9 / 13
結城聡もまた動く
しおりを挟む
俺、結城聡は橘由美をよく知っている。それは高校の時からだ。高校の時、彼女は翔に惹かれていた。それは俺の目から見てもそう見えた。翔は気づいていたんじゃないかと思ってる。けど何も行動しなかった。あいつは不器用だから、そうしたんだろう。俺からすれば苛立たしかった。だが高校のある時、彼女は動き出した。彼女が彼に一歩踏み込んだ。それが俺たち三人を苦しめた。翔があんなことをしたから、彼女が動いたのだ。翔のあの言葉を信じて。俺はあいつの言葉の意味を知っているから。だから、彼女が傷つく前に止めた。だけどそれは失敗した。彼女は止まらなかった。彼女は行動し続けた。しかしそれは失敗に終わった。彼女は傷ついていた。だから優しい嘘でもついて元気づけるのが、できる男だったのかもしれない。けれどそれはやめた。これ以上傷ついてほしくなかった。だから真実を彼女に伝えた。それは彼女を地獄に落とすかのような真実だった。翔といつもいた俺だから気づけた事実。だから前からそれについて注意していた。けれど彼は無理だったようだ。おかしな話だと思った。でも無理なのは仕方ない。けれどそれに彼女を巻き込むのは許せなかった。だから話した。自分が傷つけてでも彼女を夢から覚まさせたかった。
彼女を振り回すのはいつも翔だ。だから今回も翔が絡んでいるだろう。そう思って翔に電話した。メールをしないのは俺のメールに関心がないのか、既読だけや返信が遅かったりする。挙句の果ては無視なんてこともある。どうやら面倒くさいらしい。さすがに彼女にはしてないだろう。もししていたらぶん殴るレベルだ。そんな話は置いといて電話の内容を簡潔に言うとこうだった。由美に喫茶店によびだされ告白された。聞いてた俺はかなり驚いた。電話の相手に大声を出さないようにした俺をだれかほめてほしい。動揺を隠しつつ冷静を装い電話をした。電話をしているだけなのに疲れた。だけど由美がいなかった理由が分かった。翔が話していた由美の様子だとあのときよりは問題なさそうだ。けれど心配だ。どうせ由美のことだから無理をしているに決まっている。俺は由美の家に向かった。真理ちゃんに連絡するのは少し遅くなりそうだ。
彼女を振り回すのはいつも翔だ。だから今回も翔が絡んでいるだろう。そう思って翔に電話した。メールをしないのは俺のメールに関心がないのか、既読だけや返信が遅かったりする。挙句の果ては無視なんてこともある。どうやら面倒くさいらしい。さすがに彼女にはしてないだろう。もししていたらぶん殴るレベルだ。そんな話は置いといて電話の内容を簡潔に言うとこうだった。由美に喫茶店によびだされ告白された。聞いてた俺はかなり驚いた。電話の相手に大声を出さないようにした俺をだれかほめてほしい。動揺を隠しつつ冷静を装い電話をした。電話をしているだけなのに疲れた。だけど由美がいなかった理由が分かった。翔が話していた由美の様子だとあのときよりは問題なさそうだ。けれど心配だ。どうせ由美のことだから無理をしているに決まっている。俺は由美の家に向かった。真理ちゃんに連絡するのは少し遅くなりそうだ。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
氷の王と生贄姫
つきみ かのん
恋愛
敗戦寸前の祖国を守るため、北の大国へ嫁いだセフィラを待っていたのは「血も涙もない化け物」と恐れられる若き美貌の王、ディオラスだった。
※ストーリーの展開上、一部性的な描写を含む場面があります。
苦手な方はタイトルの「*」で判断して回避してください。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
雪の日に
藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。
親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。
大学卒業を控えた冬。
私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ――
※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる