元ベータ後天性オメガ

桜 晴樹

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本編

奴から逃げるには‥※攻め(名無し)のアプローチに陥落寸前

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あの日から俺は、奴から逃げるのが日課になった。
奴とは同じクラスだから逃げ場がない。ならば作れば良い。授業が終わったと同時に、振り返りもせずに、俺は扉に飛び付く。そして脇目も振らずに直ぐに教室を出た。
走って走って、そうして走った先には‥。

「なあ、何時迄逃げる気だよ。」

すぐに追いつかれました。

「ぎゃあーっ!なんで、着いてくんだよ!!」

肩を抱かれ、なす術もない俺は、奴の腕に囚われた。
そうして、近くにある空いている教室に、問答無用で連れ込まれ、逃げられない様に鍵をかけられた。

「あー、うるさいうるさい!」

そう言いながらも、奴が噛み付く様なキスをしてくる。
もう何度もされ、回数も覚えられない程に、毎日何度も口付けをされている。

「っ、んん、ふぅ、やっ、!、」

奴の手が、悪戯にズボンの上から、俺の尻の割れ目を触ってくる。尻の穴を強引に開こうとする。
止めてくれって懇願しても聞いちゃいない。

「ん、や、やだ!」

最近になって、ヤツの所為で、俺の尻が敏感になっていくのがわかる。
このままだと、俺は近い将来、奴に懇願するであろう。俺の中にお前のを入れてくれっ!て、そうなってからでは手遅れだ。
だがもう身体の熱が上がってきて大変な事になっている。俺のあそこも恥ずかしい事に成りつつある。バレたら厄介な事になる為、モジモジと身体を動かしながらも、俺は何とか奴から逃げ出そうとするが、ヤツと俺の力の強さは歴然で逃げられない。
俺はこのまま犯られてしまうのか。そんなのは嫌だと思いながらも、俺の身体は既に覚悟を決めている。強引なキスを受け入れて、尻を揉まれ、俺の意識は、もう殆ど無くなっていくのが分かる。

「ん、ふっん、んあっ、、。」

奴の巧みな舌使い。角度を変えて、何度も執拗に舌をしゃぶられ唇を喰まれ、俺の頭がぼうっとなっていく。
それは、とても気持ちが良くて、このまま身を委ねようと奴の背中に手を回した。

「ん、ちゅっ、。なんだ、やけに大人しくなったな‥。」

ふにゃふにゃに蕩け切った俺の顔に、奴は雄の顔をして、舐め回す様に俺を見た。

「ふぅん。キスが好きなんだな‥。」

何を言われているのかわからなくなった俺は、もっと。と、唇を開けてキスを強請っていた。

「いつもそうしていれば可愛いのにな‥。」

そうして、再開されたキスに溺れてしまう。俺は快感に打ち震えて、もっと。と、せがむ様に自らの舌を突き出し、奴と濃厚な口付けを堪能した。今思うと、俺の意思はそこにあったのだろうか。
そして、それがどういう事に繋がるのか。
正気を保っていたならば、この先に待ち受ける事態を把握出来ていたであろう。そう俺は、この後に激しく後悔する事になった。
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