41 / 55
41
しおりを挟む
一瞬の静寂。それを高笑いで破ったのは女だった。
「おっかしい。私が陽子じゃない? 東伍、小中高と私の卒業アルバム見せましょうか? 私の顔の下には、しっかりと小林陽子って名前が刻まれてるわよ」
「得意料理はなんだ」
「……は?」
「生クリームは好きか? ファミレスで俺が頼む定番メニューを言ってみろ。陽子が頼むメニューはなんだ? 言えるのか?」
「なんなの、急に」
戸惑いの笑みを浮かべる女に、東伍は畳み掛ける。
「答えられないよな。なぜなら俺は陽子とファミレスに行ったことはあっても、お前と行ったことはない。お前の手作り料理を食べたことはないし、遊びに出かけた記憶ひとつ今の俺には存在しないんだ。この意味、分かるだろ?」
女はツンと顎を上げながら必死に笑顔を保っていた。
「お前は、陽子のガワを被った夏川千紗子。この薄気味悪いカプセルん中で目を瞑ってるのが本当のお前の姿だ、違うか」
東伍が示したカプセルには、まだ幼さの残る顔貌が目を閉じて入っている。小春や直幸同様、繋がれた管はサーバーらしき黒いボックスに繋がっていた。
夏川千紗子。そう呼ばれた女の顔から、笑顔が消える。女は鼻から深く息を吐くと、小瀬へと一歩近づいた。
「やっぱり、ちゃんと継続的に飲ませなきゃダメだったわ。だから私は反対だったのよ。あんな地下に東伍を閉じ込めて、案の定壊れちゃったじゃない。ソウ、どうしてくれるのよ」
「ま、待ってよヒナタ。これは研究に必要な過程だと何度も説明したじゃないか」
「口答えしないで!」
ばちん、と女の平手が小瀬の左頬を捉えた。小瀬は殴られた顔をすぐに女に向け、潤んだ瞳で謝罪を伝えると眉を下げる。
女は不快感を抑え込むように数回肩で息をすると、無理やりに口元に弧を描いて東伍に向き直した。
「東伍、すぐにサプリを飲みましょう。飲めば忘れる。元の東伍に戻れる。大体そんな事を言うのなら、私だって今のあなたと結婚したいわけじゃないわ。新しい方の東伍と結婚したいの。何もかも一からやり直しましょうよ。ね? 私、いくらでも付き合うから」
「お前……」
「東伍はね、特別なの。毒にも近い作用をもたらすゲノムの組み換えに耐えられた、希少な検体なのよ。鷹司泉のように、出生のバグで生み出された欠陥品じゃない。あなたは完璧なの。そう……代わりなんていらない。私はあなたが欲しいの。陽子が欲しがったよりずっと完璧な、水野東伍が」
一歩ずつ。女は東伍に歩み寄る。
その顔貌に重なるように、東伍の頭中の小林陽子が明るく笑った。
“水野くんは髪、黒くて長い方が好きでしょう?”
