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12月24日(8)
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「じゃ、おやすみ凪沙」
「おやすみなさい凪沙さん涼さん」
「涼、凪沙ちゃんおやすみ~」
ちさきちゃん亜紀ちゃん、美月さんがエレベーターから降りて行く。
ホテルで夕食を食べて少しまったりと話した後、そろそろ寝ましょうかということになり、同じ建物内にあるお店で下着を買ってからそれぞれの部屋に向かって行く。3人は同じ階の部屋みたいで、涼ちゃんの部屋ほどのグレードではなくここのホテルの普通のツインルームとシングルルームだと聞いた。
それでもここのホテル自体がビジネスホテルよりずっと良いホテルらしく携帯で調べたら、簡単にお礼として受け取れるようなものじゃなかったので美月さんには深々と頭を下げてお礼を言った。“あの人に払ってもらうから気にしないでー“とは言っていたけれど……
上層階で止まったエレベータから降りて、私たちが泊まる部屋に向かった。涼ちゃんはずっと私と手を繋いで歩いている。ご飯を食べてる時以外はずっと手を握られていて、美月さんにも見られているはずなのに何故か何も言ってこなかった。
嬉しそうにしている涼ちゃんを微笑ましい感じで見守っていた。
さっきも入った涼ちゃんと泊まる部屋は、豪華で広い部屋でなんだか落ち着かない。涼ちゃんと2人っきりだからとかではなく、これは場違いな高校の制服姿でただの高校生がこんな豪勢なホテルの一室にいるからだ。そういうことにしておく。
「凪沙先にお風呂どうぞ」
「んえっ!?」
涼ちゃんがコンビニで買った飲み物を冷蔵庫に入れながら振り返ってきた。
できるだけ平静を装ってきた私は、涼ちゃんと2人きり、好きな人と同じ部屋に泊まるという状況で、装ってきたハリボテが崩れ始めていて、お風呂というワードでつい声を張り上げてしまった。
涼ちゃんは涼ちゃんで私が予想以上の声を上げたからか、顔を赤くしながら目を大きくさせていた。
「あ、お風呂ね。お風呂……先に入っちゃうね。ありがと……」
急いで手に持っていた学生鞄を机に置いて先ほど買った下着の入った袋を持ってバスルームに向かった。
扉を閉めて息を吐き出す。
「はーー。意識しちゃダメ……涼ちゃんは何もしないって言ってたんだもん。平常心平常心……」
深呼吸を繰り返して、ハリボテの平静を建設する。
コンコン
突然扉がノックされてビクッと体が跳ねた。
「凪沙ールームウエア忘れてるよ?」
「え?」
扉を少し開けて覗くと涼ちゃんがホテルに置いてあるルームウエアを手に持ち立っていた。
「あ、ありがとう」
「ん」
ルームウエアを受け取ってすぐ扉を閉める。ドキドキとする緊張を和らげる為にもさっさとお風呂に入ったほうが良さそうだと、私は制服のネクタイを外した。
お風呂のお湯を張って肩まで浸かる。走り回った体は想像以上に疲れていたみたいで、お湯に浸かると疲れが流れていく感じがする。
部屋も豪華だったがお風呂も足を伸ばしても余るくらい広いし、シャンプーもコンディショナーも家にあるやつより良いものだったり、今更ながらすごいところだなぁとぼんやりした頭で考えていた。
涼ちゃんと付き合えることになって、涼ちゃんが私のことを好きと言ってくれて心の底から嬉しくて、女の子だからとか同性だからだなんて全く気にならない。
優しくて、私のことを助けてくれて、美味しそうにお弁当を食べてくれて、頭を撫でてくれるのが気持ちよくて、私を癒してくれる人。
上げたらキリがないんじゃないかというくらい、好きなところが出てくる。
そんなことをぼーっと考えているとつい長湯をしてしまって危うくのぼせてしまうところだった。
お風呂から出ると涼ちゃんは家から持ってきていたらしい部屋着に着替えてソファで携帯を触りながらくつろいでいた。
「お風呂上がったよ」
「おかえり………」
携帯を見ていた視線を上げて私を見ると止まった。
「………?」
「ちょっと幼くなったね……可愛い……」
立ち上がって私の頬を両手で包んだ。
元々薄化粧だしそこまで変わることはないけど、そんな風に見つめられると私も頬が染まってしまう。
「わ、私もお風呂入ってくるね!」
涼ちゃんがバッと視線を逸らして、小さめの袋を持って浴室に入って行った。
部屋に残された私は大きいベッドに飛び込んだ。ゴロゴロとちょっとはしたないけれどベッドの上を転がる。全身で言い表せないこの感情をベッドの上でゴロゴロと発散させる。
