悪女は婚約解消を狙う

基本二度寝

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九 小話(悪女)

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『もぉ!なんで私が殺されなきゃなんないのよ!』
『まぁまぁ』
『貴方は何でそんなに落ち着いてるのよ!いわば巻き添えよ!』
『ええっと…まだ実感がわかないと言うか』
『…ぼんやりしてるわね。貴方。男爵家の…ソール様だったかしら』
『!俺のこと知ってるんですか』
『?一度話をしたことがあるでしょう?』
『…モブだって自覚してたので…ララージャ様に知られていたことへの衝撃が…』
『何言ってるのよ。あなたの人生の主役はあなたでしょう?モブってなによ』
『ララージャ様…』

ーーー
『あの侯爵子息に復讐するまで逝かないから』
『そうですか』
『ソール様はどうぞお先に』
『いえ、付き合いますよ。それに俺に敬称など不要です』
『そう?なら私も要らないわ。もう死んでるのだし爵位にとらわれる必要ないもの』

ーーー
『アイツの枕元に立って毎晩怖がらせてやろうかしら』
『やめたほうがいいですよ』
『ソール。止めないでよ』
『そうではなくて、死んでまで会いに来たと相手を喜ばせそうなので』
『…そうなの?』
『ララージャが他の誰かと結ばれることを嫌がるほど好かれていた自覚は?恐れるどころか、喜んで歓迎されますよ』
『…えぇー喜ばせるなんて絶対に嫌なんだけど』

ーーー
『…』
『…大丈夫ですか』
『…』
『ララージャが亡くなって残念に思う人は多いのですよ』
『…でも』
『そうですね…ご家族があんなに参列者に手を焼いておられるのを見るのは辛いですね』
『…私って死んでも家族に迷惑かけるのね…』

ーーー
『兄様の子が生まれたの』
『愛らしいですね、あ、ほら』
『…私達が見えてるの?』
『一生懸命手を伸ばしてますね』
『…可愛い』
『ええ』

ーーー
『ヒルデ。無闇矢鱈に愛想を振りまいてはだめよ』
『ララージャ?』
「あーう?」
『笑顔はとっておきの武器なの。大事な人にだけ見せたほうがいいわ。私みたいに誰彼に見せるものではなかったのよ』
『ララージャ…』(頭なでなで)

ーーー
『…アイツの息子がヒルデの婚約者になったの』
『なんの因果でしょうね』
『ヒルデ、全然幸せそうじゃない』
『…相手と会うのが辛そうですしね』
『絶対に婚約解消させるから』
『では、作戦を練りましょう』
『力を貸してくれるの?』
『当然。俺だってヒルデが可愛いし、ララの望みなら』
『ソル…』

ーーー
ーーー
ーーー
『ヒルデの婚約も解消できたし、新しい相手も見つかった。
アイツへの復讐もできた』
『想像以上にダメージ受けてましたね。俺らがいちゃついているのをだけなのに』
『ソル、もう少し付き合ってくれる?』
『いいですよ。逝く時は一緒です』
『アイツの側でしばらくイチャイチャしよ』
『アイツの側じゃなくてもしたいですけど』
『!』



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