東伍が記憶に潜ったほんの一瞬。その隙に女の腕は、手のひらが東伍の頬に触れる寸前まで伸びていた。
その腕を回避するように、泉が咄嗟に東伍の腕を引く。
「水野くんに、近づかないで」
そう小さく発した泉の視線は、明らかな敵意を女に向けていた。女は泉を見下すと、反応する。
「水野、くん? 今あなた、東伍を水野くんって」
「千紗子、もうやめるの。もう十分でしょう?」
「まさか……あなた陽子なの? そうなんでしょ?! すごいわ、久しぶりじゃない!」
泉の顔をした陽子。その出現において、陽子の顔をした千紗子は歓喜を剥き出しにその場を飛び跳ねた。
「ねえ、みて。本当はね陽子、あなたに一番最初にこの姿を見せたかったのよ。すっかり綺麗になったでしょう? 大人になってから、脱毛とか、エステとか筋トレとか、努力は怠らなかった。おかげでほら、あの時のまま、私の好きな陽子が、朝起きたら毎日鏡に映っているの、こんな幸せなことってある?」
自分だけの世界に没入する千紗子は止まらない。
「ずっと伝えたかった、ずっと! どの検体に組み込んでも、陽子のゲノムは反応を見せずに検体が壊れしまって、絶望した。まあ、その度におこぼれを貰えるのは良かったんだけど、私はどうしても、もう一度あなたに会いたかったの。だから鷹司泉が人格分裂ゲノム、pasmontの適合者だと判明した時、藁にもすがる思いで陽子の人格データを組み込んだわ。まさか、成功していたなんて。嬉しい……こんなに嬉しい日はないわ。これから東伍を修理して、新しい陽子と泉。幸せに暮らしていける」
「ふざけないで!」
泉が叫ぶ。
「私や水野くん、それに研究に犠牲になった人たち皆、千紗子のおもちゃじゃないのよ? こんなメチャクチャなことして許されるわけない。あなたは昔から異常だった。私のその手に傷を付けたあの日から、ずっとよ!」
泉が示した陽子の手の甲には、薄黒くくすんだシミのような窪みがあった。
陽子はそれを一瞥すると、愛くるしく手の甲をさする。
「そうね。確かに。陽子と私の関係は、この傷から始まったのかもしれない。陽子が忘れられなくて、陽子を失いたくなくて。でもね、私って可哀想なのよ? 異常だなんて酷いこと言うけど、私がこうなったのは私のせいじゃない。だって仕方がないじゃない。元々は母が、人を狂わす異常者だったんだもの」
千紗子のこの発言で、東伍は小春との話を脳裏に馳せる。
「そうか……夏川昭彦だ。夏川千紗子の父親は、市議の夏川昭彦。つまりお前は、美和の娘なんだな」
東伍が発した美和の名に、恭一は目を見開く。そんな様子に構うことなく、千紗子は東伍の言葉を肯定した。
「可哀想なお母さま。本当なら今頃、母はそこに眠る鷹司直幸の妻、私はその娘として豊かな暮らしを保証されるはずだった。それなのに、川村美聖なんて一研究職員の妊娠で事態は見事にひっくり返っちゃってね。騙された挙句、鷹司の家を追い出されたお母さまは復讐の鬼になってしまった。でも考えてみて。これって当然の結果よね? お母さまはなにも悪くない」
「そんな道理は通らない。そもそもお前の母親は、父親が夏川昭彦であるにも関わらずお前が直幸さんの子供であると嘘をついた、追い出されて当然だろう」
強気な東伍を、女は鼻で笑う。
「東伍。あなたは人の気持ちってものがわかってない。初めから拒絶されるのと、一度受け入れられてから弾かれるのとでは全然意味が変わってくる」
「だとしても、それが人を殺していいってことにはならない」
「……殺した?」
急に熱を冷ました女は、勝ち誇ったように眉毛を上げた。
「一体、誰が誰を殺したというの?」
「白々しいな。美和が出産間近の美聖さんの点滴バッグに、何かを混入する映像を観た。お腹の中にいた鷹司泉は奇跡的に助かったが、美聖さんは亡くなっただろう。美和が殺したんだ」
「どうしてそんなことがわかるの?」
「だから映像を観たんだよ」
「それだけ? なら遺体は? 美聖さんの亡骸はどこにあるの?」
その物言いに、東伍は嫌悪感を表に出す。
「どういう意味だ」
