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楪
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「私が君に戦術を?」
「はい!僕の親は他力本願で結局裏切られました、だから僕は強くなることを選びたい」
血霧は少し考えると大きくため息を付いた
「わかったよ、ただ私が教えるのは本当に戦術のみ、その他は別の人間を教えるからそいつに頼ってくれ」
「貴女にすべて任せます」
(私に対して、あまりにも疑いがなさすぎる、ここも課題だな)
血霧はヘッドホンで音楽を聴く琴葉の肩を叩いた
「お話終わりましたか、聞かないようにしていたので大丈夫ですよ?」
普段使っていないヘッドホンは、二人の会話を聞かないようにするための配慮だった
「琴葉、楪が今どこにいるか分かるか?」
「えっ、ええ楪なら、取引に行ったので夕方には受付に戻るかとおもいます」
「分かった」
「楪…さん?」
楪は、裏社会で多くの情報が飛び交う中、最も確実で最大量の情報を有すると言われる、情報屋で知恵の女神「メーティス」の二つ名で呼ばれている
「行くぞ植花」
二人が医院を出てから、残った二人は顔を見合わせた
「ねえ琴葉私達、楪と一緒と組んでいること、どうして知られたのかしら?」
「思わず答えちゃった、わからないけど、不死原さん只者では無いみたい」
二人が黙ると、なんとも言えない緊張感だけが残った
「あの、しもと…白狼さん、これはどこへ?」
「植花、これだけは言っておく」
血霧はいきなり香の首を掴んだ
「生きたいなら、誰でも疑え、誰でも利用しろ例えその相手が私でも」
一瞬力を込めた腕を首から離し、またスタスタとあるき始めた、香は急いで後を追う
血霧がコートを脱ぐと、下にはダークレッドのジャケットに黒いズボンを履いていた
裏道の半分シャッターが空いたカウンター、そこからはうっすら光が溢れている、血霧がノックをするが返事はない
「楪私だ」
血霧がそう言うと、シャッターの向こうからガタガタと慌てた音が聞こえ、中から人が顔を出す
「マイさん!」
「久しいな」
嬉しといった表情をした青年、表情と言っても、目元は長い前髪で隠れており、口元しか見えない
「突然連絡取れなくなったからびっくりしたんですよ!」
「最初に言っただろ、一人前になったら関わりは切ると、植花こいつが情報屋の楪だ」
中性的な名前に、二つ名が女神の名前であるせいか、勝手に女性だと思っていた、楪は小柄で白く長い髪だが確かに男である
「新しい弟子を紹介しに来てくれたんですか?」
「常になにものかは己を利用していると思えと言ったろ、現に私はお前を利用しに来た」
利用しに来たとはっきり告げた血霧に、楪は笑い
「それなら師匠を利用し返してやりますよ」
楪は血霧が「天国・舞」と名乗って教え子にした弟子だ
「最近青葉や王子も連絡とれないと言うか、依頼はしてきますけど連れないんですよ、あっ柊呼びます?」
柊は「瞬間移動」のギフトを持つ運び屋、名は知られており、中々捕まらず確実に届けてくれると評判である
「いや、私は情報収集のやり方をこいつに教えてやってほしいだけだ、お前の方が腕がいいからな」
「僕を利用するってそういう意味ですか?」
「ああ、そうだ」
楪は拍子抜けしたように笑った
「ご依頼承ります、じゃあ君毎週金曜日十三時~十六時までここね、こっちもそこなら時間とれるからさ、ところで名前は?」
「植花・香です、よろしくおねがいします!」
(素直そうな子だな、大丈夫か?)
