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γ-クラリウム星系群編(後編)
135-野良犬たちは嗤う
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その頃。
破壊された軍事ステーションの周囲で、艦隊が作業していた。
軍事ステーションの物資を略奪しているのだ。
「進捗はどれほどか?」
「はっ、40%程だと先ほど連絡が」
「急がせよ、このペースではインナーリウムを陥落させられんではないか」
「そのように伝えてまいります」
去っていくウエジ。
ブリッジには彼一人が残された。
マイケル・チェム・ハゾーダ。
彼は、今回のクーデターの首謀者であり、クラント・シップメーカーで開発中だったクラリティ級の特殊仕様を奪って勝手に改造を加え、マクシミリアン・シップヤードに製造を依頼したのだ。
彼の思想は独善的であり、愚策と言って全く過言ではないものだ。
アルブ・クラータという会社のCEOであった彼は、クラリウム星系群が抱える自治区という点に目を付けたのだ。
企業同士の連合で維持されているこのクラリウム星系群は、手中に収められれば貴族と同等の力を持つ。
そのトップに立ち、いずれは王を打倒することが彼の野望であった。
全ては積み重ね、だが彼は結局、程々で諦めるという事を知らない愚者であった。
「全ては我が手に握られねばならぬ」
ブリッジで彼はそう呟いた。
右手で蓄えた髭をなぞり、そして薄く笑う。
「だが、ようやく叶いそうだ」
彼の本質は「見下されたくない」という事だ。
そのような幼稚な思想を抱えるのは、家庭の問題――――という単純な言い訳で片づけられないほどの闇がある。
結局世界を動かすのは、彼のように闇を抱えた人間なのかもしれない。
「その全てをひれ伏させてやる、ふふふふ.....はははははは!!!」
「は、ハゾーダ様!」
彼が笑っていると、ブリッジにウエジが入ってきた。
ハゾーダは気分を害したが、ウエジの声に喜色が混じっていたため、彼を𠮟咤するようなことはなかった。
「どうしたのだ、くだらぬことであれば.....」
「分隊が追跡中であったアルターテックの主力艦を撃破したそうです」
「ふん、そのようなことは当然だ」
「しかし、何らかの報酬を....」
「不要だ、猟犬の仕事は当然だ。餌を食いたければ働くだけの事」
ウエジは口の中で出掛かった言葉を飲み込み、一礼した。
「それから、進捗は90%程まで進みました、物資の積み込みが終わり次第出発できるとの事です」
「うむ、よし」
ウエジは不快に思いつつも、自分がハゾーダの腹心である事を誇りに思っていた。
この計画が成功すれば、自分はナンバーツーとして多大な権力を握る事が出来る。
マフィアの鉄砲玉でしかなかった自分が、だ。
ブリッジに繋がる通路に出たウエジは、自分の腰に釣ったレーザーガンを見た。
「(そしていつかは、俺がニューリーダーに.....!)」
ハゾーダを殺し、自分がリーダーとなって王となる。
結局、誰も彼もが。
欲望と野望に突き動かされている。
『全艦隊に告ぐ。我々はこれより、インナーリウムⅡの攻略作戦を開始する! 分隊と合流し、一気に主要ステーションを叩く!』
そして。
オブリビオンが回頭を開始し、ハダルレインも同様に続く。
また何億人も殺すために、向かうのだ。
全ては愚かな野望の為に。
破壊された軍事ステーションの周囲で、艦隊が作業していた。
軍事ステーションの物資を略奪しているのだ。
「進捗はどれほどか?」
「はっ、40%程だと先ほど連絡が」
「急がせよ、このペースではインナーリウムを陥落させられんではないか」
「そのように伝えてまいります」
去っていくウエジ。
ブリッジには彼一人が残された。
マイケル・チェム・ハゾーダ。
彼は、今回のクーデターの首謀者であり、クラント・シップメーカーで開発中だったクラリティ級の特殊仕様を奪って勝手に改造を加え、マクシミリアン・シップヤードに製造を依頼したのだ。
彼の思想は独善的であり、愚策と言って全く過言ではないものだ。
アルブ・クラータという会社のCEOであった彼は、クラリウム星系群が抱える自治区という点に目を付けたのだ。
企業同士の連合で維持されているこのクラリウム星系群は、手中に収められれば貴族と同等の力を持つ。
そのトップに立ち、いずれは王を打倒することが彼の野望であった。
全ては積み重ね、だが彼は結局、程々で諦めるという事を知らない愚者であった。
「全ては我が手に握られねばならぬ」
ブリッジで彼はそう呟いた。
右手で蓄えた髭をなぞり、そして薄く笑う。
「だが、ようやく叶いそうだ」
彼の本質は「見下されたくない」という事だ。
そのような幼稚な思想を抱えるのは、家庭の問題――――という単純な言い訳で片づけられないほどの闇がある。
結局世界を動かすのは、彼のように闇を抱えた人間なのかもしれない。
「その全てをひれ伏させてやる、ふふふふ.....はははははは!!!」
「は、ハゾーダ様!」
彼が笑っていると、ブリッジにウエジが入ってきた。
ハゾーダは気分を害したが、ウエジの声に喜色が混じっていたため、彼を𠮟咤するようなことはなかった。
「どうしたのだ、くだらぬことであれば.....」
「分隊が追跡中であったアルターテックの主力艦を撃破したそうです」
「ふん、そのようなことは当然だ」
「しかし、何らかの報酬を....」
「不要だ、猟犬の仕事は当然だ。餌を食いたければ働くだけの事」
ウエジは口の中で出掛かった言葉を飲み込み、一礼した。
「それから、進捗は90%程まで進みました、物資の積み込みが終わり次第出発できるとの事です」
「うむ、よし」
ウエジは不快に思いつつも、自分がハゾーダの腹心である事を誇りに思っていた。
この計画が成功すれば、自分はナンバーツーとして多大な権力を握る事が出来る。
マフィアの鉄砲玉でしかなかった自分が、だ。
ブリッジに繋がる通路に出たウエジは、自分の腰に釣ったレーザーガンを見た。
「(そしていつかは、俺がニューリーダーに.....!)」
ハゾーダを殺し、自分がリーダーとなって王となる。
結局、誰も彼もが。
欲望と野望に突き動かされている。
『全艦隊に告ぐ。我々はこれより、インナーリウムⅡの攻略作戦を開始する! 分隊と合流し、一気に主要ステーションを叩く!』
そして。
オブリビオンが回頭を開始し、ハダルレインも同様に続く。
また何億人も殺すために、向かうのだ。
全ては愚かな野望の為に。
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