3 / 5
調理実習です
しおりを挟む
季節は初夏制服も半袖のシャツ等に切り替えている人もちらほら出ている。僕は日差しに弱いので年中長袖のワイシャツを着ている。暑くないと言えば嘘になるが、なにせ日差し弱いのだ、仕方あるまい。
そんな事より今日は憂鬱でしょうがない。
その理由は
「はい、ではこれから調理実習をはじめます」
僕達の担任である臼井先生が調理室の普通の教壇ではない、大きい作業台でそう告げる。
そう、これが憂鬱の理由だ。いつもならあまりクラスに馴染めてない女の子2人組の所でやってる為、互いに無言で作業できるのだが…
「ウチさ~料理とか出来ないんだよねー」
「女子力ひっくw」
「うっせー!」
赤城海斗君 大広間愉悦君 立花龍前君 八重森楓さん 橘音羽さんと、僕。
もし神様がいるなら僕は今凄く恨んでいる。普段はこの空気に混ざりたいななんて思っていたりもする。けど、その空気に馴染む力を持ってない今の僕からしたら、先生が怒鳴ってシンとした教室くらい気まずい。てか場違い感が否めない。
結論何もしない事にした。
切った物を洗ったり、使い終わった調理器具を洗う係になろう。
そう決め込んでワイワイ騒いでるこの人達を眺めていた。その矢先
「っー!。切った!」
真っ先に包丁を取りパッと見できそうだった、橘さんがいきなり指を切ってしまった。
「消毒、消毒~」
作業台の収納スペースから自前の消毒を取り出し、ティッシュに湿らせている所を見て、僕とした事がついその行動に対し声をかけてしまった。
「まって、そのぐらいなら水洗いの方が……良いよ。その…人間に必要な菌まで殺しちゃうから…」
出だしはしっかり言えた。でもどんどん後半失速し、最後の方はもう独り言みたいになってしまった。
本当ごめんなさい…
「ん?そなの?じゃあ水でー」
「絆創膏貰ってきます」
そう言い一度離脱するが、出血の為早くに戻らなければいけない。
僕は先生から絆創膏をもらい、届けに戻る。今思えば消毒を持ちある歩いてるなら絆創膏くらい持ちある歩いてると思うが、持ってきてしまった物はしょうがない。
「あんがとー」
「は、はい…」
「ふ~ん、雛菊ってそう言う知識あるんだー」
「見た目女子っぽいからな~」
「じゃあこれ剥いて!」
サラッと人の気にしてる事を言った…。
別になりたくてこんな見た目なんじゃない…
渡されたのは課題のさばの味噌煮の鯖と、野菜の味噌汁に使う人参。大方面倒くさいからこうやって押し付けてるだけなのだ。でも僕の方が早く出来るし、変な切り跡残さないから見栄えも良くなるはず。
「ん、うん。僕やるよ」
僕は調理室の戸棚の調理部と書かれた棚から部活の際使用している、自分の包丁を取り出す。
そして作業台に戻るよ
人参を切り剥きやすい大きさにしたから、包丁で手際よく皮を剥いていく。今日はピーラーは使っちゃ駄目なんだそうだ。
野菜の味噌汁に使える様にいちょう切りにし、ザルに入れ水でさっと洗い。ついでに包丁も軽く水で流し、キッチンペーパーで拭き、鯖に取り掛かる。
腹開きで包丁を入れ、内臓を取り中を軽く洗い、頭を落とし、味噌煮に使える様に中骨を取り開けば完成。
たぶん5分もかかってないはず。
「終わった……よ?」
つい集中してしまった。作業台から顔をあげると、全員が唖然とした様子で僕を見ていた。
えっと…至らぬ点があったでしょうか…小骨も見える範囲は取ったよ…
「すっご…」
「料理番組みたい」
「「…………」」
えっと…褒められてるのかな?、引かれてるのかな…
「すっげーよ!えっと…雛菊!ウチに料理教えて!」
「俺も!」
「え、あ、はい…僕なんかでよければ」
と言っても特段教える様な事もない作業。じゃがいもを剥いて玉ねぎを剥いて切るだけ。これだけなら多分教えなくても…
そう考えていた自分が甘かった
「ああ!そんなに包丁を振りかざさないでください!」
「なんで玉ねぎがハンバーグに使うみたいなみじん切りになるんですか?」
「まだ沸騰してません!いれないで!」
まさかこの班の全員がここまで壊滅的だとは思わなかった。なんでじゃがいもに対してあんな、薪割りみたいな切り方をするんだろう。皮は僕が剥いたのに…
