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四
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「貴国には吸血鬼でもいるのか」
国王が隣国にレイシアの血を求めた。
それに対する返事がそれだ。
今までうまく周りには隠していたが、息子の病気を告白し、乞うた。
息子の血と合うのが、レイシアしかいないのだと。
後日、少量の血液サンプルと、詳細情報が送られてきた。
レイシアは珍しくもない、一般的な血液の型である。
王女に対する不当な扱いに抗議する、と回答があった。
「…偽物をよこしたか」
レイシアの血が一般的なもののはずがなかった。
息子と同じ希少な彼女の血を与えてから、息子は元気になった。
「いえ、どうやらサンプルもこちらの血液分析の結果も一致しています」
宰相がそれを否定した。
「偽者の血だ」
「城に残る僅かなレイシア様の血液の在庫と比較しました。遺伝子情報は一致しており、間違いなくレイシア様の血液です」
「どういうことだ」
「わかりませんが、何らかの理由でレイシア様の血液に変化があったとしか…」
「…王妃には、聞かせられないな」
分析が事実なら、もうレイシアの血に意味はない。
王妃はずっと寝たきりの息子の側について励ましている。
なんの因果か、不健康そうな病人のように青白い顔をした令嬢を貶めていた息子自身がそのようになってしまっている。
息子はレイシアの名を呼び続け、謝罪を繰り返している。
王妃はずっとレイシアへの恨み言を吐き続けている。
国王は国の存続の為に決断せねばならぬ。
レイシアが城を出たと聞いてから密かに国王は女を囲った。
王妃の目が息子に移ってしまったからできたこと。
後継者を残す為に必要なことだと国王は割り切っている。
周囲も止めなかった。
王太子は、婚約破棄を告げレイシアを追放した時にその運命は決まってしまったのだった。
国王が隣国にレイシアの血を求めた。
それに対する返事がそれだ。
今までうまく周りには隠していたが、息子の病気を告白し、乞うた。
息子の血と合うのが、レイシアしかいないのだと。
後日、少量の血液サンプルと、詳細情報が送られてきた。
レイシアは珍しくもない、一般的な血液の型である。
王女に対する不当な扱いに抗議する、と回答があった。
「…偽物をよこしたか」
レイシアの血が一般的なもののはずがなかった。
息子と同じ希少な彼女の血を与えてから、息子は元気になった。
「いえ、どうやらサンプルもこちらの血液分析の結果も一致しています」
宰相がそれを否定した。
「偽者の血だ」
「城に残る僅かなレイシア様の血液の在庫と比較しました。遺伝子情報は一致しており、間違いなくレイシア様の血液です」
「どういうことだ」
「わかりませんが、何らかの理由でレイシア様の血液に変化があったとしか…」
「…王妃には、聞かせられないな」
分析が事実なら、もうレイシアの血に意味はない。
王妃はずっと寝たきりの息子の側について励ましている。
なんの因果か、不健康そうな病人のように青白い顔をした令嬢を貶めていた息子自身がそのようになってしまっている。
息子はレイシアの名を呼び続け、謝罪を繰り返している。
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レイシアが城を出たと聞いてから密かに国王は女を囲った。
王妃の目が息子に移ってしまったからできたこと。
後継者を残す為に必要なことだと国王は割り切っている。
周囲も止めなかった。
王太子は、婚約破棄を告げレイシアを追放した時にその運命は決まってしまったのだった。
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