「殺されたというには証拠がいるわ。映像が本物だとどう証明する? まあ、仮に警察が映像を受け入れてくれたとして、その犯人であるお母さまは今、どこにいらっしゃるのかしら」
「そんなもの、小瀬の病院を調べれば証拠なんていくらでも」
「旧なぎさ総合病院、今でいう小瀬メンタルクリニックはもう、跡形もないのよ」
「?!」
「東伍が地下でジンと仲良くしてる約十日、その間に全て潰して更地になったわ。あ、地下を掘ってみる? 話によれば、その部屋も消し炭になってしまったそうじゃない。ねえ、そう言っていたわよね? ジン」
未だ後ろ手を組んだまま、サングラスにマスク姿で仁王立ちの男。
男は女に声をかけられると、躊躇いもなく身に付けていた装飾品を剥ぎ取った。
薄い眉毛に青白い肌。皮の剥けた唇。そして、目の下の濃いクマ。
突然の再会に、東伍は警戒を深める。
「痩せた身体がずいぶん元に戻ったんじゃないか、ジン」
「そっちこそ。まあ、それでも昔に比べたらまだまだ、ヒョロいけどな」
ソウの後ろで、ジンが投げやりに笑った。
そのやりとりを眺めたあと、女は満足げに何度か頷く。
「考えてみて、生きるってなんだと思う? 同時に、死ぬとは何を定義する? 肉体が衰え、やがて骨が曲がり髪が抜け、脳が縮小……そんな残酷な未来を回避できる方法があるのだとしたら、使わない手はないでしょう? 今の私たちにはそれができるの。あなたと、そこにいる鷹司泉さえその気になれば、命はもっと、手軽になる」
女が語る中、東伍の視線は変わらずジンと噛み合っていた。
「おっかしい。私が陽子じゃない? 東伍、小中高と私の卒業アルバム見せましょうか? 私の顔の下には、しっかりと小林陽子って名前が刻まれてるわよ」
「得意料理はなんだ」
「……は?」
「生クリームは好きか? ファミレスで俺が頼む定番メニューを言ってみろ。陽子が頼むメニューはなんだ? 言えるのか?」
「なんなの、急に」
戸惑いの笑みを浮かべる女に、東伍は畳み掛ける。
「答えられないよな。なぜなら俺は陽子とファミレスに行ったことはあっても、お前と行ったことはない。お前の手作り料理を食べたことはないし、遊びに出かけた記憶ひとつ今の俺には存在しないんだ。この意味、分かるだろ?」
女はツンと顎を上げながら必死に笑顔を保っていた。
「お前は、陽子のガワを被った夏川千紗子。この薄気味悪いカプセルん中で目を瞑ってるのが本当のお前の姿だ、違うか」
東伍が示したカプセルには、まだ幼さの残る顔貌が目を閉じて入っている。小春や直幸同様、繋がれた管はサーバーらしき黒いボックスに繋がっていた。
夏川千紗子。そう呼ばれた女の顔から、笑顔が消える。女は鼻から深く息を吐くと、小瀬へと一歩近づいた。
「やっぱり、ちゃんと継続的に飲ませなきゃダメだったわ。だから私は反対だったのよ。あんな地下に東伍を閉じ込めて、案の定壊れちゃったじゃない。ソウ、どうしてくれるのよ」
「ま、待ってよヒナタ。これは研究に必要な過程だと何度も説明したじゃないか」
「口答えしないで!」
ばちん、と女の平手が小瀬の左頬を捉えた。小瀬は殴られた顔をすぐに女に向け、潤んだ瞳で謝罪を伝えると眉を下げる。
女は不快感を抑え込むように数回肩で息をすると、無理やりに口元に弧を描いて東伍に向き直した。
「東伍、すぐにサプリを飲みましょう。飲めば忘れる。元の東伍に戻れる。大体そんな事を言うのなら、私だって今のあなたと結婚したいわけじゃないわ。新しい方の東伍と結婚したいの。何もかも一からやり直しましょうよ。ね? 私、いくらでも付き合うから」
「お前……」
「東伍はね、特別なの。毒にも近い作用をもたらすゲノムの組み換えに耐えられた、希少な検体なのよ。鷹司泉のように、出生のバグで生み出された欠陥品じゃない。あなたは完璧なの。そう……代わりなんていらない。私はあなたが欲しいの。陽子が欲しがったよりずっと完璧な、水野東伍が」
一歩ずつ。女は東伍に歩み寄る。
その顔貌に重なるように、東伍の頭中の小林陽子が明るく笑った。
“水野くんは髪、黒くて長い方が好きでしょう?”
