世間から外れていた俺はどうやら有名企業の社長令嬢の三つ子として転生したらしい。〜どうせやり直すなら記憶はいらないんですけど〜

陽風鹿乃

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親睦会

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「おじさまー豚とチーズ明太お願いします!」

おじさま呼びって存在したんだ…

「あいよ」

私達は全国チェーンとかではなく、街にあった個人営業のお好み焼き屋に入り、私以外の全員が振りまいているお嬢様スマイルで店主のおっちゃんの心を完全に掌握していた。
取り敢えず無難な所をオススメしてみたが、お嬢様育ちのこの子達にお好み焼きが合うかどうか、と言ったところだ

客は私達以外居ないので直ぐに生地がくる

「ところで嬢ちゃん達、お好み焼きは焼けんのか?女の子はこういう所あんま来ないだろ」

制服でお嬢様学校の所だってのは分かってるはずだ、なかなか良い大人の言葉選びですな店長

「えへへ~初めてなの分かりました?」

「そりゃあな」

何だろう…この空気に水をさすのも悪い気がしてきたぞ…私焼けるけどな…前世は化学式上はお好み焼きの何かを食べてお腹壊したっけ…いい思い出だ

でもまぁこちらの事はこちらでやるとしよう

「私焼けます」

「美春ちゃん焼けるの!?」

「まぁね」

「「すっごーい」」

こう見えて40歳以上の人生経験ありますからw

「んじゃ任せるかね。分かんねぇ事あったらすぐ呼べよ」

「分かりました!」

完全におっちゃんの目が孫を見るような目なのは気にしてはいけないのだろう、きっと同じぐらいのお孫さんがいて私達に投射してるんだ。査定したところ悪い人ではないから特に警戒はしないつもりだ。そんなことしてたらせっかくのお友達との食事が楽しめないしね

「ほれ、焼くぞー」

私は取り敢えず人数分になるように2つの生地を鉄板の上にのせていく

「美春って割と何でもできるよね」

と千尋が言ってくるこの子はみんなのまとめ役的な立場の子である。

「でも~オシャレとかには無頓着な感じだよね~?」

と、美代ちゃんこの子はのんびりとしていて言ってしまえば天然である。
他の由佳、湯葉、真希、未来も順に性格を説明すると
由佳と湯葉は取り敢えず明るくワイワイしている感じで
真希はしっかり者でまとめ役として由佳と湯葉を制御している千尋の事を補助している。
未来はちょっと暗く自分に自信がないと言った感じである


「確かにそれはあるね、髪の毛もボサボサだし」

やっぱり皆気にしてるのかな…いや~髪の毛のセットとか面倒臭いことこの上ないからさ、櫛とか一切入れてないんだよね

「面倒臭いじゃん、そんな暇あるならギリギリまで寝ていたい」

「お…女の子で…それはだめじゃないかな…」

未来にまで注意されてしまった

「そ、それよりそろそろ焼けるかな~」

「あ、話逸したー」

「うっさい!私はとにかく見た目にはこだわってないの。そう言うのは姉2人の仕事だから」

「隈さえ無ければまだ良いのに…」

そんな事をちくちく棘を刺すように言われながらお好み焼きの焼き加減を見てひっくり返す。皆はコテでひっくり返す私を見て拍手までしてくれた。純粋と言うか、そもそもお好み焼きを焼くと言う姿を見たことがない故に物珍しいのだろう。
彼女たちからすれば大道芸のような物だ

そこから少し火を通して皆のお皿に乗せて、ソース等をかけてあげれば完成だ

「わぁ!美味しそう!」

「食べよ!食べよ!」

「こらこら待ちなさいよ」

由佳と湯葉が早く食べさせろと急かしてくるが、まだ全員分の盛り付けが終わっとらんのだ、もう少し待ってくれ

「ほい、未来」

「ありがとぉ…」

「どういたしまして」

「それじゃ食べましょ」


「「「いただきまーす」」」


豚のお好み焼きはよく食べてたけど、明太チーズなるものは正直食べたことが無く不安だったが美味しかった。
皆も夢中で食べている、年相応の笑顔って言うやつだな。
あぁ~和む。………いかんいかん…変な方向に思考が走るところだった

残った生地も焼いてしまい、追加注文などはする事なく終わった。性格通り由佳と湯葉は1番大きいものを要求してきて大変だった。

「嬢ちゃん達、ほらおまけだよ」

少し食休みを入れてからお会計に行こうと思っていたら、店主のおっちゃんがバニラアイスを持ってきてくれた。
いや~本当に感謝ッス、濃い味の物を食べた後のあっさりした物って最高だよね

「やったーデザートだ!ありがとう、おっちゃん!」

「ははは!いいって事よ」



食べ終えて、お会計をすると皆は近くの貸駐車場にお迎えを呼んだらしいのでそこまでお見送りすることにする。
生憎私のスマホはバッテリーは0何でね。とっくの前にお亡くなりになっていて…誰も呼べないのよ…

原因?そら授業中にこっそりいじったりしてたらね…
本当は学校時間帯は学校側に預けるのだが、偽造なんて容易いわボケェ。おっと…言葉が悪いですよ美春さん…
誰と話してんだ私…

貸駐車場に向かう最中視線を感じた。体がゾッとなる感じのやつ。明らかな性的な視線…やはり8時過ぎに人通りの少ない道を選ぶんじゃなかった。遠回りだがここよりかは人通りのある通りがある。

武器と言ってもスタンガン式の警棒しかないしな…隠しナイフはお母さんに取り上げられたし…
人さらいが目的なら私達の無力化の道具や薬の1つでも持っているだろう

「美代?」

私は人差し指を口元に当て静かにしてと合図を送る
しょうが無いやるとしよう。こんな事で私の初めての友達とご飯記念日をおじゃんにされては困るからね

「そこの人、何のようですか?」

私はわざと電柱の方へ歩いていく。素人から見れば隙きだらけだが熟練者なら好きがないとわかる歩き方をする。

「やぁ!………グァバ!」

「甘い、雑魚が」

覗いていた人は中々真面目そうな人だった。手を伸ばして来たので手首を両手で挟むように持ち、合気の技で投げ地面に組み伏せ首元に数秒電気を迸らせたスタンガン式警棒を突きつける

「すまん!許せ!疚しい気持ちなど無い」

「どの口が言うんだ?このロリコンストーカー」

ロリコンストーカーと言ったが、服装は明らかに豪華なものであった。ブランドのスーツに見を包みしっかりと髪も整えている目元が誰かに似ている気が…


「パパ!?」

その時湯葉がそう叫んだ

「パパ!?これ?」

「うん!」

湯葉のパパはロリコンだったのか…
じゃなくて!今私そこそこのお金持ちを地面に組み伏せてる………
ヤバイかも…
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