「うえはな・かおるくん、ね」
柊は手元のノートパソコンに名前を入力した
「覚えること山ほどあるから、頭気をつけてね」
言葉とは裏腹に☆が付きそうなウィンク、楪は上機嫌に見えた
「私はこれで失礼する」
「マイさんほんとに柊呼ばなくていいんですか?…ってもういないし」
すでに血霧のいなくなった路地に、声だけが響いていた
「はい!僕の親は他力本願で結局裏切られました、だから僕は強くなることを選びたい」
血霧は少し考えると大きくため息を付いた
「わかったよ、ただ私が教えるのは本当に戦術のみ、その他は別の人間を教えるからそいつに頼ってくれ」
「貴女にすべて任せます」
(私に対して、あまりにも疑いがなさすぎる、ここも課題だな)
血霧はヘッドホンで音楽を聴く琴葉の肩を叩いた
「お話終わりましたか、聞かないようにしていたので大丈夫ですよ?」
普段使っていないヘッドホンは、二人の会話を聞かないようにするための配慮だった
「琴葉、楪が今どこにいるか分かるか?」
「えっ、ええ楪なら、取引に行ったので夕方には受付に戻るかとおもいます」
「分かった」
「楪…さん?」
楪は、裏社会で多くの情報が飛び交う中、最も確実で最大量の情報を有すると言われる、情報屋で知恵の女神「メーティス」の二つ名で呼ばれている
「行くぞ植花」
二人が医院を出てから、残った二人は顔を見合わせた
「ねえ琴葉私達、楪と一緒と組んでいること、どうして知られたのかしら?」
「思わず答えちゃった、わからないけど、不死原さん只者では無いみたい」
二人が黙ると、なんとも言えない緊張感だけが残った
「あの、しもと…白狼さん、これはどこへ?」
「植花、これだけは言っておく」
血霧はいきなり香の首を掴んだ
「生きたいなら、誰でも疑え、誰でも利用しろ例えその相手が私でも」
一瞬力を込めた腕を首から離し、またスタスタとあるき始めた、香は急いで後を追う
血霧がコートを脱ぐと、下にはダークレッドのジャケットに黒いズボンを履いていた
裏道の半分シャッターが空いたカウンター、そこからはうっすら光が溢れている、血霧がノックをするが返事はない
「楪私だ」
血霧がそう言うと、シャッターの向こうからガタガタと慌てた音が聞こえ、中から人が顔を出す
「マイさん!」
「久しいな」
嬉しといった表情をした青年、表情と言っても、目元は長い前髪で隠れており、口元しか見えない
「突然連絡取れなくなったからびっくりしたんですよ!」
「最初に言っただろ、一人前になったら関わりは切ると、植花こいつが情報屋の楪だ」
中性的な名前に、二つ名が女神の名前であるせいか、勝手に女性だと思っていた、楪は小柄で白く長い髪だが確かに男である
「新しい弟子を紹介しに来てくれたんですか?」
「常になにものかは己を利用していると思えと言ったろ、現に私はお前を利用しに来た」
利用しに来たとはっきり告げた血霧に、楪は笑い
「それなら師匠を利用し返してやりますよ」
楪は血霧が「天国・舞」と名乗って教え子にした弟子だ
「最近青葉や王子も連絡とれないと言うか、依頼はしてきますけど連れないんですよ、あっ柊呼びます?」
柊は「瞬間移動」のギフトを持つ運び屋、名は知られており、中々捕まらず確実に届けてくれると評判である
「いや、私は情報収集のやり方をこいつに教えてやってほしいだけだ、お前の方が腕がいいからな」
「僕を利用するってそういう意味ですか?」
「ああ、そうだ」
楪は拍子抜けしたように笑った
「ご依頼承ります、じゃあ君毎週金曜日十三時~十六時までここね、こっちもそこなら時間とれるからさ、ところで名前は?」
「植花・香です、よろしくおねがいします!」
(素直そうな子だな、大丈夫か?)
「うえはな・かおるくん、ね」
柊は手元のノートパソコンに名前を入力した
「覚えること山ほどあるから、頭気をつけてね」
言葉とは裏腹に☆が付きそうなウィンク、楪は上機嫌に見えた
「私はこれで失礼する」
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すでに血霧のいなくなった路地に、声だけが響いていた
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