東伍が記憶に潜ったほんの一瞬。その隙に女の腕は、手のひらが東伍の頬に触れる寸前まで伸びていた。
その腕を回避するように、泉が咄嗟に東伍の腕を引く。
「水野くんに、近づかないで」
そう小さく発した泉の視線は、明らかな敵意を女に向けていた。女は泉を見下すと、反応する。
「水野、くん? 今あなた、東伍を水野くんって」
「千紗子、もうやめるの。もう十分でしょう?」
「まさか……あなた陽子なの? そうなんでしょ?! すごいわ、久しぶりじゃない!」
泉の顔をした陽子。その出現において、陽子の顔をした千紗子は歓喜を剥き出しにその場を飛び跳ねた。
「ねえ、みて。本当はね陽子、あなたに一番最初にこの姿を見せたかったのよ。すっかり綺麗になったでしょう? 大人になってから、脱毛とか、エステとか筋トレとか、努力は怠らなかった。おかげでほら、あの時のまま、私の好きな陽子が、朝起きたら毎日鏡に映っているの、こんな幸せなことってある?」
自分だけの世界に没入する千紗子は止まらない。
「ずっと伝えたかった、ずっと! どの検体に組み込んでも、陽子のゲノムは反応を見せずに検体が壊れしまって、絶望した。まあ、その度におこぼれを貰えるのは良かったんだけど、私はどうしても、もう一度あなたに会いたかったの。だから鷹司泉が人格分裂ゲノム、pasmontの適合者だと判明した時、藁にもすがる思いで陽子の人格データを組み込んだわ。まさか、成功していたなんて。嬉しい……こんなに嬉しい日はないわ。これから東伍を修理して、新しい陽子と泉。幸せに暮らしていける」
「ふざけないで!」
泉が叫ぶ。
「私や水野くん、それに研究に犠牲になった人たち皆、千紗子のおもちゃじゃないのよ? こんなメチャクチャなことして許されるわけない。あなたは昔から異常だった。私のその手に傷を付けたあの日から、ずっとよ!」
泉が示した陽子の手の甲には、薄黒くくすんだシミのような窪みがあった。
陽子はそれを一瞥すると、愛くるしく手の甲をさする。
「そうね。確かに。陽子と私の関係は、この傷から始まったのかもしれない。陽子が忘れられなくて、陽子を失いたくなくて。でもね、私って可哀想なのよ? 異常だなんて酷いこと言うけど、私がこうなったのは私のせいじゃない。だって仕方がないじゃない。元々は母が、人を狂わす異常者だったんだもの」
千紗子のこの発言で、東伍は小春との話を脳裏に馳せる。
「そうか……夏川昭彦だ。夏川千紗子の父親は、市議の夏川昭彦。つまりお前は、美和の娘なんだな」
東伍が発した美和の名に、恭一は目を見開く。そんな様子に構うことなく、千紗子は東伍の言葉を肯定した。
「可哀想なお母さま。本当なら今頃、母はそこに眠る鷹司直幸の妻、私はその娘として豊かな暮らしを保証されるはずだった。それなのに、川村美聖なんて一研究職員の妊娠で事態は見事にひっくり返っちゃってね。騙された挙句、鷹司の家を追い出されたお母さまは復讐の鬼になってしまった。でも考えてみて。これって当然の結果よね? お母さまはなにも悪くない」
「そんな道理は通らない。そもそもお前の母親は、父親が夏川昭彦であるにも関わらずお前が直幸さんの子供であると嘘をついた、追い出されて当然だろう」
強気な東伍を、女は鼻で笑う。
「東伍。あなたは人の気持ちってものがわかってない。初めから拒絶されるのと、一度受け入れられてから弾かれるのとでは全然意味が変わってくる」
「だとしても、それが人を殺していいってことにはならない」
「……殺した?」
急に熱を冷ました女は、勝ち誇ったように眉毛を上げた。
「一体、誰が誰を殺したというの?」
「白々しいな。美和が出産間近の美聖さんの点滴バッグに、何かを混入する映像を観た。お腹の中にいた鷹司泉は奇跡的に助かったが、美聖さんは亡くなっただろう。美和が殺したんだ」
「どうしてそんなことがわかるの?」
「だから映像を観たんだよ」
「それだけ? なら遺体は? 美聖さんの亡骸はどこにあるの?」
その物言いに、東伍は嫌悪感を表に出す。
「どういう意味だ」
「殺されたというには証拠がいるわ。映像が本物だとどう証明する? まあ、仮に警察が映像を受け入れてくれたとして、その犯人であるお母さまは今、どこにいらっしゃるのかしら」
