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2月14日 Side涼29
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「ちょっと待て」
あと数センチで触れ合えるというところでストップをかけられた。
久しぶりの触れ合いに水を刺されたけど、私はそのまま軽く凪沙の唇に触れてから高坂を睨みつける。
「ん……」
「お、おい!!待てって言っただろっ」
「大胆ですね」
凪沙が唇を手で隠して顔がさっきよりも赤く染まっていく。
「空気読んでよ」
「いやいやいや!なんであたしが怒られるんだよっ」
「じゃあ、空気を読んでください」
軽く頭も下げておくが、高坂が少し赤らめた頬で視線をキョロキョロと動かした。
「お願いされても目の前で、き、き、、キスとかされるのはちょっと……それにここ学校だから場所を考えろよ」
「学校でキスくらい誰でもしてるでしょ」
「してねぇーよ!!」
キッと睨まれる。
学生カップルなんて学校でキスくらい普通だと思うんだけどなぁ。
抱きしめたままでいた凪沙がモゾモゾと動いて、赤く染まった頬のまま私を見上げてくる。
「涼ちゃん流石にこれ以上はダメだよ?」
凪沙にもストップをかけられてしまった。
正直私はまだ物足りない。でも、高坂もうるさいしこれ以上はできないだろうけど、抱きしめているだけならまだ良いかと思ってぎゅっと凪沙を強く抱きしめた。
ついでに凪沙にバレない程度に匂いも堪能しておこう。
「ちさき。そろそろ帰ろ」
「そうだな。勝負も無くなったことだし帰るか。全く一体なんだったんだよ」
高坂と東雲がカバンを持って教室の入口に向かい出す。
「あ!私もかえ……」
「凪沙はそいつの相手してやりなよ。欲求不満みたいだからさ」
「よっ、欲求不満!?」
後ろ手に手を振って高坂と東雲が教室から出ていく。その後ろ姿を凪沙が目で追っていた。
誰が欲求不満だよ!別に欲求不満じゃないし!
凪沙を抱きしめてるだけでも満足してるから!キスはもっとしたいとは思っているけど……
あれ?キスは欲求に入るのか?
………どっちでも良いか。
とりあえず、今はやっと凪沙と2人きりになれた教室でやる事と言ったら……
私の腕の中にいる凪沙の顎を手でそっと上向かせ唇を寄せた。
ペチッ
「あいたっ」
おでこに衝撃が走る。
衝撃というほどの威力はないが不意な打撃は寄せていた唇を離すには十分な威力があった。
目を開くと目の前で私を叩いた手のひらをこちらに向けたまま頬を膨らませ睨みつけている凪沙がいた。
今、こんなこと思うと怒られそうだがそういう表情も可愛い。うん
「なんで笑ってるの!?」
「え?いや、笑ってないよ?」
凪沙が可愛かったからか、勝手に表情が緩んでしまったらしい……
ムッとした様子の凪沙には悪いけれど、そういう表情も可愛いから。凪沙が可愛いのがいけないと思う。
久しぶりの会話だし嬉しくて表情のコントロールが効かないんだろう。
「私怒ってるんだからねっ!?」
「う、うん。わかってる……よ?」
“ねっ“っていう語尾に怖さの感じられない語気。怒ってるみたいだけど、怒られている感じが全くない。凪沙は怒るの向いてないタイプだ。
ペチッぺチッ
「いたっいたっ!」
「その表情。わかってないでしょ!」
凪沙が私のおでこを叩いてくる。
叩かれる音でわかる通り、軽く叩く程度なので全く痛くない。
「わかってるよぉ。わかってる」
「わかってない!全然わかってない!すっごい笑顔だし、全然離してくれないし、この手は何?」
いつの間にか手が勝手に凪沙の頬を撫でていき、優しく上を向かせて凪沙と視線を合わせる。
パチッと視線が合うと凪沙の頬が染まっていく、徐々に視界いっぱいに凪沙が広がっていく。
「んぐっ」
目を開くと眉間に皺を寄せて口元を引き結んだ凪沙が私の口を手で押さえていた。
あれ?絶対そういう流れだと思ったんだけど……
“もー“と言いながら凪沙が私の腕から逃れて離れていく。
「凪沙だって……森にチョコあげてるのに私にはくれなかったじゃん(ボソッ)」
