女子力極振りの僕は男子力極振りな彼女に絡まれる 〜お願いですから来ないでください〜

陽風鹿乃

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変な奴?でも凄いやつ?

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Side八重森


「うへぇ、ダッル今日調理実習じゃん」


朝起き、シャワーを浴びているときウチはそれを思い出した。ウチはスポーツや喧嘩みたいな荒事…いや体を張ることは関したことにゃ負けたことは殆どねぇ。

でも


「楓あんた外で料理しちゃだめよ!」


身支度を終え家を出ようとすると、調理実習でつかうエプロンの入った袋を持ちならが母さんがそう言ってくる。


「わーてるって」


別に包丁を使わしてくれないなんて言う、過保護な親って訳じゃない。単純にウチが料理が下手すぎて、手を出すとどれも劇物になるのだ。別に料理に限った話じゃあない。

掃除、洗濯、裁縫、どれもこれっぽっちもできない。

よく男勝りなんて言われるが、不快じゃない。逆にしっくりしすぎて怖いくらいだ。


料理も裁縫もウチは女々しい事は嫌いなんだっての!

無理とかそう言う言葉は好きじゃない。でも小さい頃から少しずつやってみての結果。"無理だった"のだ

やろうとしないは嫌い、でもウチに関してはやって出来なかった。諦める他ないだろう


そして私は担ぐタイプのカバンを背負い、愛車のロードバイクをガレージから出すと、学校に向かってペダルを漕ぎ始めた。


まだ6月で梅雨明けってのに朝から暑い。もう制服を夏服に変えて正解だったな。


「あぁーきもちー!」


家から少し漕いだ先には傾斜が待っている。ウチはそこから一気に駆け下り風を切る感じが大好きだ。自転車通学にしている理由の1つでもある。


傾斜を下りきれば同じ制服の人が一気に増える。

近くに駅があるからだ。この自転車ならあと5分って言う所で学校につく。傾斜も本気で漕げば6分くらいで学校につくのだ。


暑さで汗が出る前に登校しきる。それがウチのモットーだ。


自転車を駐輪場に置きしっかりツーロックすると、日向を躱しながら教室に向かう。


「やっほー!」


目の前には

赤城に 大広間に 立花に 音羽に幼馴染の伊吹がいる。


「おお!八重森!おっはー」


「劇物Xを作る準備はして来たか?」


「んだと!お前はこの前劇物Zでも作ってたじゃねえかよ!」


「「アハハハハハ」」



ウチらの班は去年からずっとこいつらと同じで、劇物になり試食の先生の意識を沈めたのだ。


「でも今日は伊吹いるからいけるっしょ!」


伊吹は運動もできれば料理もある程度できる。

いつもは伊吹が全部やってくれるから劇物が生まれなかっただけで、前回は風邪で休んだ。だから劇物ができたのだ



「あまり俺に頼るな。もし、包丁使いのテストあったら落ちるぞ?」


「わっーてるよー!頭かてーぞ!」


「後から痛い目あっても知らんからな」


「「言えてるww」」



そんないつもの朝のテンションで話してるとチャイムが鳴り、ホームルームが後5分後に始まる事を告げる。

ここらは席に座った状態で喋りあう。


やがて先生が来ると、1枚の紙を黒板に貼った


「はーいこれ、今日の調理実習の班ね。今日は指定させてもらうから」



「「ええーー」」



「なんでー!せんせー!」


ウチは手を上げて大きい声でそう聞く


「劇物を出さないためだよ!」


何も言い返せなかった



そしてやってきた2限の調理実習。幸いウチらの班は今まで同じ班だった仲良し組で固まっていたのだが、1人分からん奴がいた。

ウチはそいつの事を既に調理室に来ていて尚かつ同じ班の音羽に聞く


「なー音羽。雛菊って誰?」


「ん?この前桜庭くんに睨まれて、具合悪くなった子」


「あーあいつね。んだと女子3人でちょうど3人3人なんだー」


話した事ねぇからな。逆に男子の方が楽だったかもしれんな。女子の会話って結構めんどくさいんだぜ。


「ん?あれ男子だよ~」


「は!あれ!?」


「あれで」


思い出せば男子の制服を着ていた気がする。でもあんな可愛い男がいるか?


「って言う事は劇物にならないって事はねぇかもしれないのかぁ~」


「でも~あの子確か調理部だよ?桔梗ちゃんと同じだったはずだから」


「えっ!?まじ!?」


「うんうん、まじ」


ウチは分からなかったなんでせっかく男に生まれたのに、スポーツやそれに準ずる体を使うことをしないのか。

女より、筋肉の発達が凄くてスポーツとかに関しちゃ有利だってのに…なんでそんな女っぽい事…


「楓~それは偏見だぞ~」


「声出てた?」


「ううん…顔に書いてた」


ウチってそんな顔に出やすいタイプだったかなぁ…

音羽も別にスポーツをする訳でもないし、なんなら吹奏楽部だ。別にそれは良い女の子だから。運動には不向きな体の発達の仕方だから。だから明治時代中盤までスポーツが女に浸透しなかった理由とも言える。


「よっす、どした?」


どうやら赤城達が来たみたいだ。

エプロンが絶望的に似合ってない。でもこのネタは死ぬほど使ったから今更支えない。でも…


「やっぱ似合んないわー!」


「もぅ言うなー!」


ツッコまずにはいられなかった。



で結局あいつが今ウチの向いに座ってるけど、先生の説明も聞かずに下を向いてボーとしている。

どうせ、調理部も幽霊部員とかなんだろうな。こんな奴が部活できる気がしない…いやこれも偏見か?