「はぁ……ドキドキがヤバい……」
頬を撫でる。触られたところが熱を帯びたように熱く感じてお風呂で落ち着いたと思っていた平常心がまた乱れた。
「こんなにドキドキしてたら眠れないよ……」
2人きりでしかも同じベッドで寝るなんて、付き合って初日でこんなことになるなんて誰が予想しただろうか……
ベッドに体を沈めながら涼ちゃんが戻ってくるまでには、また平常心を戻しておこうと私はふかふかのベッドを堪能することにした。
「……さ……――さ……なぎさ」
誰かが呼ぶ声がして沈んでいた意識を浮上させる。
「……ん――りょう……ちゃん」
いつの間にか寝てしまっていたみたいで、お風呂から上がった涼ちゃんが私の隣に座っていた。
「布団かけないと風邪ひくよ?」
「んーーー……」
「クスクス。寝ぼけてるの?」
涼ちゃんが私の頭を優しく撫でてくる。気持ちいい……
「りょうちゃん、が、頭撫で、てくれるの、好き……」
「…………」
撫でてくれる手がまた私を微睡へと誘っていく。
体に布団がかけられた。背中から暖かい温もりが私を包んでお腹の前に回される。
「凪沙……私、がんばって良かった。凪沙の事、落とせて良かった」
「(涼ちゃん、がんばったね。私も嬉しい)」
後ろから涼ちゃんが優しい声音で話しかけてくる。
微睡を彷徨う意識の中で私はちゃんと返事を返せているのかわからない。
「私の事好きになってくれてありがとう」
「(涼ちゃんもありがと)」
「ずっと好きでいるからね。私がんばるから、凪沙がずっと私の事好きでいてもらえるようにがんばるから」
「(私も涼ちゃんに好きでいてもらえるようにがんばるからね)」
「大好きだよ。凪沙……」
「(…………)」
微睡を彷徨っていた私はうなじに柔らかい感触を感じつつ、いつの間にか深い眠りに落ちていった。
お互いを恋に落とす事をがんばる事になった
―了―
※最後までお読みいただきありがとうございます。
本編はここで完結です。
ここから先はアフターストーリーを投稿していけたらなと思います。
せっかく付き合えたのだからその先が読みたい。イチャイチャが見たい。
ただ、私がイチャイチャしている話が好きだからというのもあります。
良かったらアフターストーリーもよろしくお願いいたします。
「おやすみなさい凪沙さん涼さん」
「涼、凪沙ちゃんおやすみ~」
ちさきちゃん亜紀ちゃん、美月さんがエレベーターから降りて行く。
ホテルで夕食を食べて少しまったりと話した後、そろそろ寝ましょうかということになり、同じ建物内にあるお店で下着を買ってからそれぞれの部屋に向かって行く。3人は同じ階の部屋みたいで、涼ちゃんの部屋ほどのグレードではなくここのホテルの普通のツインルームとシングルルームだと聞いた。
それでもここのホテル自体がビジネスホテルよりずっと良いホテルらしく携帯で調べたら、簡単にお礼として受け取れるようなものじゃなかったので美月さんには深々と頭を下げてお礼を言った。“あの人に払ってもらうから気にしないでー“とは言っていたけれど……
上層階で止まったエレベータから降りて、私たちが泊まる部屋に向かった。涼ちゃんはずっと私と手を繋いで歩いている。ご飯を食べてる時以外はずっと手を握られていて、美月さんにも見られているはずなのに何故か何も言ってこなかった。
嬉しそうにしている涼ちゃんを微笑ましい感じで見守っていた。
さっきも入った涼ちゃんと泊まる部屋は、豪華で広い部屋でなんだか落ち着かない。涼ちゃんと2人っきりだからとかではなく、これは場違いな高校の制服姿でただの高校生がこんな豪勢なホテルの一室にいるからだ。そういうことにしておく。
「凪沙先にお風呂どうぞ」
「んえっ!?」
涼ちゃんがコンビニで買った飲み物を冷蔵庫に入れながら振り返ってきた。
できるだけ平静を装ってきた私は、涼ちゃんと2人きり、好きな人と同じ部屋に泊まるという状況で、装ってきたハリボテが崩れ始めていて、お風呂というワードでつい声を張り上げてしまった。
涼ちゃんは涼ちゃんで私が予想以上の声を上げたからか、顔を赤くしながら目を大きくさせていた。
「あ、お風呂ね。お風呂……先に入っちゃうね。ありがと……」
急いで手に持っていた学生鞄を机に置いて先ほど買った下着の入った袋を持ってバスルームに向かった。
扉を閉めて息を吐き出す。
「はーー。意識しちゃダメ……涼ちゃんは何もしないって言ってたんだもん。平常心平常心……」
深呼吸を繰り返して、ハリボテの平静を建設する。
コンコン
突然扉がノックされてビクッと体が跳ねた。
「凪沙ールームウエア忘れてるよ?」
「え?」
扉を少し開けて覗くと涼ちゃんがホテルに置いてあるルームウエアを手に持ち立っていた。
「あ、ありがとう」
「ん」
ルームウエアを受け取ってすぐ扉を閉める。ドキドキとする緊張を和らげる為にもさっさとお風呂に入ったほうが良さそうだと、私は制服のネクタイを外した。
お風呂のお湯を張って肩まで浸かる。走り回った体は想像以上に疲れていたみたいで、お湯に浸かると疲れが流れていく感じがする。
部屋も豪華だったがお風呂も足を伸ばしても余るくらい広いし、シャンプーもコンディショナーも家にあるやつより良いものだったり、今更ながらすごいところだなぁとぼんやりした頭で考えていた。
涼ちゃんと付き合えることになって、涼ちゃんが私のことを好きと言ってくれて心の底から嬉しくて、女の子だからとか同性だからだなんて全く気にならない。
優しくて、私のことを助けてくれて、美味しそうにお弁当を食べてくれて、頭を撫でてくれるのが気持ちよくて、私を癒してくれる人。
上げたらキリがないんじゃないかというくらい、好きなところが出てくる。
そんなことをぼーっと考えているとつい長湯をしてしまって危うくのぼせてしまうところだった。
お風呂から出ると涼ちゃんは家から持ってきていたらしい部屋着に着替えてソファで携帯を触りながらくつろいでいた。
「お風呂上がったよ」
「おかえり………」
携帯を見ていた視線を上げて私を見ると止まった。
「………?」
「ちょっと幼くなったね……可愛い……」
立ち上がって私の頬を両手で包んだ。
元々薄化粧だしそこまで変わることはないけど、そんな風に見つめられると私も頬が染まってしまう。
「わ、私もお風呂入ってくるね!」
涼ちゃんがバッと視線を逸らして、小さめの袋を持って浴室に入って行った。
部屋に残された私は大きいベッドに飛び込んだ。ゴロゴロとちょっとはしたないけれどベッドの上を転がる。全身で言い表せないこの感情をベッドの上でゴロゴロと発散させる。
「はぁ……ドキドキがヤバい……」
頬を撫でる。触られたところが熱を帯びたように熱く感じてお風呂で落ち着いたと思っていた平常心がまた乱れた。
「こんなにドキドキしてたら眠れないよ……」
2人きりでしかも同じベッドで寝るなんて、付き合って初日でこんなことになるなんて誰が予想しただろうか……
ベッドに体を沈めながら涼ちゃんが戻ってくるまでには、また平常心を戻しておこうと私はふかふかのベッドを堪能することにした。
「……さ……――さ……なぎさ」
誰かが呼ぶ声がして沈んでいた意識を浮上させる。
「……ん――りょう……ちゃん」
いつの間にか寝てしまっていたみたいで、お風呂から上がった涼ちゃんが私の隣に座っていた。
「布団かけないと風邪ひくよ?」
「んーーー……」
「クスクス。寝ぼけてるの?」
涼ちゃんが私の頭を優しく撫でてくる。気持ちいい……
「りょうちゃん、が、頭撫で、てくれるの、好き……」
「…………」
撫でてくれる手がまた私を微睡へと誘っていく。
体に布団がかけられた。背中から暖かい温もりが私を包んでお腹の前に回される。
「凪沙……私、がんばって良かった。凪沙の事、落とせて良かった」
「(涼ちゃん、がんばったね。私も嬉しい)」
後ろから涼ちゃんが優しい声音で話しかけてくる。
微睡を彷徨う意識の中で私はちゃんと返事を返せているのかわからない。
「私の事好きになってくれてありがとう」
「(涼ちゃんもありがと)」
「ずっと好きでいるからね。私がんばるから、凪沙がずっと私の事好きでいてもらえるようにがんばるから」
「(私も涼ちゃんに好きでいてもらえるようにがんばるからね)」
「大好きだよ。凪沙……」
「(…………)」
微睡を彷徨っていた私はうなじに柔らかい感触を感じつつ、いつの間にか深い眠りに落ちていった。
お互いを恋に落とす事をがんばる事になった
―了―
※最後までお読みいただきありがとうございます。
本編はここで完結です。
ここから先はアフターストーリーを投稿していけたらなと思います。
せっかく付き合えたのだからその先が読みたい。イチャイチャが見たい。
ただ、私がイチャイチャしている話が好きだからというのもあります。
良かったらアフターストーリーもよろしくお願いいたします。
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