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γ-クラリウム星系群編(後編)
140-ノリノリ煽り演説
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翌日。
インナーリウムⅡの周回ステーションの2割を破壊した艦隊は、再び補給という名の略奪に走っていた。
「うむ、この調子であればインナーリウムの制圧も夢ではあるまいな」
「流石、ハゾーダ様です」
「馬鹿者、そんなことは当たり前だ。それよりも、ステーションから回収した金品は全て私の元に集めるのだ」
「はっ」
ウエジはこの人間にとって自分は必要な人間なのかと疑問に思ったが、すぐに考えを改めた。
いつか弑逆する時までは、その考えは沈めておくべきだと考えたからである。
「は、ハゾーダ様」
その時、通信士が声を上げた。
普通はウエジを通すのだが、そうしなかったことにウエジは腹を立てて叫ぶ。
「なんだ! どうでもいいことでハゾーダ様を煩わせるな」
「し、しかし...アルデランが演説をしております!!」
その言葉に、ハゾーダが椅子から立ち上がった。
その顔は驚愕と絶望、そして憎しみが入り混じっていた。
「それは、誠なのか」
「は、ハイ! スクリーンに投影しますっ!」
上部スクリーンに投影された映像では、どこかのブリッジで演説するアルデランの姿があった。
『...であるからして、首謀者のマイケル・チェム・ハゾーダは許されざる大逆者である。CEOを解任された逆恨みで、このような愚かな行為に走っているのである。決して賢明とは思えないこの発想に、我々は笑いを堪えるのに必死であり...』
ハゾーダの顔に青筋が走る。
彼は馬鹿にされるのも嫌いだ。
だからこそ周囲をイエスマンで固めているというのに、目の前で煽られている。
「通信士を殺せ」
「は、はい?」
ハゾーダが声を発する。
凄まじい怒りで、その声は掠れていた。
「私を不快にさせた罰だ、殺せ!」
「...わかりました」
「ウエジ様!? 何を!?」
レーザーガンの音が響く。
血溜まりに倒れる通信士を見て、ウエジは思った。
「(もうすっかり王様気分というわけか)」
「許せぬ...ウエジ!! 艦隊を発信源に向けて急行させよ、必ず奴を殺して、その死体を切り刻んでくれるわ!!」
「は、はい...全艦隊に告ぐ、補給を中止して共有されたポイントへ向かうのだ!」
艦隊が動き出す。
巡洋艦67隻と主力艦一隻が。
◆◇◆
同時刻。
輸送艦オリオンは、巡洋艦四隻と戦艦二隻を伴って航行していた。
付随する艦艇には人が乗っておらず、ペルソナによる遠隔制御で動いている。
「こんなお芝居で来るんでしょうか?」
「さあ......」
俺とペルソナは、こそこそ話し合う。
その背後では、カメラに向けてアルデランが演説をしていた。
「彼の船の弱点を私は知っている!! そして、彼は私を殺そうとしたのだ! 私に罪がある事は認めよう、だが罪なき職員も、未来ある私の娘も殺されたのだ! これは不法であり、理不尽だ!!!」
すごい熱演だ。
ここに奴らを引き付けるためだけに、一日中練習してたもんな。
尊敬できる人だ。
まあ悪人なんだが。
『ワープアウト反応! 来ました!』
「来たか」
俺は艦長席に座る。
映像には丁度、背後に俺が映る形にはなってしまうが.....仕方ない。
「私を殺しに、艦隊が到着したようだ。だが私は屈しない、ここにいる彼女たちと、軍の勇士たちがある限り、私は決して蛮族の猿には負けない!」
軍の勇士というのはブラフだ。
この艦隊を借り受けたのは、物資の不足で運用できなくなったからだ。
この状況下で取り回しの悪い巡洋艦や戦艦は不要だと言われたので、こちらの本気度を見せる餌として利用している。
これで敵は、こちらがただ引き寄せるためではなく戦うために引き寄せたと誤解する。
『私はマイケル・チェム・ハゾーダである、卑怯な裏切り者が誤報を流したようだが、しかし正義は依然として我らにある!』
「独善が正義かね? 私に金も払わずに持ち逃げした人間が正義を語るとはね、盗人に改名した方がいいのではないかな?」
『きっ....貴様!』
『ハゾーダ様、すぐに終わらせればよい事です』
向こうも放送を開始したが、アルデランに全力で煽られてすぐに中断した。
それにしてもあれが敵の親玉かあ.....
トップにはなってほしくないし、そもそも向いてない人種だ。
「ヌスット・バカ・ハゾーダとでも名を変えれば、君も少しはらしくなると思うのだがね
『発砲感知! シールド展開します! シールドミサイル、粒子抑制ミサイル発射!』
道中で補給したシールドミサイルと粒子抑制ミサイルを使い、艦隊になるべくビーム兵器による攻撃が当たらないようにする。
そしてこちらも撃つ。
まともに戦闘をしているように見せかけるためだ。
『無駄だ、貴様らの攻撃では我々に傷一つ付けられんのだ、ワーッハッハッハ!!!』
「笑うばかりで、そちらもこちらに有効打は与えられんようだな」
『貴様ぁ!!』
相手の沸点が低すぎる。
どうやら、アルデランが何とか引き付けてくれている。
あとは35分耐えるだけだな。
インナーリウムⅡの周回ステーションの2割を破壊した艦隊は、再び補給という名の略奪に走っていた。
「うむ、この調子であればインナーリウムの制圧も夢ではあるまいな」
「流石、ハゾーダ様です」
「馬鹿者、そんなことは当たり前だ。それよりも、ステーションから回収した金品は全て私の元に集めるのだ」
「はっ」
ウエジはこの人間にとって自分は必要な人間なのかと疑問に思ったが、すぐに考えを改めた。
いつか弑逆する時までは、その考えは沈めておくべきだと考えたからである。
「は、ハゾーダ様」
その時、通信士が声を上げた。
普通はウエジを通すのだが、そうしなかったことにウエジは腹を立てて叫ぶ。
「なんだ! どうでもいいことでハゾーダ様を煩わせるな」
「し、しかし...アルデランが演説をしております!!」
その言葉に、ハゾーダが椅子から立ち上がった。
その顔は驚愕と絶望、そして憎しみが入り混じっていた。
「それは、誠なのか」
「は、ハイ! スクリーンに投影しますっ!」
上部スクリーンに投影された映像では、どこかのブリッジで演説するアルデランの姿があった。
『...であるからして、首謀者のマイケル・チェム・ハゾーダは許されざる大逆者である。CEOを解任された逆恨みで、このような愚かな行為に走っているのである。決して賢明とは思えないこの発想に、我々は笑いを堪えるのに必死であり...』
ハゾーダの顔に青筋が走る。
彼は馬鹿にされるのも嫌いだ。
だからこそ周囲をイエスマンで固めているというのに、目の前で煽られている。
「通信士を殺せ」
「は、はい?」
ハゾーダが声を発する。
凄まじい怒りで、その声は掠れていた。
「私を不快にさせた罰だ、殺せ!」
「...わかりました」
「ウエジ様!? 何を!?」
レーザーガンの音が響く。
血溜まりに倒れる通信士を見て、ウエジは思った。
「(もうすっかり王様気分というわけか)」
「許せぬ...ウエジ!! 艦隊を発信源に向けて急行させよ、必ず奴を殺して、その死体を切り刻んでくれるわ!!」
「は、はい...全艦隊に告ぐ、補給を中止して共有されたポイントへ向かうのだ!」
艦隊が動き出す。
巡洋艦67隻と主力艦一隻が。
◆◇◆
同時刻。
輸送艦オリオンは、巡洋艦四隻と戦艦二隻を伴って航行していた。
付随する艦艇には人が乗っておらず、ペルソナによる遠隔制御で動いている。
「こんなお芝居で来るんでしょうか?」
「さあ......」
俺とペルソナは、こそこそ話し合う。
その背後では、カメラに向けてアルデランが演説をしていた。
「彼の船の弱点を私は知っている!! そして、彼は私を殺そうとしたのだ! 私に罪がある事は認めよう、だが罪なき職員も、未来ある私の娘も殺されたのだ! これは不法であり、理不尽だ!!!」
すごい熱演だ。
ここに奴らを引き付けるためだけに、一日中練習してたもんな。
尊敬できる人だ。
まあ悪人なんだが。
『ワープアウト反応! 来ました!』
「来たか」
俺は艦長席に座る。
映像には丁度、背後に俺が映る形にはなってしまうが.....仕方ない。
「私を殺しに、艦隊が到着したようだ。だが私は屈しない、ここにいる彼女たちと、軍の勇士たちがある限り、私は決して蛮族の猿には負けない!」
軍の勇士というのはブラフだ。
この艦隊を借り受けたのは、物資の不足で運用できなくなったからだ。
この状況下で取り回しの悪い巡洋艦や戦艦は不要だと言われたので、こちらの本気度を見せる餌として利用している。
これで敵は、こちらがただ引き寄せるためではなく戦うために引き寄せたと誤解する。
『私はマイケル・チェム・ハゾーダである、卑怯な裏切り者が誤報を流したようだが、しかし正義は依然として我らにある!』
「独善が正義かね? 私に金も払わずに持ち逃げした人間が正義を語るとはね、盗人に改名した方がいいのではないかな?」
『きっ....貴様!』
『ハゾーダ様、すぐに終わらせればよい事です』
向こうも放送を開始したが、アルデランに全力で煽られてすぐに中断した。
それにしてもあれが敵の親玉かあ.....
トップにはなってほしくないし、そもそも向いてない人種だ。
「ヌスット・バカ・ハゾーダとでも名を変えれば、君も少しはらしくなると思うのだがね
『発砲感知! シールド展開します! シールドミサイル、粒子抑制ミサイル発射!』
道中で補給したシールドミサイルと粒子抑制ミサイルを使い、艦隊になるべくビーム兵器による攻撃が当たらないようにする。
そしてこちらも撃つ。
まともに戦闘をしているように見せかけるためだ。
『無駄だ、貴様らの攻撃では我々に傷一つ付けられんのだ、ワーッハッハッハ!!!』
「笑うばかりで、そちらもこちらに有効打は与えられんようだな」
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