それは実習が始まって直ぐのことだった。


「っー!。切った!」


音羽が指を切っちまった。

でも救急ポーチを持ち歩いてるから別に大丈夫だろ、と目の前の野菜をどう切れば正解なのかを考える


「まって、そのぐらいなら水洗いの方が……良いよ。その…人間に必要な菌まで殺しちゃうから…」


あいつが…雛菊がそう言ったのだ。

怪我したらとりあえず消毒が定石だと思ってたのにな、水だけでいいのか?てか菌って全部駄目なんじゃねえの?


それから絆創膏を貰ってきて、渡すと。

赤城達が調子に乗って自分の担当の野菜や魚を雛菊に押し付けた。これでミスっても人のせいにできるからな。

さぁ調理部さんの実力を………実力を……


何処からか持ってきた実習で使ってるのとは、一風違う包丁を手にしてテレビで見たことあるみたいにトントントンと野菜を切り、魚のあの生臭さが手に残ることも一切気にせず、一瞬で全部捌いてしまった。



「終わった……よ?」


いや…終わったよ。じゃねえだろ。そんなできんならもっと、もらやったぞーって感じ出してもいいだろ。

てかそれにしても


「すっご…」


それは自然と声に出ていた感想だ


「料理番組みたい」


音羽がそう言うが確かにそう見える


「「…………」」



赤城達はもっとあたふたしながら料理するのを期待してたのか、あまりの事に呆然としている


そしてなんで雛菊は

えっと…褒められてるのかな?、引かれてるのかな…

見たいな顔してんだよ!褒められてるよ!百歩譲っても引かれる事はねぇよ!それで


でもそれでウチは雛菊に興味を持った



「すっげーよ!えっと…雛菊!ウチに料理教えて!」


どうせなら教えてもらうしかないでしょ!


「え、あ、はい…僕なんかでよければ」


よしっ!




「ああ!そんなに包丁を振りかざさないでください!」


だってじゃがいもだぜ?硬いぞ?



「なんで玉ねぎがハンバーグに使うみたいなみじん切りになるんですか?」


知らん!


「まだ沸騰してません!いれないで!」


どうせ入れるなら早い方いいじゃん!


結果として、注意され殆ど全部雛菊が料理をする羽目になった。

ちなみにこの班全員が同じ風に料理をしたって考えてくれ

後は味噌煮を煮込むだけらしく、雛菊がさっと洗い物を済ませると、片付けに行ってしまった。


その時桔梗って言う子と話してたけど、顔が疲れてるような気がした。やっぱ迷惑だったんかな…こんな才能のさの字も無い自分が才能の塊見たいな奴に教えてって言うのは、あいつからしたらストレス以外のなんでもねぇよな。


赤城とかに迷惑をかけるなら、わりーで済むが親しくねぇやつに迷惑かけんのはな、なんて謝っていいか分かんねぇから苦手だ。

て、なんやかんやで完成しついに実食




「うっま!」


「やばくね!」


そんな感想しか出なかった


「せんせー。食べて!」


音羽がそう言うと先生が評価の紙を手に持って、こちらの班に来る。


「いただきます」




鯖の味噌煮を摘む箸が、その手がぷるぷると震えている。


まぁ前回の事があるからなぁー


と思っていると、目を瞑り一息に食べる先生



「うま」



「でしょ!ウチらやれば出来るんだよ!」


ウチ何言ってんだろ殆ど雛菊じゃん…なに自分の手柄みたいにしてんだろ。

ついいつものノリでやってしまった


「嘘言え、これ殆ど雛菊が作ったろ。味付けが雛菊風だしな。前回からこれに成長したというなら、それは進化か悪魔に魂売ったと言われたほうが納得いくわ!」


まぁ全部お見通しってことですねー



「ひっでー!いや、間違ってねぇけどさ」


「ま、ウチとか調理実習以外で料理とかした事ねーもん」


嘘だめちゃくちゃした。でもできなかったから、やらなかった事にしている。だって努力してできませんでしたは、なんか恥ずかしすぎる。


「暇ありゃトレーニングしてるもんなお前」


だって運動部ですから!3年生の中で一緒にプレイしたいから全力でやってる。それに動くのは大好きだから!


「でも凄いよ雛菊君。こんな料理できたんだ」


本当にそう思う。男で、専門的な学校とかそう言うのに行ってない人でこんなに美味しいものを作れる人がいたんだ。

と心から思う


「え、あ…まぁ」



そしてお前はもう少し素直に評価を受け取れ!


Side八重森out


今度もう少し絡んで見ようかなと思った楓であった


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