婚約破棄、ですか。此方はかまいませんよ、此方は

基本二度寝

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「…というわけで、アルゼンはニドリアラ様との婚約を望まない、と。卒業の式典で宣言しました。
参加貴族達の証言も取れるかと」

「…そうか」
「まぁ、好きな子ができたのなら仕方ないわね」

貴族学園卒業の会場から真っ直ぐ王城に向かった第一王子グレアンは公女ニドリアラを伴い、国王へ面会を申し入れた。
すでに決られた立太子の儀式の前日。

国王も王妃も可愛がっていた第二王子のアルゼンを王太子にと推していた。
けれど、アルゼン本人が公女との婚約を拒否したのならば彼らは素直にそれを受け入れるだろう。

そういった意味でも彼らはアルゼンに甘い。

「ニドリアラ公女よ。婚姻の相手はグレアンに決定するがそれでも構わないだろうか?」

「ええ。もちろんです。…我が公国が宣告した通り、『私を妃に持つ者を国王に』という条項は果たされますよう」

「それが公国からの条件だったな。グレアン、頼むぞ」

「よろしくね。グレアン」

国王夫婦はアルゼンを可愛がっていたが、グレアンを冷遇したことはない。
グレアンもアルゼンと同様の帝王教育を施されているし、公国からの支援の条件に差し出された公女の護衛を務めたいと願ったグレアンの希望を叶えもした。


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