輸送艦オリオン~SF異世界に転生したら、女体化したうえ大型輸送艦の艦長になりました!最強輸送艦で商人プレイ!~

黴男

文字の大きさ
140 / 256
γ-クラリウム星系群編(後編)

139-”お姉ちゃん”

しおりを挟む
「絶対、怪しいよ!」
「だよねぇ....」

アルは猛反対した。
俺もそうだ。
こういうのは段階を踏んでやるものだと、俺も理解はしている。

「だけど、ペルソナはやれると踏んでるんだよね」
「はい、報告書によれば欠陥は意図的に放置されていたように思えます」
「なぜ?」
「恐らくは今後改良する余地があったのでしょう」

それを待たずに襲撃された、か。
実行犯にも余裕がなかったんだろうな。

「でも! それが嘘かもしれないって、リリーさんは言ってたじゃん!」
「そうなんだけどね.....」

全て正論だ。
俺たちが戦う必要なんてない。
反乱軍に対抗する戦力を揃え、それで犠牲を出しつつ討伐するのが正しいやり方だ。
俺たちは生き残らなければいけないのだから。

「でも、二回戦って分かったんだ、この船なら条件を満たせるって」
「単艦では危険です」
「分かってる、協力は取り付ける」

アルは、常に俺の心配をしてくれている。
だからこそ、それが嬉しくもあり、時に――――邪魔に思う事もある。
これは禁断の発想なのだ。
俺はアルを尊重しながら、この船を操らなければいけない。
アルを預かると決めた時から、責任を背負った。

「それなら、アルには下りてもらおうかな」
「えっ!?」
「軍の人たちに言って、保護してもらえばいい。秘密基地くらいあるでしょ」
「確かに、それであれば互いのリスクを担保しあえますね」
「今は全ての人たちが平等に危険にさらされてる、でも、あの時報酬を突っ返した俺なら、ビュッケツァイン子爵に話は通せる」

覚悟はできている。
アルに別れを告げる覚悟も。

「アルを乗せたままだと、この船は無茶できない。でもアルが乗っていないなら――――」
「違うよ、リリーさん!!」

アルは叫ぶ。
さて、どんな理由が出てくるのか。
俺は斜に構えて、彼の言葉を待った。

「一緒じゃなきゃ、嫌だよ!」
「でも、一緒だったら無茶は出来ないよ?」
「でも、僕....リリーさんが死んじゃったら....」
「はぁ~折衷案で行きませんか?」

その時、ペルソナが溜息を吐くしぐさを見せる。
俺とアルは議論を中止して、彼女を注視する。

「一緒に死んじゃうってのはどうですか?」
「大問題だよ!」
「死ぬのは.....僕....」
「それくらいの心意気で行くって事ですよ、お互いに好きなんですよね? 離れたくないんですよね?」
「それは.....」

俺は言葉に詰まる。
アルを降ろすとは言ったが、別れはもう嫌だ。
ペルソナが今は俺の傍にいるけれど、アルがいない生活は何かが欠けたようになってしまうだろう。

「もどしかしいんでしょう? でも決められない、別れでしか互いを守れない。それなら、いっそ....二人で滝つぼに飛び込むくらいの勢いで行きましょうよ!」
「そんな、ドラマみたいな....」
「一緒なら....いい! 僕は、一緒に行く!」

アルはやる気になっていた。
そして同時に、俺はペルソナに感謝していた。
こんな結論、きっと彼女なしでは導き出せなかっただろう。
離れられないなら、俺たちは共に死に向かうしかないのだと。

「アルはそれでもいいの? アルが死んだら....」
「僕が悩んでも、リリーさんは諦めないんでしょ?」
「.....そうだね」
「僕はリリーお姉ちゃんを、信じる!」
「ぐはっ!?」

不意打ちを喰らった。
なんだよ、お姉ちゃんって。

「だ、大丈夫?」
「大丈夫.....」

俺は腰砕けになりつつ、ペルソナに寄りかかる。

「どうしますか?」
「骨は拾ってね」
「無理です! 私も一緒に破壊されますので!」
「.......そう」

おおよそ機械らしくない判断だな。
なら、三人ともこの棺桶で死地に突っ込もうじゃないか。
あ、四人だな。
全部賭けてみようなどと俺に言い切ったあのジジ....お爺様も合わせて四人だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

CORE

氷星凪
SF
機動兼出力用人間型電池「ライクア」が国内で実用化されてから百年。国の中心にあるライクア養成学校では今日も使用者となる人間への忠誠を学び、より人間の役に立つため生徒のライクアが日々勉強に励んでいる。そんな中、第二十五期卒業生となる予定の形式番号「N-3015」という個体は、自分達の自由を奪おうとする人間への不信感を募らせていた。それゆえライクアなのにも関わらず自主的に勉強をすることなく、授業もろくに聞かない。周囲からは、学校一の劣等生と呼ばれていた。だが、卒業は等しく全員に訪れる。スクラップにされるか、最底辺の配属地に送られるか。そんな先生からの提案に対し、最終的に外の世界での配属を選んだ彼だったが、そこで待ち受けていたのはやはりライクアを物のようにしか扱わない人間達の集まりだった。余りの低待遇に耐えられず、結局逃げ出してそのまま道端で気絶してしまう。次に目覚めた時、彼はとある電気屋で「アルラ」と名乗る少女と邂逅を果たす。人間だという時点で彼は彼女を忌避するが、どうも彼女は何も危害を加えてこない。そして彼女の口から語られたのは、人間を次々と襲うライクアの秘密組織「インス」の存在。彼女は彼らに両親を殺され、その復讐のために戦っていると言う。最初は信じられなかった「N-3015」だが、インスの組織員達が次々と他者の自由を奪う殺戮を繰り返す瞬間を目撃する。その時、彼は彼女から与えられた「ナロル」という名を名乗り、二人で協力してその拳で組織を倒すことを決意するが────。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
リメイク先:「視線が合っただけで美少女が俺に溺れる。異世界で最強のハーレムを作って楽に暮らす」  ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...