後はしっかり煮込むだけなので、僕は片付けをしていた。
「結構苦労したみたいだねー」
「桔梗さん。はい…その…なんでじゃがいもを薪割りするでしょうか…」
「まぁ人には得手不得手があるから」
「だとしてもですよ…」
「梓~!これでいいの!?」
「まってー今行く!じゃあね悠君」
「はい」
そう言い自分の班に小走りで向かっていく桔梗さん。
あちらの班もなかなか難航しているようだ。
もしかしたら何となく班構成が出来る人が数人その他出来ない人で固められてる事に気づく。
先生の策略なのか…それとも、評価の試食で前回どこのを食べたのかは分からないが、倒れたのが関係しているのだろうか。
実食
「うっま!」
「やばくね!」
「せんせー。食べて!」
そう言うと先生が評価の紙を手に持って、こちらの班に来る。
「いただきます」
鯖の味噌煮を摘む箸が、その手がぷるぷると震えている。
うん、前回倒れたのはこの班の構成の人達なのか。
と一人納得していると。意を決したのか勢いよくパクっと食べる。
「うま」
「でしょ!ウチらやれば出来るんだよ!」
その感想に対し
「嘘言え、これ殆ど雛菊が作ったろ。味付けが雛菊風だしな。前回からこれに成長したというなら、それは進化か悪魔に魂売ったと言われたほうが納得いくわ!」
酷い言われようだ。それに僕の味付けってそんな分かりやすいのかな。一応1年間は部活で僕の料理を試食してるはずなんだけどな。
ずすっ……うん、味薄いかな?
「ひっでー!いや、間違ってねぇけどさ」
「ま、ウチとか調理実習以外で料理とかした事ねーもん」
「暇ありゃトレーニングしてるもんなお前」
「でも凄いよ雛菊君。こんな料理できたんだ」
「え、あ…まぁ」
褒められたのは嬉しいが、こんな簡単な料理で褒められてもな…と若干複雑な気持ちになる。どうせならパフェとか作った時なら、褒められた感がするもんだけど。
味噌汁と鯖の味噌煮だよ。手順どおりに……いや、僕も最初はできなかったんだからそう言う事は言うもんじゃないな
「「「ごちそうさまでした」」」
無事ではないがなんとか調理実習は終わる事ができた。
そんな事より今日は憂鬱でしょうがない。
その理由は
「はい、ではこれから調理実習をはじめます」
僕達の担任である臼井先生が調理室の普通の教壇ではない、大きい作業台でそう告げる。
そう、これが憂鬱の理由だ。いつもならあまりクラスに馴染めてない女の子2人組の所でやってる為、互いに無言で作業できるのだが…
「ウチさ~料理とか出来ないんだよねー」
「女子力ひっくw」
「うっせー!」
赤城海斗君 大広間愉悦君 立花龍前君 八重森楓さん 橘音羽さんと、僕。
もし神様がいるなら僕は今凄く恨んでいる。普段はこの空気に混ざりたいななんて思っていたりもする。けど、その空気に馴染む力を持ってない今の僕からしたら、先生が怒鳴ってシンとした教室くらい気まずい。てか場違い感が否めない。
結論何もしない事にした。
切った物を洗ったり、使い終わった調理器具を洗う係になろう。
そう決め込んでワイワイ騒いでるこの人達を眺めていた。その矢先
「っー!。切った!」
真っ先に包丁を取りパッと見できそうだった、橘さんがいきなり指を切ってしまった。
「消毒、消毒~」
作業台の収納スペースから自前の消毒を取り出し、ティッシュに湿らせている所を見て、僕とした事がついその行動に対し声をかけてしまった。
「まって、そのぐらいなら水洗いの方が……良いよ。その…人間に必要な菌まで殺しちゃうから…」
出だしはしっかり言えた。でもどんどん後半失速し、最後の方はもう独り言みたいになってしまった。
本当ごめんなさい…
「ん?そなの?じゃあ水でー」
「絆創膏貰ってきます」
そう言い一度離脱するが、出血の為早くに戻らなければいけない。
僕は先生から絆創膏をもらい、届けに戻る。今思えば消毒を持ちある歩いてるなら絆創膏くらい持ちある歩いてると思うが、持ってきてしまった物はしょうがない。
「あんがとー」
「は、はい…」
「ふ~ん、雛菊ってそう言う知識あるんだー」
「見た目女子っぽいからな~」
「じゃあこれ剥いて!」
