85 / 129
12月26日 Side涼3
しおりを挟む
結が目をパチパチと瞬きをした。
「ちょ、ちょっと涼ちゃん!」
私の言葉に驚いたのか結の手首を掴んでいる私の手に凪沙が手を添える。
「凪沙ちゃんが涼くんのもの?」
何を言っているのか意味がわからないと言った様子で、結がゆっくりと咀嚼するように繰り返す。
結を掴んでいた手を離して凪沙の手を握った。
「凪沙は私のだから」
「何言ってるの?凪沙ちゃんは凪沙ちゃんのものでしょ?」
結が眉間に皺を寄せて私を見つめ返してくる。
「凪沙にあーんするのもしてもらうのも私だけだし、凪沙を抱きしめるのも手を繋ぐのも頭を撫でるのも私だけだから!」
ますます結の眉間の皺が深くなってくる。
「そんなの別に女の子同士なら別にいいんじゃないかな!?私だってこの間のデートで手を繋いだし、今日だって頭撫でてくれたし!凪沙ちゃんの手作りお弁当だって食べたんだからね!?」
「なっ!!」
そんなの聞いてないんだけど!?
手を繋いでデート?凪沙のお弁当も食べたの!?
私は視線を凪沙に向けると「あっ」と言った表情で凪沙が苦笑した。
本当の話なんだ。私の知らないところで凪沙は結とデートをして、結にお弁当をあげていた。
「涼くん。いくらなんでも凪沙ちゃんを独り占めみたいなこと言わない方がいいと思うけど?」
「独り占めって……そういうんじゃなくて……」
「なんですか?まだ言い訳があるんですか?涼くんちょっと独占欲強いんじゃないかな?いくら凪沙ちゃんが可愛いくて学校一の美人さんと仲が良いからって自分の物って思い上がりも甚だしいと思いますけど?」
「思いあがりって……」
結は少し怒っているみたいに、私をジッと睨んで視線を逸らさない。結が繋いでいた手を取って私と凪沙の手を離した。
だって、私と凪沙は付き合っているわけで、付き合っているからこそ凪沙は私のだと言っているのに、独占欲…思い上がりって……そんなことないと思うんだけど……
凪沙を見るとアワアワと今の状況に戸惑っているようだった。
「はぁ~。涼くんちょっとそういうのダメだよ?」
「いや、だって………凪沙は――」
「涼くん!!」
結は両手をテーブルについて立ち上がった。
私を睨みつけて視線を鋭くさせている。いつもニコニコとしている結には珍しい反応だった。
「勝負だ涼くん!」
「……え?」
「バスケで勝負をしよう」
「え?なんで?」
「凪沙ちゃんは涼ちゃんのものじゃないってわからせる!!その思い上がりを叩きのめす!!」
結は私にビシッと人差し指を向けて「勝負だ!!」と叫んだ。
もう周りのお客さんの注目を一心に受けていた。
「絶対わからせてあげるんだから!!」と意気込んで結とは駅前で別れた。
結は前回凪沙と駅前で別れた後、連れ去られた事を気にして凪沙を家まで送るとうるさかったが、わざわざ結が電車に乗ってまで凪沙の家に行かなくても、私が凪沙の家までちゃんと送り届けるからとなんとか言い聞かせた。
結局猫カフェにも寄らなかった。結が勝負のことで頭がいっぱいになったからなんだと思う。
勝負の日は今度行われるバスケ部の他校との練習試合。練習試合で勝負するとかどうかとも思うけど、どちらが多くポイントを取ったかで勝敗を決めるらしい。
凪沙の最寄り駅の改札を出て、私は隣を歩く凪沙と手を繋いだ。
「なんでこんなことに……凪沙は私のなのに……」
「そうだねぇ。涼ちゃんは私のだしね」
凪沙は意外にもニコニコと楽しそうにしている。
「なんか変なことに巻き込んでごめん……」
「面白いことになったね?」
全然面白くない。わからせるって何?だって、凪沙は私のなんだからわからせる必要なんてないじゃん。
凪沙が繋いでいた手を握り直して恋人繋ぎにしてきた。
「結ちゃんはやっぱり良い子だよね」
「………」
「結ちゃんが言ってることもわかるし、涼ちゃんが言ってることもわかるよ?私は私のだし、私は涼ちゃんのものだもん」
「………うん」
住宅街に入り凪沙が立ち止まり半歩先を進んだ私は振り返った。
凪沙の茶色い瞳が見上げるようにして私を見つめてくる。
「2人とも応援するけど……ちょっと涼ちゃんを贔屓しちゃうかも……」
少し照れたように笑う凪沙が可愛かった。
私に背伸びをして耳元に口を近づけた。
「だからがんばってね?涼ちゃん」
「ん……」
耳元に近づいて吐息混じりにつぶやいた凪沙がそのまま耳にキスをする。
どこでそんなことを覚えたんだ!?っていうくらいエロくて可愛くて、キスをされた耳はきっと真っ赤になってしまっているんだと思うくらい熱い。
こんな道端じゃなくて2人っきりの空間だったら間違いなく襲ってしまいそうな衝動に駆られる。私はどんどん熱くなっていく顔を俯かせて凪沙の手を引いた。
こんなの絶対がんばっちゃうやつじゃん……
恋人繋ぎをしている手を強く握って私は内側に秘めていたオオカミを押し込んで、無事に凪沙を家まで送り届けることに成功した。
「ちょ、ちょっと涼ちゃん!」
私の言葉に驚いたのか結の手首を掴んでいる私の手に凪沙が手を添える。
「凪沙ちゃんが涼くんのもの?」
何を言っているのか意味がわからないと言った様子で、結がゆっくりと咀嚼するように繰り返す。
結を掴んでいた手を離して凪沙の手を握った。
「凪沙は私のだから」
「何言ってるの?凪沙ちゃんは凪沙ちゃんのものでしょ?」
結が眉間に皺を寄せて私を見つめ返してくる。
「凪沙にあーんするのもしてもらうのも私だけだし、凪沙を抱きしめるのも手を繋ぐのも頭を撫でるのも私だけだから!」
ますます結の眉間の皺が深くなってくる。
「そんなの別に女の子同士なら別にいいんじゃないかな!?私だってこの間のデートで手を繋いだし、今日だって頭撫でてくれたし!凪沙ちゃんの手作りお弁当だって食べたんだからね!?」
「なっ!!」
そんなの聞いてないんだけど!?
手を繋いでデート?凪沙のお弁当も食べたの!?
私は視線を凪沙に向けると「あっ」と言った表情で凪沙が苦笑した。
本当の話なんだ。私の知らないところで凪沙は結とデートをして、結にお弁当をあげていた。
「涼くん。いくらなんでも凪沙ちゃんを独り占めみたいなこと言わない方がいいと思うけど?」
「独り占めって……そういうんじゃなくて……」
「なんですか?まだ言い訳があるんですか?涼くんちょっと独占欲強いんじゃないかな?いくら凪沙ちゃんが可愛いくて学校一の美人さんと仲が良いからって自分の物って思い上がりも甚だしいと思いますけど?」
「思いあがりって……」
結は少し怒っているみたいに、私をジッと睨んで視線を逸らさない。結が繋いでいた手を取って私と凪沙の手を離した。
だって、私と凪沙は付き合っているわけで、付き合っているからこそ凪沙は私のだと言っているのに、独占欲…思い上がりって……そんなことないと思うんだけど……
凪沙を見るとアワアワと今の状況に戸惑っているようだった。
「はぁ~。涼くんちょっとそういうのダメだよ?」
「いや、だって………凪沙は――」
「涼くん!!」
結は両手をテーブルについて立ち上がった。
私を睨みつけて視線を鋭くさせている。いつもニコニコとしている結には珍しい反応だった。
「勝負だ涼くん!」
「……え?」
「バスケで勝負をしよう」
「え?なんで?」
「凪沙ちゃんは涼ちゃんのものじゃないってわからせる!!その思い上がりを叩きのめす!!」
結は私にビシッと人差し指を向けて「勝負だ!!」と叫んだ。
もう周りのお客さんの注目を一心に受けていた。
「絶対わからせてあげるんだから!!」と意気込んで結とは駅前で別れた。
結は前回凪沙と駅前で別れた後、連れ去られた事を気にして凪沙を家まで送るとうるさかったが、わざわざ結が電車に乗ってまで凪沙の家に行かなくても、私が凪沙の家までちゃんと送り届けるからとなんとか言い聞かせた。
結局猫カフェにも寄らなかった。結が勝負のことで頭がいっぱいになったからなんだと思う。
勝負の日は今度行われるバスケ部の他校との練習試合。練習試合で勝負するとかどうかとも思うけど、どちらが多くポイントを取ったかで勝敗を決めるらしい。
凪沙の最寄り駅の改札を出て、私は隣を歩く凪沙と手を繋いだ。
「なんでこんなことに……凪沙は私のなのに……」
「そうだねぇ。涼ちゃんは私のだしね」
凪沙は意外にもニコニコと楽しそうにしている。
「なんか変なことに巻き込んでごめん……」
「面白いことになったね?」
全然面白くない。わからせるって何?だって、凪沙は私のなんだからわからせる必要なんてないじゃん。
凪沙が繋いでいた手を握り直して恋人繋ぎにしてきた。
「結ちゃんはやっぱり良い子だよね」
「………」
「結ちゃんが言ってることもわかるし、涼ちゃんが言ってることもわかるよ?私は私のだし、私は涼ちゃんのものだもん」
「………うん」
住宅街に入り凪沙が立ち止まり半歩先を進んだ私は振り返った。
凪沙の茶色い瞳が見上げるようにして私を見つめてくる。
「2人とも応援するけど……ちょっと涼ちゃんを贔屓しちゃうかも……」
少し照れたように笑う凪沙が可愛かった。
私に背伸びをして耳元に口を近づけた。
「だからがんばってね?涼ちゃん」
「ん……」
耳元に近づいて吐息混じりにつぶやいた凪沙がそのまま耳にキスをする。
どこでそんなことを覚えたんだ!?っていうくらいエロくて可愛くて、キスをされた耳はきっと真っ赤になってしまっているんだと思うくらい熱い。
こんな道端じゃなくて2人っきりの空間だったら間違いなく襲ってしまいそうな衝動に駆られる。私はどんどん熱くなっていく顔を俯かせて凪沙の手を引いた。
こんなの絶対がんばっちゃうやつじゃん……
恋人繋ぎをしている手を強く握って私は内側に秘めていたオオカミを押し込んで、無事に凪沙を家まで送り届けることに成功した。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる