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10月27日(11)
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高く飛んだ涼ちゃんが高い位置からスパイクをC組のコートに打ち込んだ。
ブロックの隙間を抜けるようにコート内に入ったボールはそのまま体育館の床に叩き落とされる。
25-22
「ナイスキー涼くん!!」
大きな歓声を受けながらみんなでハイタッチを交わして第2セットの勝利を喜んでいた。
すごい……第1セットの時よりも力強いスパイクとコンビネーションでまさかC組から第2セットを取れるなんて思わなかった。本当にあの抱擁が涼ちゃんの力になったみたいに見える。ただ、頑張ってという意味で抱きしめただけなのに……
「涼くん今年はなんだかやる気が全然違うね?去年は勝ちにこだわってなかったのに……はい。タオル」
「ありがとう。今年は凪沙の事もあるし、頑張って見ようかなって思って……」
「凪沙ちゃんの怪我のこと?」
「それもあるけど………」
「?」
「内緒……」
「何それ!?何?何があるの!?」
インターバルが終わる。
最終第3セットが始まる。
第3セットが始まってC組の気合いが一段階上がったようだ。
なんとか点差をつけさせないで、B組も食らいついていく。
13-15
終盤に差し掛かってきて2点差。
どこかで逆転しないと負けてしまう……
ただの球技大会、ただの学校行事。学校の成績とかに大きく関わってくることもないし、全国大会みたいに大きく表彰されるわけでもない。
それでも、涼ちゃんの表情は見たことないくらい真剣な表情をしている。
勝つために本気で試合に挑んでいる。
そんな涼ちゃんを見てか、結ちゃんも他のB組の選手も必死になってボールを取りに行く。
『頑張るだけ無駄』だと言っていた涼ちゃんがバレーの練習から一生懸命頑張ってきたんだ。勝っても負けてもがんばったねと言って、涼ちゃんとお出かけしてもいいかもしれない。
でも、できたら……勝ったところが見たいな……
結ちゃんがトスを上げる。
涼ちゃんが高く手を上げて飛ぶ――
「悠木涼!!!やれーーー!!!」
「ち、ちさきちゃん!?」
ちさきちゃんが大声で叫んだ。
涼ちゃんが驚いた表情をしてチラッとこっちを見た気がした。タイミングがずれたらしい涼ちゃんはボールをふわりとC組のコートに押し込んだ。
C組もスパイクがくると構えてたのが急なボールの変化に対応できずにボールはポトリとコートに落ちた。
「高坂!!」
涼ちゃんがこっちを見て叫んだ。
ちさきちゃんはニコニコと笑っていた。
「ほら!凪沙も応援してあげなよ」
「え!?な、なんで!?」
ちさきちゃんがニヤニヤしながら肩を叩いてくる。
ぽんっと亜紀ちゃんが反対側の肩を叩いた。
「あ、亜紀ちゃんまで!?!?」
どこか逃げ道はないかと探してみたけど、両肩は2人に掴まれているため逃げられそうになかった。
涼ちゃんが高く飛ぶ。
「りょ、涼ちゃん!がんばって!!」
バシィィ
力強いボールの叩く音が響いた。
涼ちゃんに届けばいいなという声量で叫んだ。
だって、ちさきちゃんと亜紀ちゃんの後ろに隠れてたやつが、急に現れて涼ちゃんを応援したらどうなるか………
大量の視線が突き刺さる……私は一歩下がって隠れる。
届いたかな?とチラッと涼ちゃんを見れば、ガッツリ目が合った。
すごく嬉しそうに微笑んでいた。
スコアボードはいつの間にか同点になっていた。
―――――――
「あいつやばいな」
ははっと笑いながらちさきちゃんはスコアボードを見る。
同点に追いついてからの涼ちゃんは打ったスパイクが全部得点をとっていた。
呼吸が乱れているのか肩で息をしている涼ちゃんはC組を鋭い視線で見つめている。
涼ちゃんの額から汗が流れて手の甲で汗を拭った。
24-20
マッチポイントまできてしまっていた。
涼ちゃんファンがさらに増えている。いろんなとことから聞こえる応援は涼ちゃんやB組に対してのものが多い。
体育館中の視線がB組対C組のバレーの試合に向いていた。
どこから現れたのか2年生以外の生徒もいるように見える。授業は大丈夫なんだろうか?
C組のバレー部の人がサーブを打った。
B組の人がサーブボールをレシーブして結ちゃんがトスをあげた。
涼ちゃんの汗がキラリと光って体育館を濡らす。
大きく振りかぶった右手は勢いよくボールにぶつかって相手コートに飛んでいく。
涼ちゃんが打ったスパイクは惜しくも拾われてC組がトスを上げた。
上がったボールに合わせてC組のバレー部の人がスパイクを打つためにジャンプする。
ネットを挟んだ反対側の涼ちゃんも飛んでいた。
C組が上げたネット付近のトスをネットを超えた手で涼ちゃんは相手コートに叩き落とした。
慌ててボールを追っていくが、ボールが体育館の床に落ちる音が響いた。
ボールが転がる………
体育館が揺れた。
体育館が叫んだ。
生徒たちが熱狂した。
「涼くん!!すごい!!何あれ!?なんて技なの!?」
「え?いや……無我夢中でわからなかった」
「涼くんかっこいい!!」
「B組が優勝!?」
B組のクラスメイト達が一斉に涼ちゃん達を取り囲んだ。
涼ちゃんは嬉しそうにみんなとハイタッチをしている。みんなが涼ちゃんの活躍を賞賛した。
「すごい……」
私はコートの外側でみんなに囲まれている涼ちゃんを見ていた。
C組の半数がバレー部員のチームに勝って本当に涼ちゃんの頑張った成果を目の当たりした。
みんなで頑張ったのは無駄じゃないんだと涼ちゃんが体を張って教えてくれた。
「いい試合だったな」
「ただの球技大会だったはずなのにこんなに盛り上がるなんて思わなかった」
「試合は全部できなくてもB組と一緒に練習してきたからさ。やっぱB組が勝ってくれると嬉しいもんだな。凪沙と一緒に球技大会出られて楽しかった。一緒に練習できて楽しかったよ」
ちさきちゃんがニカッと笑った。
ブロックの隙間を抜けるようにコート内に入ったボールはそのまま体育館の床に叩き落とされる。
25-22
「ナイスキー涼くん!!」
大きな歓声を受けながらみんなでハイタッチを交わして第2セットの勝利を喜んでいた。
すごい……第1セットの時よりも力強いスパイクとコンビネーションでまさかC組から第2セットを取れるなんて思わなかった。本当にあの抱擁が涼ちゃんの力になったみたいに見える。ただ、頑張ってという意味で抱きしめただけなのに……
「涼くん今年はなんだかやる気が全然違うね?去年は勝ちにこだわってなかったのに……はい。タオル」
「ありがとう。今年は凪沙の事もあるし、頑張って見ようかなって思って……」
「凪沙ちゃんの怪我のこと?」
「それもあるけど………」
「?」
「内緒……」
「何それ!?何?何があるの!?」
インターバルが終わる。
最終第3セットが始まる。
第3セットが始まってC組の気合いが一段階上がったようだ。
なんとか点差をつけさせないで、B組も食らいついていく。
13-15
終盤に差し掛かってきて2点差。
どこかで逆転しないと負けてしまう……
ただの球技大会、ただの学校行事。学校の成績とかに大きく関わってくることもないし、全国大会みたいに大きく表彰されるわけでもない。
それでも、涼ちゃんの表情は見たことないくらい真剣な表情をしている。
勝つために本気で試合に挑んでいる。
そんな涼ちゃんを見てか、結ちゃんも他のB組の選手も必死になってボールを取りに行く。
『頑張るだけ無駄』だと言っていた涼ちゃんがバレーの練習から一生懸命頑張ってきたんだ。勝っても負けてもがんばったねと言って、涼ちゃんとお出かけしてもいいかもしれない。
でも、できたら……勝ったところが見たいな……
結ちゃんがトスを上げる。
涼ちゃんが高く手を上げて飛ぶ――
「悠木涼!!!やれーーー!!!」
「ち、ちさきちゃん!?」
ちさきちゃんが大声で叫んだ。
涼ちゃんが驚いた表情をしてチラッとこっちを見た気がした。タイミングがずれたらしい涼ちゃんはボールをふわりとC組のコートに押し込んだ。
C組もスパイクがくると構えてたのが急なボールの変化に対応できずにボールはポトリとコートに落ちた。
「高坂!!」
涼ちゃんがこっちを見て叫んだ。
ちさきちゃんはニコニコと笑っていた。
「ほら!凪沙も応援してあげなよ」
「え!?な、なんで!?」
ちさきちゃんがニヤニヤしながら肩を叩いてくる。
ぽんっと亜紀ちゃんが反対側の肩を叩いた。
「あ、亜紀ちゃんまで!?!?」
どこか逃げ道はないかと探してみたけど、両肩は2人に掴まれているため逃げられそうになかった。
涼ちゃんが高く飛ぶ。
「りょ、涼ちゃん!がんばって!!」
バシィィ
力強いボールの叩く音が響いた。
涼ちゃんに届けばいいなという声量で叫んだ。
だって、ちさきちゃんと亜紀ちゃんの後ろに隠れてたやつが、急に現れて涼ちゃんを応援したらどうなるか………
大量の視線が突き刺さる……私は一歩下がって隠れる。
届いたかな?とチラッと涼ちゃんを見れば、ガッツリ目が合った。
すごく嬉しそうに微笑んでいた。
スコアボードはいつの間にか同点になっていた。
―――――――
「あいつやばいな」
ははっと笑いながらちさきちゃんはスコアボードを見る。
同点に追いついてからの涼ちゃんは打ったスパイクが全部得点をとっていた。
呼吸が乱れているのか肩で息をしている涼ちゃんはC組を鋭い視線で見つめている。
涼ちゃんの額から汗が流れて手の甲で汗を拭った。
24-20
マッチポイントまできてしまっていた。
涼ちゃんファンがさらに増えている。いろんなとことから聞こえる応援は涼ちゃんやB組に対してのものが多い。
体育館中の視線がB組対C組のバレーの試合に向いていた。
どこから現れたのか2年生以外の生徒もいるように見える。授業は大丈夫なんだろうか?
C組のバレー部の人がサーブを打った。
B組の人がサーブボールをレシーブして結ちゃんがトスをあげた。
涼ちゃんの汗がキラリと光って体育館を濡らす。
大きく振りかぶった右手は勢いよくボールにぶつかって相手コートに飛んでいく。
涼ちゃんが打ったスパイクは惜しくも拾われてC組がトスを上げた。
上がったボールに合わせてC組のバレー部の人がスパイクを打つためにジャンプする。
ネットを挟んだ反対側の涼ちゃんも飛んでいた。
C組が上げたネット付近のトスをネットを超えた手で涼ちゃんは相手コートに叩き落とした。
慌ててボールを追っていくが、ボールが体育館の床に落ちる音が響いた。
ボールが転がる………
体育館が揺れた。
体育館が叫んだ。
生徒たちが熱狂した。
「涼くん!!すごい!!何あれ!?なんて技なの!?」
「え?いや……無我夢中でわからなかった」
「涼くんかっこいい!!」
「B組が優勝!?」
B組のクラスメイト達が一斉に涼ちゃん達を取り囲んだ。
涼ちゃんは嬉しそうにみんなとハイタッチをしている。みんなが涼ちゃんの活躍を賞賛した。
「すごい……」
私はコートの外側でみんなに囲まれている涼ちゃんを見ていた。
C組の半数がバレー部員のチームに勝って本当に涼ちゃんの頑張った成果を目の当たりした。
みんなで頑張ったのは無駄じゃないんだと涼ちゃんが体を張って教えてくれた。
「いい試合だったな」
「ただの球技大会だったはずなのにこんなに盛り上がるなんて思わなかった」
「試合は全部できなくてもB組と一緒に練習してきたからさ。やっぱB組が勝ってくれると嬉しいもんだな。凪沙と一緒に球技大会出られて楽しかった。一緒に練習できて楽しかったよ」
ちさきちゃんがニカッと笑った。
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