サラッと人の気にしてる事を言った…。
別になりたくてこんな見た目なんじゃない…
渡されたのは課題のさばの味噌煮の鯖と、野菜の味噌汁に使う人参。大方面倒くさいからこうやって押し付けてるだけなのだ。でも僕の方が早く出来るし、変な切り跡残さないから見栄えも良くなるはず。
「ん、うん。僕やるよ」
僕は調理室の戸棚の調理部と書かれた棚から部活の際使用している、自分の包丁を取り出す。
そして作業台に戻るよ
人参を切り剥きやすい大きさにしたから、包丁で手際よく皮を剥いていく。今日はピーラーは使っちゃ駄目なんだそうだ。
野菜の味噌汁に使える様にいちょう切りにし、ザルに入れ水でさっと洗い。ついでに包丁も軽く水で流し、キッチンペーパーで拭き、鯖に取り掛かる。
腹開きで包丁を入れ、内臓を取り中を軽く洗い、頭を落とし、味噌煮に使える様に中骨を取り開けば完成。
たぶん5分もかかってないはず。
「終わった……よ?」
つい集中してしまった。作業台から顔をあげると、全員が唖然とした様子で僕を見ていた。
えっと…至らぬ点があったでしょうか…小骨も見える範囲は取ったよ…
「すっご…」
「料理番組みたい」
「「…………」」
えっと…褒められてるのかな?、引かれてるのかな…
「すっげーよ!えっと…雛菊!ウチに料理教えて!」
「俺も!」
「え、あ、はい…僕なんかでよければ」
と言っても特段教える様な事もない作業。じゃがいもを剥いて玉ねぎを剥いて切るだけ。これだけなら多分教えなくても…
そう考えていた自分が甘かった
「ああ!そんなに包丁を振りかざさないでください!」
「なんで玉ねぎがハンバーグに使うみたいなみじん切りになるんですか?」
「まだ沸騰してません!いれないで!」
まさかこの班の全員がここまで壊滅的だとは思わなかった。なんでじゃがいもに対してあんな、薪割りみたいな切り方をするんだろう。皮は僕が剥いたのに…
後はしっかり煮込むだけなので、僕は片付けをしていた。
「結構苦労したみたいだねー」
「桔梗さん。はい…その…なんでじゃがいもを薪割りするでしょうか…」
「まぁ人には得手不得手があるから」
「だとしてもですよ…」
「梓~!これでいいの!?」
「まってー今行く!じゃあね悠君」
「はい」
そう言い自分の班に小走りで向かっていく桔梗さん。
あちらの班もなかなか難航しているようだ。
もしかしたら何となく班構成が出来る人が数人その他出来ない人で固められてる事に気づく。
先生の策略なのか…それとも、評価の試食で前回どこのを食べたのかは分からないが、倒れたのが関係しているのだろうか。
実食
「うっま!」
「やばくね!」
「せんせー。食べて!」
そう言うと先生が評価の紙を手に持って、こちらの班に来る。
「いただきます」
鯖の味噌煮を摘む箸が、その手がぷるぷると震えている。
うん、前回倒れたのはこの班の構成の人達なのか。
と一人納得していると。意を決したのか勢いよくパクっと食べる。
「うま」
「でしょ!ウチらやれば出来るんだよ!」
その感想に対し
「嘘言え、これ殆ど雛菊が作ったろ。味付けが雛菊風だしな。前回からこれに成長したというなら、それは進化か悪魔に魂売ったと言われたほうが納得いくわ!」
酷い言われようだ。それに僕の味付けってそんな分かりやすいのかな。一応1年間は部活で僕の料理を試食してるはずなんだけどな。
ずすっ……うん、味薄いかな?
「ひっでー!いや、間違ってねぇけどさ」
「ま、ウチとか調理実習以外で料理とかした事ねーもん」
「暇ありゃトレーニングしてるもんなお前」
「でも凄いよ雛菊君。こんな料理できたんだ」
「え、あ…まぁ」
褒められたのは嬉しいが、こんな簡単な料理で褒められてもな…と若干複雑な気持ちになる。どうせならパフェとか作った時なら、褒められた感がするもんだけど。
味噌汁と鯖の味噌煮だよ。手順どおりに……いや、僕も最初はできなかったんだからそう言う事は言うもんじゃないな
「「「ごちそうさまでした」」」
無事ではないがなんとか調理実習は終わる事ができた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる