのを弟のシンセロ・ニコが促した。
こんな時の兄のマッタリとした話し方は弟の彼が1番に分かっているのだ。
「えっと、“龍王”様に会ってだな。
願いは何だと聞かれた。
その時に村に帰りたいって言えば良かったんだけど・・・。」
怒られる子供のように大きな体を竦めたフランコ・トワをシンセロ・ニコは我慢強く問いかけた。
「だけど?」
「嵐とかを止める事が先だと思って。
天災をやめてくださいって頼んだんだ。」
数日に一回はやってくる嵐や地震が、ピタリとこなくなった事に人々は驚いていた。
それが、目の前の男の言葉一つの事と知り、驚かずにはいられない。
「皆んなが生きるのが楽になると思ったんだ。
嵐で海や川が暴れないし、育てた野菜だって実るだろうって・・・。
まさか、人が人を襲ってるなんて考えもしなかった。」
人を疑わない・・・それこそがフランコ・トワの良いところであるのだが、田舎者の彼は人の心の底を覗くのが苦手なのだ。
シュンとするフランコ・トワをガバッとシンセロ・ニコが抱きしめた。
「よく無事で・・・帰って来てくれたな。兄さん。」
「心配かけてゴメン。
父さんの事も母さんの事も、ラフィネの事も・・・ニコに背負わせてゴメンな。」
「まっ・・・守れなくてゴメン。
兄さんゴメン・・・守れなかった。」
兄と弟は静かに涙を流した。
村の皆もしんみりと涙を目に溜めて兄弟の再会を見守っていた時だった。
「おい。
涙の再会はもう良いかい?
だったら、こっちも助けてくれないかい。」
幾つもある他の牢屋の方から声がした。
フランコ・トワがシンセロ・ニコに問いかける様に見下ろすと弟はコクンと頷いた。
「此処にいるのは、俺達の村の連中だけじゃない。
砦の周辺の村々が襲われて、同じような目に遭わされてる。
俺達は協力して盗賊達に反旗を掲げたが、ご覧の通りに失敗したんだよ。
今のは山向こうの村のジョルジュさんだ。」
「そうか・・・。
盗賊達は山向こうまで・・・。」
フランコ・トワは持っていた鍵を使い、人がいる牢屋を開けて回った。
此処に来るまでに見張りについていた盗賊達は西の洞穴と同じように牢屋に放り込んだ。
ジョルジュと言われる男は背が高く、体付きもしっかりしていた。
「有難うな。兄ちゃん。
それで?
聞こえてきたが、“龍王島”に行ってたって?
何だ、その夢の話は・・・。
海の岩礁で頭でも打ったのか?」
けして馬鹿にしたわけでもない、しかし信じられない事も事実とジョルジュはフランコ・トワを真っ直ぐに見た。
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