16 / 16
十六
しおりを挟む
うーん。
「どうした?楽しみだったんだろう?」
メルージュはこの期に及んでまだ首を傾げている。
天候にも恵まれ、幸先が良いこの日にメルージュは、流行色の花嫁衣装を着ていた。
目の前には、ガールック。
びしっと色を合わせた新郎衣装に身を包んでいる。
「楽しみ?」
「『結婚式が待ち遠しいですぅ』」
メルージュの口調を真似たつもりだろうが、似てない。
馬鹿にされたのだとブーケを顔に叩きつけた。
「帰る」
「おい」
しっかり手首を握りしめられた。
「店舗売上勝負の結果だ。観念しろ」
「だからって…なんで結婚なのよ」
メルージュはカブラスで懲りた。
商会長職はガールックが引き継げば、メルージュはどこかの店を与えられたらそれでよかった。
独身を貫き、仕事の鬼になると決めたのだ。
「こうでもしないと手に入らないからな」
「なんか言った?」
「勝負に勝った方の言うことを聞くって言ったよな?まさか逃げるのか?」
実に腹立たしい。
売上勝負も僅差だった。
それ故に腹立たしい。
「誰が逃げるものですか。次の決算で勝負よ。私が勝ったら離婚だから」
「おいおい…」
ガールックは片手で顔を覆う。
「まぁ、これも経験ね。これが商売の糧になるのなら、客寄せパンダにでもなってやろうじゃない」
「逞しいねぇ。俺の奥さんは」
「まだ嫁じゃないわよ」
「はいはい」
ガールックに叩きつけたブーケを手渡され、腕を差し出された。
その腕を手を絡め、周りの祝福を受けながら、誓いを立てる神前でもメルージュの考えていることといえば、売掛金の事だった。
「どうした?楽しみだったんだろう?」
メルージュはこの期に及んでまだ首を傾げている。
天候にも恵まれ、幸先が良いこの日にメルージュは、流行色の花嫁衣装を着ていた。
目の前には、ガールック。
びしっと色を合わせた新郎衣装に身を包んでいる。
「楽しみ?」
「『結婚式が待ち遠しいですぅ』」
メルージュの口調を真似たつもりだろうが、似てない。
馬鹿にされたのだとブーケを顔に叩きつけた。
「帰る」
「おい」
しっかり手首を握りしめられた。
「店舗売上勝負の結果だ。観念しろ」
「だからって…なんで結婚なのよ」
メルージュはカブラスで懲りた。
商会長職はガールックが引き継げば、メルージュはどこかの店を与えられたらそれでよかった。
独身を貫き、仕事の鬼になると決めたのだ。
「こうでもしないと手に入らないからな」
「なんか言った?」
「勝負に勝った方の言うことを聞くって言ったよな?まさか逃げるのか?」
実に腹立たしい。
売上勝負も僅差だった。
それ故に腹立たしい。
「誰が逃げるものですか。次の決算で勝負よ。私が勝ったら離婚だから」
「おいおい…」
ガールックは片手で顔を覆う。
「まぁ、これも経験ね。これが商売の糧になるのなら、客寄せパンダにでもなってやろうじゃない」
「逞しいねぇ。俺の奥さんは」
「まだ嫁じゃないわよ」
「はいはい」
ガールックに叩きつけたブーケを手渡され、腕を差し出された。
その腕を手を絡め、周りの祝福を受けながら、誓いを立てる神前でもメルージュの考えていることといえば、売掛金の事だった。
300
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢のひとりごと
鬼ヶ咲あちたん
ファンタジー
城下町へ視察にいった王太子シメオンは、食堂の看板娘コレットがひたむきに働く姿に目を奪われる。それ以来、事あるごとに婚約者である公爵令嬢ロザリーを貶すようになった。「君はもっとコレットを見習ったほうがいい」そんな日々にうんざりしたロザリーのひとりごと。
冷たかった夫が別人のように豹変した
京佳
恋愛
常に無表情で表情を崩さない事で有名な公爵子息ジョゼフと政略結婚で結ばれた妻ケイティ。義務的に初夜を終わらせたジョゼフはその後ケイティに触れる事は無くなった。自分に無関心なジョゼフとの結婚生活に寂しさと不満を感じながらも簡単に離縁出来ないしがらみにケイティは全てを諦めていた。そんなある時、公爵家の裏庭に弱った雄猫が迷い込みケイティはその猫を保護して飼うことにした。
ざまぁ。ゆるゆる設定
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる