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合流
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「早く! センサーは門のすぐ外よ、まだ遠くへは行ってないはず……探して! 親子部門の門番は一体何をしているの!?」
美帆の声をイヤホンで確認しながら、遥は歩く。
「あ、あの……親子部門担当は、私たちですが」
最初に美帆の部屋のドアを叩いた女性二人が、キョトンとした顔で美帆を見る。
「はあ!? あんたたちの管轄から脱走者が出たのよ? 知らせに来るくらいなら自分たちで探しなさいよ! そもそもあんたたち、門番のくせに何をしていたの!?」
「居なくなったのは、ザラムの集いに選ばれた三十六人では、ないのですか?」
「は? なに言って——」
「だってこれ……」
【儀式の信者が脱走。内密に美帆様に連絡を】
差し出されたメモを確認すると、美帆はそれを奪い取って握りつぶした。
ふるふると震える身体。その怒りの全てを口へと集めて、一気に吐き出す。
「そっちの儀式じゃねーんだよ!!」
美帆の怒号に怖気付いた女性たちは平謝りだ。美帆は浅い呼吸を繰り返しながら、イヤホンに触れる。
「……お前、謀ったな。菊田親子はどうした」
「あなたが門を開ける直前までは里にいましたよ。たか絵さんの胸の発信機は、里の中から門の外に投げただけ。あなたが門を開けてくれて助かりました。外に出ることさえ出来れば、保護してもらえる段取りは組んでいたので」
遥は歩みを止めずに話を続ける。
自分はもう里の中には居ないような言い方をしたが、実際はまだ里の中だ。
「もういい。松永涼子を今すぐ殺す」
遥は通信機を切り、ゴミ箱に放り投げた。
同時、目一杯に息を吸い込む。
「涼子さーん! どこですかー? あれ、こっちじゃないのかな。あ、ここか!」
勢いよく扉を開けた。
美帆や拘束された涼子、その他何人もの里の信者が一斉に遥を見た。
「あれ……ごめんなさい、間違えましたー」
遥が踵を返すと、美帆に顎で指示された信者が遥を捕らえる。
「あんた、松永涼子と一緒に入会した同居人だね」
“同居人”という言葉に遥は引っかかったが、追求はしない。
「あのぅ、これって一体……私、銀バッジをもらう方法が知りたくて。涼子さんなら、幹部に配属されたから何か知ってるかなあって思って。あの、私って里を出されちゃいますか?」
美帆は遥を見つめると、興味なさそうにそっぽを向く。通信機器をいじるも、使えないことがわかると床に投げつけた。
(流石に、これは主にバレたらやばい)
美帆は幾分冷静さを取り戻した様子で、凉子をジトっと睨みつける。
「警察は何を目的にあんたをここに寄越したの? 菊田たか絵って何者?」
美帆の問いに、涼子は間を開けずに口を開いた。
「たか絵さんのご主人の晃さんが、たか絵さんを助けたいって警察に依頼したの。元々たか絵さんと知り合いだったあたしは潜入捜査を依頼された。あたしの実家を鑑みて、幹部部門に配属されると見越してのことよ。そして、目論見通り幹部部門に通されたあたしは、あなたとの会食でこの里が怖くなった。だから辞退を申し出たの。すると警察はそれを認めてくれて、ほとぼりが覚めたら適当な理由でフェードアウトすればいいって。幸い、あなたは私が里を自由に出入りすることを許可してくれていたし、問題ないと思ったわ。だから必要のなくなった通信機を外していたの」
実際はただ寝苦しくて通信機を外していただけの涼子。
「自分が人を殺したことがあるなんて言い出したのは、なんで?」
「それはあたしにもわからない。でも、そう言えばあなたの関心が得られるだろうって。そう警察の人に言われたのよ」
遥は涼子の話を横目で聴きながら、上手い、と感心する。
美帆は涼子と遥を交互に見ると、突然何かを思いついたように表情を明るくした。
「……いいこと考えた。あんたたち、永遠になりなさい」
美帆の声をイヤホンで確認しながら、遥は歩く。
「あ、あの……親子部門担当は、私たちですが」
最初に美帆の部屋のドアを叩いた女性二人が、キョトンとした顔で美帆を見る。
「はあ!? あんたたちの管轄から脱走者が出たのよ? 知らせに来るくらいなら自分たちで探しなさいよ! そもそもあんたたち、門番のくせに何をしていたの!?」
「居なくなったのは、ザラムの集いに選ばれた三十六人では、ないのですか?」
「は? なに言って——」
「だってこれ……」
【儀式の信者が脱走。内密に美帆様に連絡を】
差し出されたメモを確認すると、美帆はそれを奪い取って握りつぶした。
ふるふると震える身体。その怒りの全てを口へと集めて、一気に吐き出す。
「そっちの儀式じゃねーんだよ!!」
美帆の怒号に怖気付いた女性たちは平謝りだ。美帆は浅い呼吸を繰り返しながら、イヤホンに触れる。
「……お前、謀ったな。菊田親子はどうした」
「あなたが門を開ける直前までは里にいましたよ。たか絵さんの胸の発信機は、里の中から門の外に投げただけ。あなたが門を開けてくれて助かりました。外に出ることさえ出来れば、保護してもらえる段取りは組んでいたので」
遥は歩みを止めずに話を続ける。
自分はもう里の中には居ないような言い方をしたが、実際はまだ里の中だ。
「もういい。松永涼子を今すぐ殺す」
遥は通信機を切り、ゴミ箱に放り投げた。
同時、目一杯に息を吸い込む。
「涼子さーん! どこですかー? あれ、こっちじゃないのかな。あ、ここか!」
勢いよく扉を開けた。
美帆や拘束された涼子、その他何人もの里の信者が一斉に遥を見た。
「あれ……ごめんなさい、間違えましたー」
遥が踵を返すと、美帆に顎で指示された信者が遥を捕らえる。
「あんた、松永涼子と一緒に入会した同居人だね」
“同居人”という言葉に遥は引っかかったが、追求はしない。
「あのぅ、これって一体……私、銀バッジをもらう方法が知りたくて。涼子さんなら、幹部に配属されたから何か知ってるかなあって思って。あの、私って里を出されちゃいますか?」
美帆は遥を見つめると、興味なさそうにそっぽを向く。通信機器をいじるも、使えないことがわかると床に投げつけた。
(流石に、これは主にバレたらやばい)
美帆は幾分冷静さを取り戻した様子で、凉子をジトっと睨みつける。
「警察は何を目的にあんたをここに寄越したの? 菊田たか絵って何者?」
美帆の問いに、涼子は間を開けずに口を開いた。
「たか絵さんのご主人の晃さんが、たか絵さんを助けたいって警察に依頼したの。元々たか絵さんと知り合いだったあたしは潜入捜査を依頼された。あたしの実家を鑑みて、幹部部門に配属されると見越してのことよ。そして、目論見通り幹部部門に通されたあたしは、あなたとの会食でこの里が怖くなった。だから辞退を申し出たの。すると警察はそれを認めてくれて、ほとぼりが覚めたら適当な理由でフェードアウトすればいいって。幸い、あなたは私が里を自由に出入りすることを許可してくれていたし、問題ないと思ったわ。だから必要のなくなった通信機を外していたの」
実際はただ寝苦しくて通信機を外していただけの涼子。
「自分が人を殺したことがあるなんて言い出したのは、なんで?」
「それはあたしにもわからない。でも、そう言えばあなたの関心が得られるだろうって。そう警察の人に言われたのよ」
遥は涼子の話を横目で聴きながら、上手い、と感心する。
美帆は涼子と遥を交互に見ると、突然何かを思いついたように表情を明るくした。
「……いいこと考えた。あんたたち、永遠になりなさい」
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