如月真理はまだ知らない

如月真理の決意

　翌朝、私はあまり眠れなかった。大学に行くための準備をする。朝食を済ませ家を出た。大学に着くと翔と由美、聡君が一緒にいた。彼らは私の姿を見つけるとそれぞれの反応をした。一人は嬉しそうに。一人は気まずそうに。一人は困ったような顔に。由美は挨拶だけして講義に向かった。翔とは少し話をして別れた。今日は由美と翔が同じ講義なのだ。なので聡くんと講義に向かうことになった。
「真理ちゃん。由美のことなんだけど」
聡君がそう言ってくる。由美のことはある程度分かったつもりだ。
「なんとなくはわかってる」
「そうなんだ」
私はわかりやすく落ち込んだ。それを見たせいか聡君が
「もしかして真理ちゃん、変なこと考えてる？」
そう聞いてきた。私が考えているようなことは間違っているのだろうか。でもさっき翔と話したときに話があるって言っちゃたんだけど。
「心配することないよ。真理ちゃんは」
そう言って私と講義を受けた。あれからどういうことかと聞いたが、聡君は笑顔のままで答えてくれなかった。大学が終わり次第絶対翔に聞こうと決意した。