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契約者たちの戦い方
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「麻痺薬を散布する我らの秘薬だ。
次第に手の先から全身に至るまで動かなくなるだろうさ。」
勝負は決まった。
目の前の強者だけじゃなく、仲間をやり込めた面倒な若者も麻痺薬の煙を吸い込んで倒れている事だろう。
本来は、ロンサンティエ帝国の皇帝の母であるマドレーヌ妃を拉致する為に使おうとしていた秘薬だ。
この秘薬は古くから同志の中で受け継がれてきた“ドラゴニルス”の傑作だ。
どんな人間も、大型魔獣だろうが・・・それこそ龍であっても体のコントロールを失う効用がある。
まともに戦っていたら勝てない相手には実に有効だった。
特殊なマスクを付け、自分達の身だけは守っていた男達は勝利の確信にほくそ笑んでいた。
「これを使い嘗ての幼龍を蹂躙したのか・・・。」
煙の中、サイラス・ブランチの声だけが聞こえた。
侵入者達はしぶとい相手に不快そうに顔を歪めた。
その瞬間だった。
「ぎゃぁぁ!!」
1人の叫び声が響き、血の匂いがした。
「何だ!?」
仲間の悲痛な声に慌てた男は麻痺の霧が晴れていく事に愕然とした。
そして、その先にいたのは・・・。
艶やかな黒馬に跨ったサイラス・ブランチの姿だった。
「私のスフェーンは風を操るのが得意でね。
毒霧なんて霧散させる事くらい簡単な事だ。」
余裕のサイラス・ブランチはリチャード・ディライトと彼のリス達が「じゃぁ、もっと早くにやってくださいよ!!」と騒いでいるのを目端に捉えてニヤリとした。
「若いもんはせっかちだな。
勝ちを確信した相手を叩き落としてこそ得られる快楽もあるだろうに。」
愛馬を優しく撫でるサイラス・ブランチの耳に「あの人、怖い事言ってる。」というリチャード・ディライトの声が届いた。
「フン。」
そんな事もお構いなしのサイラス・ブランチは愛馬スフェーンに風を纏わせ瞬足で残った敵を薙切りした。
「なっ・・・私たちの夢が・・・。」
崩れ落ちていく敵を見下ろし、サイラス・ブランチは眉を下げた。
「他者の貶めてまで得た夢とやらに何の価値があるのだ。」
意識が薄れていく中、男はサイラス・ブランチに反論しようと手を伸ばそうとした。
「お前の夢は潰えた。
死して己の過ちを悟れ。
龍の慈悲こそが、この世界の救いだった。」
防護壁となっていた土壁が音を立てずに消えていくと、離宮は再び輝かしい桃の花に囲まれた可憐な姿に戻っていた。
「世界は美しい。
それだけで良いじゃないか。」
男の伸ばしていた手が落ちた。
サイラス・ブランチの声を最後に侵入者の意識はプッツリと絶たれたのだった。
次第に手の先から全身に至るまで動かなくなるだろうさ。」
勝負は決まった。
目の前の強者だけじゃなく、仲間をやり込めた面倒な若者も麻痺薬の煙を吸い込んで倒れている事だろう。
本来は、ロンサンティエ帝国の皇帝の母であるマドレーヌ妃を拉致する為に使おうとしていた秘薬だ。
この秘薬は古くから同志の中で受け継がれてきた“ドラゴニルス”の傑作だ。
どんな人間も、大型魔獣だろうが・・・それこそ龍であっても体のコントロールを失う効用がある。
まともに戦っていたら勝てない相手には実に有効だった。
特殊なマスクを付け、自分達の身だけは守っていた男達は勝利の確信にほくそ笑んでいた。
「これを使い嘗ての幼龍を蹂躙したのか・・・。」
煙の中、サイラス・ブランチの声だけが聞こえた。
侵入者達はしぶとい相手に不快そうに顔を歪めた。
その瞬間だった。
「ぎゃぁぁ!!」
1人の叫び声が響き、血の匂いがした。
「何だ!?」
仲間の悲痛な声に慌てた男は麻痺の霧が晴れていく事に愕然とした。
そして、その先にいたのは・・・。
艶やかな黒馬に跨ったサイラス・ブランチの姿だった。
「私のスフェーンは風を操るのが得意でね。
毒霧なんて霧散させる事くらい簡単な事だ。」
余裕のサイラス・ブランチはリチャード・ディライトと彼のリス達が「じゃぁ、もっと早くにやってくださいよ!!」と騒いでいるのを目端に捉えてニヤリとした。
「若いもんはせっかちだな。
勝ちを確信した相手を叩き落としてこそ得られる快楽もあるだろうに。」
愛馬を優しく撫でるサイラス・ブランチの耳に「あの人、怖い事言ってる。」というリチャード・ディライトの声が届いた。
「フン。」
そんな事もお構いなしのサイラス・ブランチは愛馬スフェーンに風を纏わせ瞬足で残った敵を薙切りした。
「なっ・・・私たちの夢が・・・。」
崩れ落ちていく敵を見下ろし、サイラス・ブランチは眉を下げた。
「他者の貶めてまで得た夢とやらに何の価値があるのだ。」
意識が薄れていく中、男はサイラス・ブランチに反論しようと手を伸ばそうとした。
「お前の夢は潰えた。
死して己の過ちを悟れ。
龍の慈悲こそが、この世界の救いだった。」
防護壁となっていた土壁が音を立てずに消えていくと、離宮は再び輝かしい桃の花に囲まれた可憐な姿に戻っていた。
「世界は美しい。
それだけで良いじゃないか。」
男の伸ばしていた手が落ちた。
サイラス・ブランチの声を最後に侵入者の意識はプッツリと絶たれたのだった。
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