私が呟いた言葉が凪沙に届いたみたいで、振り向いた凪沙が目を少し大きくした。
あ、失敗した。
怒られたからって拗ねているような子供みたいじゃないか。先に謝るべきだし、自分の欲求よりも先に言わなければいけないことだった。
「い、今のはちがっ……」
「ごめんね。涼ちゃん……朝、本当は涼ちゃんにチョコあげようと思ってたんだけど、いろんな子からチョコを貰ってるのを見ちゃって渡せなかったの」
「そう、なの?」
「嬉しそうにチョコを貰ってるの見ちゃったし、チョコを渡してる女の子に紛れて私もチョコを渡した時、数多くいる涼ちゃんが好きな女の子の1人になっちゃうなって……」
慌てたように凪沙が顔を赤くして手をぱたぱたと振った。
「た、確かに涼ちゃんの事が好きな1人なんだけどっ!その、なんていうか……」
私はぱたぱたと振られていた凪沙の手を握った。
「そ、それって……や、やきもち?」
凪沙の顔を覗きこむと赤らめた顔が困ったように見上げてきた。
「だ、だって……あんなに嬉しそうに……」
「違うよ。いろんな女の子からもらえて嬉しかったわけじゃないよ。勝負があったから嬉しかっただけで……そりゃ、好かれて嫌だとは思わないしありがたいけど、いろんな女の子から沢山もらうチョコより凪沙のチョコ一つの方がずっとずっと嬉しいよ」
モニョモニョと口元が動いて私から視線を逸らした。
凪沙からのヤキモチが嬉しすぎる……どんなに高い高級チョコだろうがすごく美味しいチョコだろうが貰っても凪沙のチョコ以上の価値なんて全くないって。可愛いなぁっ!
凪沙がチラチラと困り顔で私を見てくる。
キスしたいキスしたいキスしたいキスしたい
落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け
私のうちなる欲望が出てくるのをなんとか抑えつける。
「凪沙。今日はごめん。もうこんな勝負しないから」
「うん……」
こんな勝負を引き受けてしまったがために凪沙と数日イチャイチャがなくなるのはもうごめんだ。
だから凪沙のチョコ貰ってもいいかな
「だから凪沙とキスしたい」
あ、間違えた。
「本当に反省してる!?!?」
また凪沙がムスッと眉間に皺を寄せた。
私はやっぱり欲求不満なのかもしれない。
あと数センチで触れ合えるというところでストップをかけられた。
久しぶりの触れ合いに水を刺されたけど、私はそのまま軽く凪沙の唇に触れてから高坂を睨みつける。
「ん……」
「お、おい!!待てって言っただろっ」
「大胆ですね」
凪沙が唇を手で隠して顔がさっきよりも赤く染まっていく。
「空気読んでよ」
「いやいやいや!なんであたしが怒られるんだよっ」
「じゃあ、空気を読んでください」
軽く頭も下げておくが、高坂が少し赤らめた頬で視線をキョロキョロと動かした。
「お願いされても目の前で、き、き、、キスとかされるのはちょっと……それにここ学校だから場所を考えろよ」
「学校でキスくらい誰でもしてるでしょ」
「してねぇーよ!!」
キッと睨まれる。
学生カップルなんて学校でキスくらい普通だと思うんだけどなぁ。
抱きしめたままでいた凪沙がモゾモゾと動いて、赤く染まった頬のまま私を見上げてくる。
「涼ちゃん流石にこれ以上はダメだよ?」
凪沙にもストップをかけられてしまった。
正直私はまだ物足りない。でも、高坂もうるさいしこれ以上はできないだろうけど、抱きしめているだけならまだ良いかと思ってぎゅっと凪沙を強く抱きしめた。
ついでに凪沙にバレない程度に匂いも堪能しておこう。
「ちさき。そろそろ帰ろ」
「そうだな。勝負も無くなったことだし帰るか。全く一体なんだったんだよ」
高坂と東雲がカバンを持って教室の入口に向かい出す。
「あ!私もかえ……」
「凪沙はそいつの相手してやりなよ。欲求不満みたいだからさ」
「よっ、欲求不満!?」
後ろ手に手を振って高坂と東雲が教室から出ていく。その後ろ姿を凪沙が目で追っていた。
誰が欲求不満だよ!別に欲求不満じゃないし!
凪沙を抱きしめてるだけでも満足してるから!キスはもっとしたいとは思っているけど……
あれ?キスは欲求に入るのか?
………どっちでも良いか。
とりあえず、今はやっと凪沙と2人きりになれた教室でやる事と言ったら……
私の腕の中にいる凪沙の顎を手でそっと上向かせ唇を寄せた。
ペチッ
「あいたっ」
おでこに衝撃が走る。
衝撃というほどの威力はないが不意な打撃は寄せていた唇を離すには十分な威力があった。
目を開くと目の前で私を叩いた手のひらをこちらに向けたまま頬を膨らませ睨みつけている凪沙がいた。
今、こんなこと思うと怒られそうだがそういう表情も可愛い。うん
「なんで笑ってるの!?」
「え?いや、笑ってないよ?」
凪沙が可愛かったからか、勝手に表情が緩んでしまったらしい……
ムッとした様子の凪沙には悪いけれど、そういう表情も可愛いから。凪沙が可愛いのがいけないと思う。
久しぶりの会話だし嬉しくて表情のコントロールが効かないんだろう。
「私怒ってるんだからねっ!?」
「う、うん。わかってる……よ?」
“ねっ“っていう語尾に怖さの感じられない語気。怒ってるみたいだけど、怒られている感じが全くない。凪沙は怒るの向いてないタイプだ。
ペチッぺチッ
「いたっいたっ!」
「その表情。わかってないでしょ!」
凪沙が私のおでこを叩いてくる。
叩かれる音でわかる通り、軽く叩く程度なので全く痛くない。
「わかってるよぉ。わかってる」
「わかってない!全然わかってない!すっごい笑顔だし、全然離してくれないし、この手は何?」
いつの間にか手が勝手に凪沙の頬を撫でていき、優しく上を向かせて凪沙と視線を合わせる。
パチッと視線が合うと凪沙の頬が染まっていく、徐々に視界いっぱいに凪沙が広がっていく。
「んぐっ」
目を開くと眉間に皺を寄せて口元を引き結んだ凪沙が私の口を手で押さえていた。
あれ?絶対そういう流れだと思ったんだけど……
“もー“と言いながら凪沙が私の腕から逃れて離れていく。
「凪沙だって……森にチョコあげてるのに私にはくれなかったじゃん(ボソッ)」
私が呟いた言葉が凪沙に届いたみたいで、振り向いた凪沙が目を少し大きくした。
あ、失敗した。
怒られたからって拗ねているような子供みたいじゃないか。先に謝るべきだし、自分の欲求よりも先に言わなければいけないことだった。
「い、今のはちがっ……」
「ごめんね。涼ちゃん……朝、本当は涼ちゃんにチョコあげようと思ってたんだけど、いろんな子からチョコを貰ってるのを見ちゃって渡せなかったの」
「そう、なの?」
「嬉しそうにチョコを貰ってるの見ちゃったし、チョコを渡してる女の子に紛れて私もチョコを渡した時、数多くいる涼ちゃんが好きな女の子の1人になっちゃうなって……」
慌てたように凪沙が顔を赤くして手をぱたぱたと振った。
「た、確かに涼ちゃんの事が好きな1人なんだけどっ!その、なんていうか……」
私はぱたぱたと振られていた凪沙の手を握った。
「そ、それって……や、やきもち?」
凪沙の顔を覗きこむと赤らめた顔が困ったように見上げてきた。
「だ、だって……あんなに嬉しそうに……」
「違うよ。いろんな女の子からもらえて嬉しかったわけじゃないよ。勝負があったから嬉しかっただけで……そりゃ、好かれて嫌だとは思わないしありがたいけど、いろんな女の子から沢山もらうチョコより凪沙のチョコ一つの方がずっとずっと嬉しいよ」
モニョモニョと口元が動いて私から視線を逸らした。
凪沙からのヤキモチが嬉しすぎる……どんなに高い高級チョコだろうがすごく美味しいチョコだろうが貰っても凪沙のチョコ以上の価値なんて全くないって。可愛いなぁっ!
凪沙がチラチラと困り顔で私を見てくる。
キスしたいキスしたいキスしたいキスしたい
落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け
私のうちなる欲望が出てくるのをなんとか抑えつける。
「凪沙。今日はごめん。もうこんな勝負しないから」
「うん……」
こんな勝負を引き受けてしまったがために凪沙と数日イチャイチャがなくなるのはもうごめんだ。
だから凪沙のチョコ貰ってもいいかな
「だから凪沙とキスしたい」
あ、間違えた。
「本当に反省してる!?!?」
また凪沙がムスッと眉間に皺を寄せた。
私はやっぱり欲求不満なのかもしれない。
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