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1章 無色透明な習作
18勇者の伝記7 四天王ドゥトゥーを倒せ
しおりを挟む何者かに引きずり込まれた私は毒水とそいつの長い体に締め付けられピンチに陥っていた。
「ドゥフフフ、あそこでエント共に殺されていればよかったものを。奴らの様にわざわざ苦しみ抜いて死ぬ方を選ぶとはな」
「奴ら?お前が四天王か!」
「ドゥフ、そうだとも。我が名はドゥトゥー。貴様もこの体を飾る装飾品にしてくれるわ」
毒水に蠢くウナギかナマズの様な姿をした四天王ドゥトゥー。その長い体は瘤や突起だらけだったが、それらはよく
見ると剣や槍、盾や鎧の一部がその体に刺さっているのだった。
その上ドゥトゥ―の体は長いだけでなく幅も相当なもので私の体の2倍以上あった.
その為掴んで締め殺すという力技も出来ない。
その時岩や木が轟音を立てて、湖に投げ入れられた。
その岩や木は爆弾みたいに破裂して水柱を立てて湖を揺るがした
後でリューネとガースが語ったところによるとこんな話らしい。
『勇者様が引きずり込まれたわ!ガースあなた従者でしょう?主人を助けなくていいの?』
だがガースは
『無茶いうな。魔法も武術もからっきしの俺に出来る訳が』
『なら筋力強化の魔法をかけるから何でも投げ込みなさいよ。私も手伝うから』
そう言うと『パワード』の魔法でガースを力持ちにするとガースはその辺の岩や木を投げ込む。
すかさずリューネが『ボンムブ』の魔法を唱え、それらを破裂、爆発させる。
『おい、お前こそご主人を殺しかねないことするなよ』
『平気よ。あのイーワンの光線を耐えた方だもの。このくらい平気なはず。多分』
だがこの二人の作戦もドゥトゥ―にはまるで効かなかった。
むしろ毒水が周囲に飛び散り、草木や岩まで腐食し始める始末であった。
だが爆発の気泡は窒息しかけていた私に空気を供給してくれ、そのおかげである疑問が浮かんだのであった。
(こいつ、毒水の中で何で生きていけるんだ?それにこの能力があるなら別に水源をせき止める必要もない。毒を流せばいいだけだからな。…まさかコイツきれいな水に住めないのか?地球では鯉などの一部の魚は汚い水でも住める種がいるが、こいつは逆にきれいな水には適応できないのかもしれない)
そう考えると私は怪物の体に刺さっているある剣を掴むと
「照らせ、浄化の光!ライトニング・プリフィケーション!!」
途端剣が眩い輝きを放ち、湖の毒素をきれいさっぱり消し去る。
「魚おおおおおおおオオオ、バカなあああ!!!」
ドゥトゥーは白骨化してバラバラになりながら水底深くに落ちていった。
私は掴んでいた剣と状態が最も良いと思われる盾を持って陸に上がったのだった。
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