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10月16日(3)
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「まだ?まだって何?これから付き合う予定でもあるの?」
ちさきちゃんが当然の疑問を投げかけてくる。私はそれをキャッチできずに涼ちゃんへと視線を向けた。
「もしかしたら今後あるかもしれないじゃん。ね、凪沙」
涼ちゃんがニコッと笑いながらこっちに振ってくる。
私が涼ちゃんに落とされて、涼ちゃんも私に落とされたらもしかしたら今後あるかもしれない話だけど…涼ちゃんの事を恋愛対象としてみてない私にはそんな未来が見えなかった。
「ないない!今も今後もない!」
「えー!私の事嫌いなの?」
涼ちゃんが悲しげな犬のような表情で私を隣から覗き込んでくる。
「涼ちゃんの事は好きだよ!?」
悲しげな犬の表情から一瞬にして顔を赤くして驚いた表情に変わった涼ちゃんは片手で顔を覆った。
ちさきちゃんはニヤニヤした顔をしている。
「公開告白?」
「え!?いや!ちがっ…友達!友達としてね!好きって事だからね?」
「わ、わかってる!わかってるって!」
涼ちゃんにもわかってもらえたみたいだけど、やっぱり凪沙って天然だよねって言われてしまった。
そんな事ないのに……
「でも、仲良さそうに間接キスしてた」
亜紀ちゃんんnnn!!!!
ここでそれを投下したらダメだよぉぉ!?タイミングってあるでしょ!?
箸は一膳しか持ってきてないから必然的に私が使ってる箸を使うことになるけど…
「友達同士であーんとか普通でしょ!?ちさきちゃんとだってこの間したよね!?」
「したね。あたしはケチャップまみれのブロッコリーだったけど」
あ、ちょっと根に持ってる?
「え!?凪沙、高坂ともしてるの?」
「ちさきとは一回だったけど涼さんとは何回もしてるね」
亜紀ちゃぁぁん!私をどうしたいんですか……
普通にお弁当食べたいだけなのに…少し涼ちゃんにもおかずを分けようって思って少し多めに詰めてきたけどさ…
ちょっと落ち着こう…なんか、ちさきちゃんより亜紀ちゃんの発言の方が心を乱されてるような気がする。
隣の涼ちゃんは嬉しそうにおにぎりを食べている。私も飲み物を一口飲んで落ち着くことにした。
「でもこれは噂になりそうだね」
そう言ってちさきちゃんは周りを見渡す。
屋上は解放されている為私たちだけというわけではない。お昼ご飯を屋上で食べる他の生徒だって少なからずいるわけで…
私もちらっと周りを見るとこっちをみていたであろう生徒が目を逸らした。
モテる涼ちゃんに私みたいな女が側にいる事への嫉妬みたいなものが生まれてしまうかもしれない。
「凪沙も悠木涼もモテるからなぁ…そんな2人が仲良くお昼ご飯をあーんなんてしてたらあっという間に注目を浴びて噂は広がるだろうな。特に凪沙のファンクラブはどんな行動を起こすことやら……」
ジュゴゴゴ…と紙パックのミルクティーを飲みながらちさきちゃんはため息をついた。
「は?」
今ちさきちゃんなんて言ってた?ファンクラブ?何それ?
「え!?ファンクラブ??何それ??」
頭で考えてたことがすぐさま口に出た。
「やっぱ凪沙は知らなかったか…」
「全然知らないよ!そんなのあるの?」
「ある。あまり公にはされてないけどひっそりと裏で活動してるらしい。何してるんだか知らないけど、特に凪沙に何かしてくるわけじゃないし、あるって話を聞いただけ。最初は男子生徒が多かったみたいだけど最近じゃ女生徒も増えてるらしい」
「何その秘密結社みたいな組織…」
公にされてないし裏で活動って怪しさしかない。そんなファンクラブあるんだか謎だ。
私は3人をみてみる。
「入ってる人いないよね?」
「あたしも亜紀も入ってないよ。友達として仲良くしてるし、悠木涼は知らないけど」
「私も入ってないよ!?ある事は知ってたけど」
「涼ちゃんも知ってたんだ…なんで本人が知らなかったんだろう」
まぁ、私に何かしてくるわけでもないしある分にしては何もいう事はないけど…
「凪沙」
「ん?…………もうあげないからね?」
「ケチ」
またおかずを催促してきた涼ちゃんはちょっと拗ねてたけど、これ以上あまり注目されたくなかった。もう手遅れかもしれないけど…
お昼ご飯を食べて屋上から教室に戻る道中。前方をちさきちゃんと亜紀ちゃんが並んで歩いてその後ろを私と涼ちゃんが歩く。
「涼ちゃんはお昼いつもおにぎりだけなの?」
「そうだね。母さんにあまり負担かけたくないし、自分で作るのも苦手でコンビニのおにぎりが多いかな」
「じゃあ、私が作ってこようか?」
「…え?」
涼ちゃんの足が止まる。振り返って涼ちゃんの方を見るとちょっと驚いたような表情をしている。
「凪沙がお弁当作ってきてくれるの?」
「うん。涼ちゃん凄く美味しそうに食べてくれて嬉しかったから」
「いや、でも悪いよ」
「私の作ったお弁当食べたくないの?」
少し意地悪な言い方をする。
「……食べ…たいです」
「決まりね!明日から涼ちゃんの分作ってくるから」
また今日みたいに食べさせたりすると注目を浴びてしまうだろうから、それなら涼ちゃんにお弁当を作ってきた方が注目を浴びないだろうし……
涼ちゃんが私を恋に落とす事を頑張るならば私は落とされる気はないけれど私もその頑張りに応えたい。少しずつでも涼ちゃんが変わって行けるように私はそれを応援する。
ちさきちゃんが当然の疑問を投げかけてくる。私はそれをキャッチできずに涼ちゃんへと視線を向けた。
「もしかしたら今後あるかもしれないじゃん。ね、凪沙」
涼ちゃんがニコッと笑いながらこっちに振ってくる。
私が涼ちゃんに落とされて、涼ちゃんも私に落とされたらもしかしたら今後あるかもしれない話だけど…涼ちゃんの事を恋愛対象としてみてない私にはそんな未来が見えなかった。
「ないない!今も今後もない!」
「えー!私の事嫌いなの?」
涼ちゃんが悲しげな犬のような表情で私を隣から覗き込んでくる。
「涼ちゃんの事は好きだよ!?」
悲しげな犬の表情から一瞬にして顔を赤くして驚いた表情に変わった涼ちゃんは片手で顔を覆った。
ちさきちゃんはニヤニヤした顔をしている。
「公開告白?」
「え!?いや!ちがっ…友達!友達としてね!好きって事だからね?」
「わ、わかってる!わかってるって!」
涼ちゃんにもわかってもらえたみたいだけど、やっぱり凪沙って天然だよねって言われてしまった。
そんな事ないのに……
「でも、仲良さそうに間接キスしてた」
亜紀ちゃんんnnn!!!!
ここでそれを投下したらダメだよぉぉ!?タイミングってあるでしょ!?
箸は一膳しか持ってきてないから必然的に私が使ってる箸を使うことになるけど…
「友達同士であーんとか普通でしょ!?ちさきちゃんとだってこの間したよね!?」
「したね。あたしはケチャップまみれのブロッコリーだったけど」
あ、ちょっと根に持ってる?
「え!?凪沙、高坂ともしてるの?」
「ちさきとは一回だったけど涼さんとは何回もしてるね」
亜紀ちゃぁぁん!私をどうしたいんですか……
普通にお弁当食べたいだけなのに…少し涼ちゃんにもおかずを分けようって思って少し多めに詰めてきたけどさ…
ちょっと落ち着こう…なんか、ちさきちゃんより亜紀ちゃんの発言の方が心を乱されてるような気がする。
隣の涼ちゃんは嬉しそうにおにぎりを食べている。私も飲み物を一口飲んで落ち着くことにした。
「でもこれは噂になりそうだね」
そう言ってちさきちゃんは周りを見渡す。
屋上は解放されている為私たちだけというわけではない。お昼ご飯を屋上で食べる他の生徒だって少なからずいるわけで…
私もちらっと周りを見るとこっちをみていたであろう生徒が目を逸らした。
モテる涼ちゃんに私みたいな女が側にいる事への嫉妬みたいなものが生まれてしまうかもしれない。
「凪沙も悠木涼もモテるからなぁ…そんな2人が仲良くお昼ご飯をあーんなんてしてたらあっという間に注目を浴びて噂は広がるだろうな。特に凪沙のファンクラブはどんな行動を起こすことやら……」
ジュゴゴゴ…と紙パックのミルクティーを飲みながらちさきちゃんはため息をついた。
「は?」
今ちさきちゃんなんて言ってた?ファンクラブ?何それ?
「え!?ファンクラブ??何それ??」
頭で考えてたことがすぐさま口に出た。
「やっぱ凪沙は知らなかったか…」
「全然知らないよ!そんなのあるの?」
「ある。あまり公にはされてないけどひっそりと裏で活動してるらしい。何してるんだか知らないけど、特に凪沙に何かしてくるわけじゃないし、あるって話を聞いただけ。最初は男子生徒が多かったみたいだけど最近じゃ女生徒も増えてるらしい」
「何その秘密結社みたいな組織…」
公にされてないし裏で活動って怪しさしかない。そんなファンクラブあるんだか謎だ。
私は3人をみてみる。
「入ってる人いないよね?」
「あたしも亜紀も入ってないよ。友達として仲良くしてるし、悠木涼は知らないけど」
「私も入ってないよ!?ある事は知ってたけど」
「涼ちゃんも知ってたんだ…なんで本人が知らなかったんだろう」
まぁ、私に何かしてくるわけでもないしある分にしては何もいう事はないけど…
「凪沙」
「ん?…………もうあげないからね?」
「ケチ」
またおかずを催促してきた涼ちゃんはちょっと拗ねてたけど、これ以上あまり注目されたくなかった。もう手遅れかもしれないけど…
お昼ご飯を食べて屋上から教室に戻る道中。前方をちさきちゃんと亜紀ちゃんが並んで歩いてその後ろを私と涼ちゃんが歩く。
「涼ちゃんはお昼いつもおにぎりだけなの?」
「そうだね。母さんにあまり負担かけたくないし、自分で作るのも苦手でコンビニのおにぎりが多いかな」
「じゃあ、私が作ってこようか?」
「…え?」
涼ちゃんの足が止まる。振り返って涼ちゃんの方を見るとちょっと驚いたような表情をしている。
「凪沙がお弁当作ってきてくれるの?」
「うん。涼ちゃん凄く美味しそうに食べてくれて嬉しかったから」
「いや、でも悪いよ」
「私の作ったお弁当食べたくないの?」
少し意地悪な言い方をする。
「……食べ…たいです」
「決まりね!明日から涼ちゃんの分作ってくるから」
また今日みたいに食べさせたりすると注目を浴びてしまうだろうから、それなら涼ちゃんにお弁当を作ってきた方が注目を浴びないだろうし……
涼ちゃんが私を恋に落とす事を頑張るならば私は落とされる気はないけれど私もその頑張りに応えたい。少しずつでも涼ちゃんが変わって行けるように私はそれを応援する。
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