「そんなもの、小瀬の病院を調べれば証拠なんていくらでも」
「旧なぎさ総合病院、今でいう小瀬メンタルクリニックはもう、跡形もないのよ」
「?!」
「東伍が地下でジンと仲良くしてる約十日、その間に全て潰して更地になったわ。あ、地下を掘ってみる? 話によれば、その部屋も消し炭になってしまったそうじゃない。ねえ、そう言っていたわよね? ジン」
未だ後ろ手を組んだまま、サングラスにマスク姿で仁王立ちの男。
男は女に声をかけられると、躊躇いもなく身に付けていた装飾品を剥ぎ取った。
薄い眉毛に青白い肌。皮の剥けた唇。そして、目の下の濃いクマ。
突然の再会に、東伍は警戒を深める。
「痩せた身体がずいぶん元に戻ったんじゃないか、ジン」
「そっちこそ。まあ、それでも昔に比べたらまだまだ、ヒョロいけどな」
ソウの後ろで、ジンが投げやりに笑った。
そのやりとりを眺めたあと、女は満足げに何度か頷く。
「考えてみて、生きるってなんだと思う? 同時に、死ぬとは何を定義する? 肉体が衰え、やがて骨が曲がり髪が抜け、脳が縮小……そんな残酷な未来を回避できる方法があるのだとしたら、使わない手はないでしょう? 今の私たちにはそれができるの。あなたと、そこにいる鷹司泉さえその気になれば、命はもっと、手軽になる」
女が語る中、東伍の視線は変わらずジンと噛み合っていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
寄生虫の復讐 ~美咲の冷徹な一刺し~
スカッと文庫
ミステリー
「お前みたいな寄生虫はゴミだ」
10年尽くした夫・雅也から突きつけられたのは、離婚届と不倫相手。
彼は知らない。私が家を飛び出した「サカモト・ホールディングス」の令嬢であることを。
そして明日、彼が人生を賭けて挑む調印式の相手が、私の実父であることを。
どん底に叩き落とされたサレ妻による、容赦なき「経済的破滅」の復讐劇。
【完結】限界離婚
仲 奈華 (nakanaka)
ミステリー
もう限界だ。
「離婚してください」
丸田広一は妻にそう告げた。妻は激怒し、言い争いになる。広一は頭に鈍器で殴られたような衝撃を受け床に倒れ伏せた。振り返るとそこには妻がいた。広一はそのまま意識を失った。
丸田広一の息子の嫁、鈴奈はもう耐える事ができなかった。体調を崩し病院へ行く。医師に告げられた言葉にショックを受け、夫に連絡しようとするが、SNSが既読にならず、電話も繋がらない。もう諦め離婚届だけを置いて実家に帰った。
丸田広一の妻、京香は手足の違和感を感じていた。自分が家族から嫌われている事は知っている。高齢な姑、離婚を仄めかす夫、可愛くない嫁、誰かが私を害そうとしている気がする。渡されていた離婚届に署名をして役所に提出した。もう私は自由の身だ。あの人の所へ向かった。
広一の母、文は途方にくれた。大事な物が無くなっていく。今日は通帳が無くなった。いくら探しても見つからない。まさかとは思うが最近様子が可笑しいあの女が盗んだのかもしれない。衰えた体を動かして、家の中を探し回った。
出張からかえってきた広一の息子、良は家につき愕然とした。信じていた安心できる場所がガラガラと崩れ落ちる。後始末に追われ、いなくなった妻の元へ向かう。妻に頭を下げて別れたくないと懇願した。
平和だった丸田家に襲い掛かる不幸。どんどん倒れる家族。
信じていた家族の形が崩れていく。
倒されたのは誰のせい?
倒れた達磨は再び起き上がる。
丸田家の危機と、それを克服するまでの物語。
丸田 広一…65歳。定年退職したばかり。
丸田 京香…66歳。半年前に退職した。
丸田 良…38歳。営業職。出張が多い。
丸田 鈴奈…33歳。
丸田 勇太…3歳。
丸田 文…82歳。専業主婦。
麗奈…広一が定期的に会っている女。
※7月13日初回完結
※7月14日深夜 忘れたはずの思い~エピローグまでを加筆修正して投稿しました。話数も増やしています。
※7月15日【裏】登場人物紹介追記しました。
2026年1月ジャンルを大衆文学→ミステリーに変更しています。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる